表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北方辺境の看板姫  作者: 山野 水海
第一章 スコルトの人々

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/101

男爵家長男バルド・スコルトという男

今話も酒を飲んでいません。由々しき事態です。

 極めて硬いウロコを持つ特異個体のトカゲに対し、レミーリアたちはまず、今この場にある物で最も破壊力があるバリスタという攻城兵器をぶつけることにした。

 極太の矢を撃ち出す兵器で、鎧を着た兵士であっても容易に貫ける威力だ。連射はできないが通常の矢とは桁違いの貫通力である。これが通用しないのであれば、この場は一旦引いて、トカゲ退治は仕切り直しとなるであろう。


「よーく狙えよ。あのバカトカゲは追いかけっこに夢中だ、焦らなくていい」

「わかってますよ、団長。きっちり一発ブチかましてやりまさぁ」


 モルトガットの指示に自信満々で答える射手の男。

 装填されたバリスタがトカゲに向けられる。トカゲは狙われていることなど気づかず、無我夢中に〈赤銅の大熊〉の傭兵たちを追っかけていた。射手は悠々と発射準備を整えられる。

 片手に斧を持ったレクティが、バリスタを構えている射手の男性に声を掛ける。


「じゃあ検証開始だね。頑張って」


 射手の男は片頬にニヒルな笑みをたたえる。


「お任せ下さい、お嬢。あんなデカくてノロマなヤツ、目を瞑っても当ててみせますぜ」


 レクティは「頼もしいね」と言うと、前方で戦う傭兵たちに向けて声を張り上げた。


「バリスタ発射するよ! 射線空けて!」

「「「へいッ!」」」


 レクティの指示通りに傭兵たちは素早く散った。

 バリスタの照準は、走るトカゲの胴体にピッタリ合わせられている。

 傭兵たちが退避し、射線上に誰もいないのを確認した射手は、すかさずバリスタを発射した。バシュッという鋭い音と共に、大型の矢がトカゲの横腹に向かって飛んでいく。


 バキンッ!


「ギャウッ!」


 痛そうな悲鳴が上がる。矢はウロコを貫き、トカゲに突き刺さった。

 しかし筋肉に止められ矢尻までしか刺さらず、血は流れたが、大した効果があるとは言えない。

 団員たちからも落胆の声が漏れる。


「こりゃあアイツを仕留める前に矢が尽きるな」


 射手はそう独りごちた。


「ギューッ!」


 トカゲが怒りの声を上げながらバリスタに向かって突進してきた。

 痛みに怯んだり警戒する様子は全く無く、猪突猛進、バカの一つ覚えで真っ直ぐ向かってくる。つくづく単細胞なトカゲである。


「やっぱりこっちに来た」


 レクティが言うように、トカゲがこちらに向かってくるのは想定通りだ。今度はバリスタとは別のアプローチ、柔らかそうな場所を攻撃してトカゲにダメージを与えられるか試すつもりである。


「次はイングだね」

「わかった。どこ狙おうか?」


 レクティは迫り来るトカゲのどこを狙うか考え、隣で投擲槍を構えているイングに指示を出した。


「うーん、ちょっと口の中に槍入れてみて」


 イングは「うん」と事も無げに言うと、手に持った槍をトカゲに向かって全力で投擲した。勢いよく放たれた槍は狙い過たず、トカゲのうっすら開いた口の中に真っ直ぐ飛び込んでいく。

 言うまでもなく、走っているトカゲの頭部は激しく揺れ動いている。その口にピタリと槍を投げ入れるなど、いくらトカゲの図体がデカいとはいえ、恐ろしい投擲精度である。

 これがイングの特技だ。幼い頃より物を投げれば外したことは無く、《百投百中》の二つ名まで付けられるほどの天賦の才。距離と投げる物さえあれば、実はレミーリアより強かったりする。


「!? ――――ッ!? ゲゥェ!!」


 トカゲは激痛に思わず足を止め、口から血を流しながらその場でえずいた。

 ダランと舌を出し、異物を吐き出そうともがき苦しんでいる。


「今だッ! 行こう、レミー!」

「分かったわ!」


 動きが止まり完全に隙だらけ。真っ正面から攻撃する好機である。

 レクティの声に弾かれるようにレミーリアは走り出す。それにレクティも続いた。

 先を走るレミーリアは素早くトカゲに肉薄すると、気合一閃、剣を振るった。狙いは無防備にダラリと伸ばされたトカゲの舌だ。


「ハァッ!」


 レミーリアの剣は見事トカゲの舌をズバッと切り飛ばした。


「―――――ッ!?」


 声にならない絶叫を上がる。今日一番の叫び声だ。

 トカゲは口から血を溢しながら苦しみ首を振って暴れ出した。


「ーーシャァッ!!」


 残った片目がギョロリとレミーリアを睨みつけた。その巨体で弾き飛ばそうと体当たりをしかける。


「させないよッ!」


 レクティはトカゲの注意を引くため、トカゲの後ろ足に回り込んで斧を振るった。


「セイッ!」


 レクティはモルトガットと寸分違わぬ箇所に力強く斧を叩き込む。ウロコからガキンと大きな音が鳴った。


「ギュ!?」


 外傷は無いがモルトガットの一撃でしっかりと体内は損傷していたようだ。トカゲの口から驚いたような声が上がり、今まさに駆け出そうとしていた後ろ足が止まった。

 痛打とはいかないまでもトカゲはそちらに気を取られる。その隙にレミーリアは至近距離から離脱した。


「お嬢! あとは俺らにお任せを!」

「お願い!」


 今度はレクティから狙いを逸らすため、傭兵たちはトカゲに弓を射かけるのであった。




 トカゲは傭兵たちが交代で気を引いている。その間、後方では作戦会議が行われていた。


「イングの投げ槍が効いたってことは口の中は柔らかいみたいだな」


 モルトガットの発言に一同は頷いた。


「危なっかしい舌も無くなったし、口の中にバリスタをぶち込んでみるか。それでも駄目なら仕切り直しだな」


 モルトガットの提案に、バリスタの射手が手を挙げて疑問を投げかけた。


「団長、さすがに口の中となると近づかないと当たりませんぜ。暴れられるとバリスタが壊されますし、どうやって拘束しますか?」


 モルトガットは腕を組んで「う〜む」と唸る。彼もそこは問題だと思っていた。トカゲは巨体であり、力も強いようだ。全員でしがみついても振り払われて踏み潰されてしまうだろう。

 因みに、イングがバリスタで口内を狙うのも無理である。イングが得意なのはあくまでも手で投げることであり、弓やパチンコなどの道具類を使うと十人並の腕前でしかないのだ。


「まぁ、ロープを足に結んで人海戦術が無難だろうな。この人数だと無理だが、そろそろ――」


 その時、ドドドッ! と平原の向こうから多数の騎馬の駆ける音が聞こえてきた。

 モルトガットは「おっと、思ったそばから」と嬉しそうに音のする方角へ顔を向けた。

 モルトガットの視線の先には、赤毛の大男バルドを先頭として、武装した騎士団が馬に乗ってこちらに向かって来る姿があった。


 騎士団がモルトガットたちの所に着くと、男爵家長男バルドはヒラリと馬から降りた。

 普通の動作だが、精悍な顔つきで背が高いバルドがやるとそれだけで様になる。


「待たせたな、状況を説明してくれ」

「はい、お兄様。今現在こちらでは――」


 力強く威厳を感じさせる声でバルドが現状を尋ねると、妹のレミーリアが進み出て説明を始めた。


「――ふむ、なるほど」


 バルドはレミーリアの説明を聞いて重々しく頷いた。


「現状ではその作戦が一番効果的だろうな。四肢の拘束はもう一組の隊が合流してから始めるとして、先ずは我ら騎士団であの長くて邪魔な尻尾を切るとするか。〈赤銅の大熊〉は一度休憩を取ってくれ」


 疲労が溜まってきているであろう〈赤銅の大熊〉を休ませる為、バルドはモルトガットに選手交代を申し出た。だが、バルドは単なる時間稼ぎだけではなく、もう一働きするつもりのようだ。特異個体の尻尾を切ると言い出した。


「お兄様なにを!? 無理です! いくらお兄様の腕前でも、あの硬いウロコは切れないと思います!」


 信じられない事を言い出したバルドに、レミーリアは不可能だと待ったをかけた。モルトガットの大斧による渾身の一撃でも傷一つつかなかったのだ、とても人力で切り落とせるとは思えなかった。

 しかしバルドは、レミーリアの言葉に一瞬キョトンとすると、一転、手を叩いて大笑いしだした。


「そうかそうか、レミーリアは女の子だものな。分からなくても無理はない」


 バルドは悪戯っぽくニヤリと口端を上げた。


「いいかレミーリア。男の子はな、小さい頃にトカゲとか虫とかをいたぶって遊ぶんだ。だから色々と詳しいんだぞ。――よしっ! 同じ男の子だ、今回はイング君にも手伝ってもらおう。一つ頼まれてくれ」


 突然声を掛けられ、イングは慌てて「はい!」と大声で返事をした。領主嫡男にして未来の義兄(予定)からの要請だ、断るなどという選択肢は存在しない。

 バルドはイングの返事に、「うむ」と満足そうに大きく頷くと、後ろを向いて騎士団に号令を掛けた。


「諸君! 久しぶりに童心に返り、トカゲで遊ぼうではないか! 我らもいい大人だが、なあに向こうもあの図体だ、遊び相手にはちょうどいい!」


 騎士たちは一斉に「「「はっ!」」」と敬礼をした。


 レミーリアにはさっぱりだが、バルドは何か考えがあるらしい。一応は頼りになる兄なので、レミーリアは黙って彼らの作戦を見ていることにした。




 バルドは騎士団たちと打ち合わせを終えると、4人の騎士を引き連れ、トカゲに向かって全力で走り出した。


「〈赤銅の大熊〉の傭兵たちよ、交代だ!」


 バルドは一気にトカゲに近づくと、手に持った大剣をトカゲの顔面に全力で叩き込んだ。


「ハァッ!」

「ギュッ!?」


 大剣がガキンと鈍い音を立てて当たり、衝撃でトカゲの顔が横を向く。だが、そのウロコには傷一つ無かった。


「なるほど、確かに硬いな」


 バルドが手応えを確認していると、ターゲットをバルドに切り替えたトカゲが、カパッと口を開いて噛み付いてきた。


「「どっせいッ!」」


 だが、そのまま噛みつかれたりなどしない。

 後から追いついてきた騎士が、走る勢いそのまま、二人がかりでトカゲの顎に向けて盾ごと体当たりをブチかました。凄まじい音がして、今まさに噛みつかんとしていたトカゲの頭部が思いっきり弾き飛ばされる。


「ギャウ!?」 

 

 トカゲの頭が先程より更にのけぞった。だが、それでもトカゲは苦痛に怯んだり、逃げようとはしない。もう目の前の誰でもいいからと、大口を開けて再度バルドたちに襲いかかってきた。

 バルドもまた、「もう一度!」と叫び、再び大剣を振るった。


 バルド他4名がトカゲの正面で注意を引いている間、残りの騎士たちはトカゲの後ろに周り、尻尾をがっしりと掴んだ。足で地面を踏み締め、何があっても離さないという構えだ。


「バルド様、準備できました!」

「よし、各員散開! イング君頼んだ!」

「はい!」


 バルドたちがトカゲの正面から素早く退避するのに合わせ、イングは投げ槍を投擲した。槍はビュウと音を立て、既に傷ついているトカゲの右目に深々と突き刺さった。


「ギェ―――――ッ!?」


 トカゲは悲鳴を上げて暴れ出す。胴体の動きに合わせて尻尾も揺れ動くが、後ろにいる騎士たちは手に一層の力を込め尻尾を掴んだ。


「絶対離すなよ!」

「気合い入れろ!」

「根性入れて引っ張れ!」


 痛打を受けたトカゲの今の怒りの矛先はイングだ。

 トカゲは片目でイングを凝視しながら手足をバタつかせ、真っ直ぐイングの元に進もうとしている。騎士たちは全力で尻尾を引っ張ることでそれを止めた。

 トカゲと騎士団の力比べだ。が、それは長く続かず、トカゲの尻尾の根元がプツリと切れたことにより終わった。

 すかさずバルドが下知を飛ばす。


「作戦成功! 次は時間稼ぎだ、気を抜くなよ!」

「「「了解!」」」


 ドサリと音を立て地に落ちた尻尾をその場に放り捨て、騎士たちはトカゲから逃げるイングを援護するために走り出した。


 重しが取れてトカゲはほんの少しだけ早くなった。

 しかし、それでも騎士に追いつけないほどの鈍足である。騎士たちは先程の傭兵たちと同じ要領で遠くなら弓を放ち、トカゲの注意を引くのであった。


 


 騎士たちがトカゲを引きつけている隙にバルドとイングは後方に下がってきた。

 バルドは得意満面の笑みをレミーリアに向けた。


「どうだレミーリア、男の子の遊びは?」


 レミーリアはそれに答えず、イングの方を向いた。


「イングも小さい頃はこんなことをして遊んだの?」


 レミーリアはジト目だ。男の子の遊びは残酷だと言いたげである。

 イングはレミーリアの問いかけを、首を激しく振って必至に否定した。


「僕はしたことないよ!」


 その言葉にバルドは「おお!」とわざとらしく驚いたように言って、


「ならば今のがイング君の初トカゲの尻尾切りか! 最初の獲物が特異個体とは豪快なヤツだな!」


 と快活に笑った。心底楽しそうである。


 その時、森から大声で言い争いをしながら誰かがこちらに向かって来た。


「こっちが騒がしいぞ! 誰かがドラゴンと戦っているのか? あれは俺の獲物だぞ!」

「貴様なぞに渡すか! ドラゴンを討伐するのは私だ!」


 そう言いながら森から出てきたのは、先日『エミール』で暴れた二人の男女だった。二人とも完全武装で、男は鉄の大槌、女は由緒ありげな槍を持っている。

 森から飛び出した二人であるが、トカゲの巨体が目に入ると揃って呆け、その場に立ちすくんだ。思わぬ大きさにビックリして魂が抜けたようである。


 レミーリアとイングは二人を見て、「「あっ!」」と声を上げて驚く。

 バルドはそのリアクションに、「知り合いか?」と尋ねた。

 二人はコクリと頷くと、記憶を探りながら話し始めた。

 

「この間『エミール』で暴れた人たちですわ。名前は確か……男の人がバーン、女の人がスティラといったはずです。ね、イング?」

「うん、確かにそう名乗ってたよ。あと、男の人はレフ一番の力持ち。女の人は何とか流槍術皆伝だとか言ってました」


 レミーリアとイングは商売柄、人の顔と名前を覚えるのが得意である。しかもあの二人はつい先日来たばかりで、揉め事まで起こした連中だ。特に記憶に残っていて、名前までなら正確に覚えていた。

 バルドはそれを聞いて「ふむ」と少し思案したかと思えば、ニヤリと悪人顔で笑い出した。


「アイツらに下手なタイミングで邪魔されても困る。ここは一つ味方になってもらうとするか」


 そう言うと、バルドはキリッとした表情を作り、バーンとスティラのもとへと駆け寄った。




「もし、お二方はもしやバーン殿とスティラ殿では?」


 バルドは、そう二人に声を掛けて尋ねた。初対面ではあるが、確信しているかのような物言いだ。実際、先に名前をレミーリアから聞いているので知っている訳だが。

 だが、それを知らない二人は、いきなり名前を呼ばれ、びっくりしてバルドの方を向いた。


「お、おう。誰だお前?」

「確かにその通りだが、あなたは?」


 誰何されたバルドは、ニコリと人好きのする笑顔を浮かべ、名を名乗った。


「これは失敬。私はトリス・スコルト男爵が長子バルド・スコルトである。父の命により特異個体討伐のため、ここに来ている」


 バルドの名乗りに二人は口をポカンと開けて驚いた。やけに貫禄のある武人だとは思ったが、まさか貴族の嫡男だとは想像しなかったのだ。

 次の瞬間、スティラは背筋を伸ばして「失礼いたしました!」と慌てて頭を下げた。スコルトが異常なだけで、マーティン帝国において身分差は絶対なのである。貴族を相手に対等な会話など許されはしない。

 一方、バーンはバルドに訝しげな表情で質問を投げかけた。こちらは他大陸の住人だ。マーティンの貴族が何するものぞ、という態度を隠しもしていない。


「なんでマーティン貴族の坊主が俺の名前を知っているんだよ?」


 それを聞いてバルドは、さも驚いたような表情を作った。


「先ずはスティラ殿、顔を上げて欲しい。それとバーン殿、お二方のことは知っていて当然だ。《剛力》のバーンに《女槍術家》のスティラ。天下に轟くこの名を知らぬのは、よっぽどのモグリであろうよ」


 もちろん口から出まかせである。バルドは二人の名前をついさっき知ったばかりだ。二つ名(スティラの方は通称)はそれっぽいものを、人づてに聞いたという程で適当に言っただけである。

 だが、それと知らない二人は、バルドに持ち上げられ、すっかり気を良くした。


「へへっ、クルス人とはいってもさすがに貴族の坊ちゃんだ。少しは世の中ってもんを知っているじゃねえか」

「バルド様が私めのことをご存知とは、光栄の至りに存じます」


 すっかり上機嫌だ。目に見えてバルドに対して好意的になっている。

 内心で上手くいったとほくそ笑んだバルドは、二人に向けてすがるような顔つきをした。


「ここでお二方に出会えたのも天の采配。見ての通り我らは特異個体と戦っているが、力及ばす苦戦しているのだ。是非ともお二方に助力を頼みたい」


 バルドにおだてられた二人は二つ返事で了承した。調子の良い二人である。


「おう、任せとけ。このバーン様の力を見せてやる!」

「はっ、承知仕りました。我が槍捌きとくとご覧あれ」


 駆け出して行く二人を、バルドは「ありがたい」と言ってニコニコと見ていた。想像していたより単純に話が進んで、彼も嬉しそうである。




 レミーリアは一連の流れを呆れた様子で見ていた。


「お兄様、ああいうところはすっごく貴族よね」

「バルド兄ぃらしいねー」


 レクティは可笑しそうにクスクスと笑っている。


「お兄様はいつもいつも――あら?」


 遠くから物音が聞こえたので、レミーリアはクルッと後ろを振り向いた。すると、残りの〈赤銅の大熊〉の団員たちがこちらに向かってくるのが見えた。レミーリアの表情が引き締まる。


「これで全員揃ったわね」

「作戦開始だね。みんなに知らせてくるよ」


 そう言ってレクティは走り出した。いよいよ戦いは終盤を迎えたのである。

補足


バルドの二つ名

《英雄詐欺》


 由来は豪快な見た目、勇猛果敢な作戦行動、大人物な物言いを好んでしているが、その実は計算高く、自身の高い実力に裏打ちされた安全マージンを常にとっているから。決して一か八かの勝負はしないタイプである。

 こんな二つ名だが別に嫌われている訳ではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ