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異世界マニアのおしかけ召喚者  作者: 伊部九郎
第1章 アティム編
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第47話 熱戦!柔道大会!

肝心な1回戦の勝者の名前が間違っていたので訂正しました(2020/12/19 10:00)

 12月12日 聖光際、そして柔道大会の日。



「さあ、ついに柔道大会の日がやってまいりました。ここ、アティム中央公民館には、参加者、およびその応援者の方々が多数詰めかけ、かつてないほどの熱気に包まれております。この日に備えて各参加者は調整に余念がありませんでしたが、優勝の栄冠は誰の手に輝くのでしょうか。

 本日は、腕に覚えのある柔道家たちが、冒険者だけでなく一般からも参加しております。冒険者の方々は、面目を保つためにも奮起が必要です。頑張りましょう!」


「なお、解説はギルド内でも一目置かれる柔道の達人、トキオ師範。実況は、わたくし、冒険者ギルド アティム支部首席検査官、ミレリアがお送りいたします。トキオ師範、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします・・・って、?ミレリアって、そんなスゴそうな役職だったんだ!」

「はい。私、これでもアティム支部では支部長の次の役職なんですよ」

「えー!?知らなかった・・・」


「なお、審判はテリット選手、マルケル選手、エド選手が交代で務めてまいります」


「また、頼んでもいないのにここに座らせろと言って聞かなかったクロア魔女子が、コメンテーターとしていらっしゃってます。クロア魔女子、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします・・・って、余計なことは言わなくていいのよ!」


「それでは、まず、トキオ師範に開会の挨拶をいただきたいと思います」


 トキオは、立ち上がると腕を後ろ手に組んだ。

 試合場の畳の周りにいた参加者たちは、特に整列するでもなく準備運動をしながら顔だけトキオの方に向けた。


「えー、皆さま、本日は天候にも恵まれ、絶好の柔道大会日和となりました・・・ここは室内ですが。

 参加者の皆さまには、日ごろの鍛錬の成果を十分に発揮し、全力を尽くして戦っていただきたいですが、張り切り過ぎてケガをすることのないようにお願いします・・・明日も仕事ですし。

 上位に入られました方には、賞金が用意されておりますので、それを目指して力の限り戦っていただきたいと思います」


「え!賞金なんか出るのか!?」

「聞いてないぞー!」

「いくらだ?」


「金額については終わってからのお楽しみです。でも、皆さんをガッカリさせない程度の金額であるとだけ申しておきましょう」


「そうなのか!?」

「うおー、余計にやる気が出て来たー!」

「よっしゃー!」



「それでは皆さん、くれぐれもケガをしない程度に張り切ってお願いします!」


 トキオは着席した。



「トキオ師範、ありがとうございました。

 次は・・・アウレラ選手による選手宣誓です!

 本来ならベテランの冒険者の方がやられるところですが、本人がやりたいと言い出したら、周りの男性柔道家諸氏はにやけた顔で「ぜひぜひ」と言って喜んで譲ったという話です。まったく、巨乳は徳ですね・・・チッ」

「え?今、『巨乳は』って言った?そこ、『美人は』って言うところじゃない?・・・それと、今、舌打ちした?」

「いえ?聞き間違いじゃないですか?・・・それでは、アウレラ選手、お願いいたします!」


 名前を呼ばれたアウレラは試合場の真ん中に出てくると、気をつけの姿勢をとってから右腕を斜め上に上げた。

「宣誓!我々参加者一同は、柔道家精神に則り、正々堂々、ケガしない程度に真剣に戦うことを誓います!

 選手代表、アウレラ!」


 そこで、会場の全員、特ににやけた顔の男性冒険者たちから大きな拍手が起こった。


 アウレラは、にっこりほほ笑むと下がって行った。



「それでは、トキオ師範・・・って、なんですかそのにやけた顔は!」

「え?・・・い、いや、そんなことはないでしょ」

「・・・まったく・・・それでは、トキオ師範、まずは児童の部になりますね」

「はい!大人たちに負けず劣らず、子供たちも熱心に柔道教室に参加しておりますので、本日は、その成果をいかんなく発揮してくれると思います」


「それでは開始いたします!参加者は、試合場の周りに集合をお願いします!」


 その言葉で、8人の子供たちが畳の脇まで出て来た。

 皆、ドラゴ○ボールで主人公が着ていた山吹色の道着のようなデザインものを着ていた。


「みんなおそろいの衣装のようですが、これはトキオ師範が用意されたものですね?」

「はい、柔道の試合をしやすく、かつ、前がはだけないデザインのものを考えたらこうなりました。決して、私がドラゴ○ボールの大ファンだからではありません」

「ドラゴ○ボールというのが何だかわかりませんが、そういうことだそうです」


「それで、今回は年齢制限を設けたとのことですが」

「はい、あまり小さな子ですとケガをする・・・というより泣いちゃってなだめるのが大変になりそうなので、児童の部は9歳から13歳までとさせていただきました」

「わかりました。その年齢の中から、腕に覚えのある8人が参加して、事前にくじで組み合わせを決めております」

「はい。9歳から13歳といっても、かなりちゃんとした柔道をする子もおりますので、みなさん、要注目です」


「それでは、1回戦第1試合はヒイロ選手対ターバル選手です。審判はテリット選手が努めます」



 ※ここからは臨場感を出すために、戯曲形式でお送りいたします。



テリット「両者前へ!・・・互いに礼!・・・・はじめ!」


ミレリア「さあ、二人ともゆっくりと前に出て、お互いに相手の襟元を掴もうと差し手争いをしています」

トキオ 「初めての試合のせいか、二人とも動きが硬いですね」

クロア 「ターバルくんかわいい!」

トキオ 「・・・ショタ!?」


ミレリア「おっと、まずはヒイロ選手が襟元を掴みましたが、ターバル選手はすぐに振りほどき、逆に胸元を取ってすぐに投げに行こうとしましたが、これはヒイロ選手がしっかりかわしました」

トキオ 「ヒイロ選手、なかなかいい動きでしたね」

ミレリア「少し硬さが取れてきましたか?」

トキオ 「そうですね。試合に集中してきたことによって、緊張感が和らいできたようです」

ミレリア「なるほど・・・おおっと!今度はヒイロ選手が大外刈!・・・しかし、これは簡単に躱されました」

トキオ 「少し強引でしたね」

ミレリア「ここで両者、足技の応酬でけん制して、相手の出方を見ているようです」

トキオ 「両者とも、強引に行っても難しいというのがわかったようです」


ミレリア「そろそろ動きが出そうですが・・・おっと!ターバル選手背負投に行った!しかし、ヒイロ選手、腰をがっちり落としてこらえます・・・っと、それを見たターバル選手、すかさず小内刈に行ったー!」


テリット「1本!」


ミレリア「決まった!決まりました!ヒイロ選手の小内刈が決まって1本です!」

トキオ 「見事な切り返しでしたね。良く練習をしているのが伺えます」

ミレリア「1試合目から1本勝ちで決まりました。これは、盛り上がっていきそうです。クロア魔女子、どうでしたか?」

クロア 「ターバルくんかわいい!」

ミレリア「・・・聞いた私がバカでした」

トキオ 「なんでここに座ってるんでしょうね?」




ミレリア「さて、熱戦が繰り広げられてきましたが、ついに児童の部の決勝戦となりました!」

トキオ 「もう決勝戦ですか。早いですね」

ミレリア「長々と試合の実況をしていても読んでる方が飽きると思いましたので端折りました」

トキオ 「賢明な判断です」


ミレリア「さて、決勝戦はターバル選手対コノリー選手。しくも、トキオ師範が最初にサッカーを教えた時の両チームのキャプテン同士の対戦となりました」

トキオ 「元々、身体能力の高い二人ですので、順当な結果ですね」

ミレリア「二人ともここまでオール一本勝ちという見事な勝ち上がり方です!・・・といっても、参加者が8人なので2試合ずつですが」

トキオ 「8人の中でも、二人の動きが一つ抜けてましたから、レベルの高い好勝負になるのではないでしょうか」

ミレリア「これは期待できそうです。クロア魔女子の予想はどうでしょう?」

クロア 「ターバルくんかわいい!」

ミレリア「・・・クロア魔女子は、ターバル選手の優勝と予想したようです。決勝の審判はマルケル選手が努めます」


マルケル「はじめ!」


ミレリア「さあ始まりました!・・・おおっと!いきなりがっちり組み付いた!・・・すかさず、コノリー選手が内股!・・・しかし、これはターバル選手がこらえます」

トキオ 「両者とも動きが早いですね。これは、結構短時間で決着がつくかもしれません」

ミレリア「そうですか。観客の皆さん、目を離さずしっかりご観戦ください・・・おっと!今度はターバル選手が背負投に行ったあ!・・・しかし、これはコノリー選手に躱されました」

トキオ 「少し踏み込みが浅かったですね」

ミレリア「続いてコノリー選手の払腰!・・・しかし、これも躱されました」

トキオ 「今のはなかなか良かったんですが、ターバル選手に見切られたようです」

ミレリア「続いて、今度はターバル選手が支釣込足ささえつりこみあしでコノリー選手の体勢をくずして・・・すかさず体落たいおとしに行ったあ!」


マルケル「1本!」


ミレリア「決まった!ターバル選手の体落が見事に決まりました!」

トキオ 「最後は素晴らしい連続技でしたね。なかなか白熱した好試合でした」

ミレリア「優勝を決めたターバル選手、嬉しそうになんども飛び跳ねております!」

クロア 「ターバルくんかわいい!」

ミレリア「・・・これにて、児童の部を終わります。トキオ師範、総評をお願いします」

トキオ 「柔道教室の時も、みんなまじめに取り組んでおりましたので良い試合が見られるとは思っていましたが、私の予想以上にみんな技を身に着けていて、非常にレベルの高い試合が多かったです。さらに精進して、立派な柔道家になっていただきたいと思います」

ミレリア「これは、将来が期待大ということですね。この中から何人かが冒険者になってくれれば、住民の方々も安心なのではないでしょうか」

トキオ 「さすがは冒険者ギルドの方、うまいまとめ方ですね。しかし、柔道をやっているわけでもないのに、見ただけでよく技の名前がわかりましたね」

ミレリア「しょっちゅう見学してましたから。そのうち教本を出そうかと思ってるぐらいです」

トキオ 「なんと!いつの間に!?」


ミレリア「昼食を挟んで午後からは、少年の部、一般の部と続いていきます。トキオ師範、クロア魔女子、ありがとうございました」

トキオ 「ありがとうございました」

クロア 「ターバルくんかわいい!」

ミレリア「最後ぐらいちゃんと挨拶しろやー!」


トキオとクロアがびっくりして固まっているところを、涼しい顔をしてミレリア首席検査官退席。



 ・・・次回へ続く。

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