想い
僕は姉と電話で話した。
親父の容態は少しずつ病状が進行しているとの事だった。
やはり悪くなっている。
どうすれば良い?
親父が何を望んでいるかは明らかだった。
母や姉に全てを話して麗子さんとルカに合わせるか?
しかしそれは我が家にそれ相応のダメージを与えるに違いなかった。
特に母に与えるダメージは相当なものになる。
母は盲目的に父に従ってきた。
父を尊敬していたし、昔から父のする事に間違いはないと信じきっていた。
そんな父が自分以外の女性と恋愛をし、子供まで作っていたと知ったら。
心に負う傷の大きさは計り知れなかった。
物事には『知らなくて済むならそうした方が良い』事もある。
僕はどうしても事実を母に打ち明ける事が出来そうになかった。
鉢合わせしない様にタイミングを見計らって、強行突破で麗子さんとルカを病室に呼ぶか・・・
結局はそうする事が1番の様に思えた。
僕は麗子さんに電話をした。
近日中に会えないかと尋ねた。
『私は「自由業」でほとんど家に居る。だからいつでもいらっしゃい』
との返答だった。
父と会って貰う様に麗子さんを説得しなければならない。
きっと会ってくれるはずだ。
3人は会うべきだと、僕は強く思った。




