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異世界マニアのおしかけ召喚者  作者: 伊部九郎
第1章 アティム編
55/550

第55話 熱戦!腕相撲&ダーツ大会!

 終息日 パーティー対抗腕相撲大会1回戦第1試合。



 ハイケルは、ブロームとフォスの握り合った手の上に包むように自分の両手をのせた。


 ハイケル「それでは、用意・・・ファイト!」


ミレリア「開始の合図で、両者、鬼の形相で渾身の力をその右腕に込めています」

トキオ 「両者とも気合が入ってますね」


「行けー!」

「やっちまえー!」


ミレリア「お互いのパーティーメンバーじゃない冒険者からも盛んに声援が飛んでおります」

トキオ 「皆、楽しんでますね」


「ブローム、頑張れー!」

 アウレラも声援を飛ばした。


ミレリア「最初、フォス選手がやや優勢でしたが、ブローム選手が持ち直すと、中央の位置でしばらく膠着状態が続きました。しかし、ブローム選手が優勢になってフォス選手の腕が徐々に倒れて来ました」


「うおぉぉぉ!」


 最後は、そう気合を入れてブロームがねじ伏せた。


ハイケル「そこまで!勝者、ブローム!」


 大きな歓声が上がった。


「やったー!」

 アウレラがすごく嬉しそうに飛び跳ねた。


「よっしゃっ!」

 ブロームは、一つ気合を入れたような声を出すと、腕を振って力こぶのあたりをさすりながら下がった。

 フォスもガッカリした顔で、同じように腕を振りながら下がった。

両者とも相当に腕を酷使したようだった。


ミレリア「ブローム選手、見事な勝利です」

トキオ 「ブローム選手の方が耐久力に勝っていたようです」




ミレリア「試合は進みまして、1回戦最後の試合は、クルト選手対エド選手です」

トキオ 「皆さんの協力により、1つ1つの試合が短時間で終わりましたね」

ミレリア「クルト選手は、以前はエド選手のパーティーだったんですが、今のパーティーにけが人が出たため移籍しております。参加者中最年長ですが、40代半ばになっても衰えない体でその腕力は折り紙付きです」

トキオ 「そうですね。腕の筋肉の盛り上がりと張りが実に素晴らしいです。私も分けてもらいたいぐらいです」

ミレリア「対するエド選手が人数合わせで出て来た選手ですので1回戦は楽勝でしょう」

トキオ 「それでも、少しは意地を見せて欲しいところです」



ハイケル「それでは、用意・・・ファイト!」


 ダーン!


ハイケル「そこまで!勝者、クルト!」



ミレリア「瞬殺!エド選手、またしても瞬殺されました!3度目の瞬殺負けです!」

トキオ 「意地とか、千分の1マインもありませんでしたね」

ミレリア「ここまで来ると何か称号を差し上げたくなります・・・『瞬殺のエド』ってどうでしょうか」

トキオ 「おお!知らない人が聞いたら、まるでいつも相手を瞬殺してる人みたいですね。それなら本人も喜ぶんじゃないでしょうか。それでいきましょう!」


エド  「やかましわっ!」


ミレリア「瞬殺のエド選手、何か怒っているようですが何に怒っているのでしょうか」

トキオ 「瞬殺のエド選手、きっと負けてくやしいんですね。負けても遺恨を残さない。そういう態度でお願いします」


エド  「うっさい!」


ミレリア「瞬殺のエド選手、不機嫌に下がっていきました」

トキオ 「瞬殺のエド選手、なんとか機嫌を直して欲しいものです」





ミレリア「さて、盛り上がってまいりました腕相撲大会も、ついに決勝戦です」

トキオ 「相変わらずの見事な進行スピード。スバラシイですね」


ミレリア「決勝は、準決勝でパーシー選手を破って柔道大会でのテリット選手の雪辱を果たしたブローム選手対、準決勝も瞬殺で圧倒的強さを見せつけたクルト選手です」

トキオ 「クルト選手、強いです。さすがは、元王国直属の冒険者です」

ミレリア「トキオ師範、決勝はどう予想されますか」

トキオ 「難しいですね。ブローム選手はかなり有力だと思っていたんですが、クルト選手の戦いっぷりを見たらわからなくなりました。白熱した試合になると思います」

ミレリア「それでは皆さん、お二人の動きを見逃さないよう、しっかりと観戦と応援をお願いします」



 決勝戦とあって、始まる前から場内は大歓声に包まれた。


ハイケル「それでは、用意・・・ファイト!」


ミレリア「さあ、始まりました。まずは両者一歩も譲らず、中央で力の入れ合いです」

トキオ 「いや、表情を見るとクルト選手の方が余裕があるようです」

ミレリア「お!クルト選手、ニヤリと不敵な笑みを浮かべると、さらに右手に力を込めました。ブローム選手、徐々に押されて来ました」


「やめてー!」

 アウレラの悲鳴が上がった。


トキオ 「クルト選手、本気を出していなかったようですね」

ミレリア「ブローム選手、必死でこらえますが、徐々に腕が倒れて行きます。ああ!」


ダーン!


ハイケル「そこまで!勝者、クルト!」


ミレリア「クルト選手強い!圧倒的強さでした!」

トキオ 「この戦いっぷりを見ていると、瞬殺で勝てたようにも思えます。たぶん、決勝戦だから少し盛り上げてくれたんですね。さすがはベテランです」


ミレリア「クルト選手、組んで挙げた両手を盛んに振って会場内にアピールしています。観客からは大拍手が送られています」

トキオ 「クルト選手、嬉しそうですね」


ミレリア「今、ケリー支部長が出て来て、クルト選手に小ぶりの優勝カップと賞金、銀貨20枚を手渡しました。場内からは割れんばかりの拍手です」

トキオ 「素晴らしい戦いでした」

クロア 「じゃあ、私はダーツの準備に行くわ」

トキオ 「おわ!いたのか!」


 大歓声でトキオの声が聞こえなかったのか、クロアそのまま退席。



ミレリア「続きまして第1回アティム・ダーツ大会です。私も参加しますので、ここからの実況はアウレラ冒険者にお願いしております。よろしくお願いします」

アウレラ「頑張ります」


 ミレリア、ダーツ大会に参加するため退席。


アウレラ「トキオ師範、よろしくお願いします」

トキオ 「よろしくお願いします。私も自分の番が来たら退席します」

アウレラ「・・・で、何しゃべればいいの?」

トキオ 「まずはルールと参加者の紹介かな」

アウレラ「そうか。えーと、今回は時間もないので、一人3回投げて、その合計点で争われます」

トキオ 「待ったは無しです」

アウレラ「全パーティーが参加して、さらに、ケリー支部長、ミレリア選手、エレザベス選手、トポレフ料理長も参加するので、16人で争われます。審判はテリット選手が努めます・・・次は?」

トキオ 「まあ、目の前で行われているダーツの試合をそのまましゃべってればいいんじゃないかな」

アウレラ「わかった・・・そろそろ始まりそうです。最初の試合は・・・えーと、クロア選手対ハイケル選手?」

トキオ 「そうですね」

アウレラ「クロア出てるんだ。どうせダメだろうけど」

トキオ 「実況は、私情を挟まずに公平にお願いします」

アウレラ「わかりましたー。まず、クロア選手、第1投です」

トキオ 「少し緊張しているようです」

アウレラ「クロア選手、すごく時間をかけて狙いをつけて・・・投げました!・・・あ!ダーツボードを大きく外れて壁に刺さりました!・・・ぷっ!」

 吹きだすアウレラ。


トキオ 「緊張していたせいでしょうか」

アウレラ「・・・続いて、ハイケル選手です。狙いをつけて・・・投げました!おお!見事、19点×3の57点のところに刺さりました!」

トキオ 「これは見事です!スバラシイ!」


アウレラ「続いて、クロア選手の第2投です」

トキオ 「まだ緊張しているようです」

アウレラ「狙いをつけて・・・投げました!・・・あ!また壁に刺さりました!・・・ウケる」

 腹を抱えて笑うアウレラ。


トキオ 「実況をお願いします」

アウレラ「失礼しました・・・でも笑えるー・・・続いて、ハイケル選手の第2投です」

トキオ 「クロア選手の結果を見て少し余裕が出て来たようです」

アウレラ「狙いをつけて・・・2投目は8点でした」

トキオ 「終わりましたね」


テリット「勝者、ハイケル!」


アウレラ「え?」

トキオ 「クロア選手はあと1投なので、最高で60点しかとれませんが、ハイケル選手の得点がすでに65点なりましたので、ハイケル選手の勝ちです」

アウレラ「あ、なるほど~・・・ということで、1回戦第1試合はハイケル選手の楽勝でした」



パーシー「だから、お前じゃ無理だって言ったんだ!」

クロア 「実力を出す前に試合が終わっちゃったのよ!投げる数が少なすぎるわよ!」

パーシー「言い訳しない!」

クロア 「なによ!」



アウレラ「パーシーチームの見苦しい言い争いがありましたが、次の試合に行きたいと思います」

トキオ 「みなさん、熱くなり過ぎないようにお願いします」


アウレラ「1回戦第2試合はミレリア選手対ヴィリー選手です。久しぶりに名前が出ましたが、ヴィリー選手はマルケルチームです」

トキオ 「マルケル選手はよく登場するのに、なんだかカワイソウです」



テリット「勝者、ミレリア!」


アウレラ「時間の都合で省略させていただきましたが、ミレリア選手、驚くべき強さで129対32の圧勝でした!」

トキオ 「驚きました!最後の1投は真ん中の50点でしたし」

アウレラ「密かに練習を積んでいたんでしょうか」

トキオ 「ここにはダーツ道具が一式ありますからね。冒険者がいないときはいつでも練習できたと思います」

アウレラ「なるほど、昼間はたっぷり時間がありますからね」

トキオ 「この点数が本物か、次の準々決勝を注目したいと思います」




アウレラ「試合も進み、準決勝になりました。トキオ師範も試合に参加されていますので、トキオ師範が試合をしている時の解説は、2回戦まではマルケル選手にお願いましたが、ここからはブローム選手です。ブローム選手、よろしくお願いします」

ブローム「よろしくお願いします」

アウレラ「腕相撲、残念だったねー」

ブローム「せっかく決勝まで行ったんだけどなー」

アウレラ「最初はいい線いってたのに」

ブローム「いやあ、クルトは手加減してたね。実力差がかなりあったよ」

アウレラ「そうなの~?でも、決勝まで行けたのはスゴいよね」

ブローム「一応、ここのナンバー2ってことになるからな」


テリット「はいそこ!ちゃんと実況と解説して!」


アウレラ「・・・失礼しました。準決勝に進出したのは、トキオ選手、ミレリア選手、エレザベス選手、ケリー選手です」

ブローム「冒険者が一人しか残ってませんね。驚くべき状況です」

アウレラ「やはり、密かに猛特訓していたということでしょうか」

ブローム「冒険者より時間の余裕がありますからね。可能性は高いです」


アウレラ「準決勝第1試合は、トキオ選手対ミレリア選手」

ブローム「うちのパーティーからは、まだ優勝者が出てないので、トキオ選手には頑張ってもらいたいです」

アウレラ「ホントだよねー」


テリット「そこ!私情を・・・・・ある程度は許す!」



アウレラ「テリット審判もトキオ選手に勝って欲しいようです」

ブローム「気持ちは通じてますね」

アウレラ「いよいよ始まります!・・・と、思いましたが、紙面の都合で今回はここまで」

ブローム「ええ~!?」



・・・次回へ続く。

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