思いついたキャラで物語を作る
30xx年
ここは街から遠く離れた森の中にある研究所
白衣を着た怪しげな男がカプセルのようなものの前で
1人でブツブツと喋っている
「もうすぐだ…もうすぐで…」
突如機械音が部屋中に鳴り響く
その音を聞いた男は笑いながら
「やった…ついに成功した……」
40年後
「ねえ、やめようよここお化けが出るんでしょ?帰ろ?」
と怯える女の子に一喝するように
「何ビビってんだよ!おばけなんざいねえってこと
証明してやるんだよ!」
「で、でもぉ~」
「来ねぇんなら置いてくぞ!」
少女を置いて建物の中へと歩き出してしまう
「ま、待ってよぉ〜」
少女は転けそうになりながらも後を追って走り出した
建物の中はホコリっぽく荒れており
何年も人が住んでいないことがひと目で分かった
「へっ…結構雰囲気あるじゃねえか…」
と少し尻込みしてしまいそうになる
2人は1階の探索を終え玄関の近くに集まっていた
「ほら俺の言ったとおりだろ?お化けなんて居ねぇんだよ」
「でも…まだ2階見てないよねもしかしたら
2階の1室に出るかもしれない…」
少女が震えた声で言ったと同時に2階から
ギィィとドアが開いた音がした
「…っ!」
声にならない悲鳴をあげる2人
少しの間固まっていたが少年は意を決したのか
「い、行くぞ」
「も、もう帰ろ?きっと勝手に入ったから
お化けたちが怒ってるんだよ」
「お化けなんて居ない!全部大人達の作り話だ!
俺が見てくるからお前はここで待ってろ」
少女に背を向けゆっくりと2階への階段を上がっていく
ギシギシと階段が軋む音がより恐怖を引き立たせた
(怖くない…こんなの…怖くない…)
ギシッと自分のでは無い軋む音が聞こえた
「…っ!」
恐怖に耐えながらも後ろを振り返ると
「やっぱり、私も行く…ここでひとりで待っている方が怖いもん…」
「分かった一緒に行こうぜ」
緊張が解れるのが分かった
ゆっくりと階段をのぼり
2人はドアの開いた部屋の前に向かった
その部屋は元々書斎として使われていたのか
天井まである本棚に入りきらないほどの本が置かれていた
「すげぇ…」
「凄い!こんなに沢山の本図書館でしか見た事ないね!」
「ああ…」
「ねえ、もしかしたらここに家主の日記とかあるんじゃない?
ここに来たって証拠にもなるし」
「そうだな」
2人は恐怖を忘れ日記探しに没頭していた
「あれ?」
少女が声を上げた
「どうした?」
駆け寄ってきた少年に少女が1冊の本に指をさした
「この本だけ取れないの」
少女が指をさした本は赤い表紙で題名も書いていない
「かしてみろ」
「うん」
思いっきり引っ張るがビクともしない
「くそっ、なんだよこれ…」
「…引くんじゃなんて押してみるとか?」
「はあ?」
「何となくそう思ったのほら、押してダメなら引いてみろって言うでしょ?」
「…方法はねえか」
言われた通り押してみると
ガガガガガと大きな音を立てながら
本棚が動き奥からエレベーターが出てきた
「すげぇ!隠し部屋に繋がんのかな?行ってみようぜ!」
「でも…結構暗くなってきたからそろそろ帰らないと…」
「ちょっとくらい良いだろ?早く来いよ!」
「ちょ、ちょっと!」
少女の手を強引に掴みエレベーターの中へと入っていった
エレベーターのドアが閉まり下へと降りていく
エレベーターは1分もしないうちに止まった
「着いたみたいだぜ」
足早にエレベーターから降りる
そこは地下とは思えないほど広くあるのは機械だけだった
部屋の奥には大きなカプセルのようなものがあった
「見ろよ!秘密の実験場だ!」
「ねえ帰ろ?怒られるって!」
「平気だろ?ここもホコリだらけで人が来た形跡はない
つまりここはもう使われてない!大丈夫だって」
「でも…」
「そんなに言うならお前一人で帰ればいいだろ?」
「そんなぁ…」
少女に見向きもせず辺りを探索し始める
少女は不満そうな顔をしつつカプセルのようなものの前に座る
「いつもこうなんだから…」
少年が辺りを見て回っていると
「きゃあああああ!」
どこからか少女の悲鳴が聞こえた
慌てて少年は少女の元へ駆け寄る
「どうした!」
「あ、ああああれ!」
と少女の指さした方を向くとカプセルのようなものの中には
同い年くらいの少女が入っていた
「これは…」
少女はガタガタと震えていて離れない
「これは、コールドスリープ…
でもこの技術は成功しなかったはず…」
ガタガタと震える少女に向かい
「なあ、この子今なら助けられるかもしれないぜ
手伝ってくれるか?」
少女は震えつつも力強く頷いた
少年は機械の解析始め少女は少年の指示通りに動いた
二十分後
「よし、出来た…後はこのボタンを押すだけだ」
傍にある赤いボタンを押した
カプセルのようなものから
目が開けられなくなるほどの光が溢れ出た
「きゃっ!」
「くっ!」
しばらくして
コールドスリープノカイジョ二セイコウシマシタ
という機械音声が流れてきた
2人が目を開けるとそこには女の子が立っていた
白い肌に黒紫色の髪一目で人間ではないと分かった
「…」
「あの…」
「コンニチハ、ワタシハダイア・ロズ博士二作ラレタ
ルージュトイイマス」
「「!?」」
「オドロカセテシマッテゴメンナサイ
ワタシ四十年モネムッテイタノデ
ハナシカタアッテルカワカリマセンアッテマスカ?」
2人は驚きのあまり動けずにいたが
「え、ああ合ってるぜ」
カプセルのようなものから出てきた
ルージュと名乗る少女は胸をなで下ろし
「ヨカッタ!ソウイエバアナタタチハダレデスカ?」
「ああ、俺達はたまたまここを見つけたんだそしたら
あんたがその中で眠ってたから起こしたんだよ」
「そウでシたカアリガトウございます」
「なあ…あんた四十年前にロズ博士に作られたんだよな?」
「ハイそうですヨ」
「間違いねぇ」
「間違いないって何が?」
「彼女の言ってるダイア・ロズっていう博士は
四十年前に行方不明になった俺の叔父さんだ」
「うそ…」
「じゃあ!アナタが博士がイッテタケイトさんデスね!」
「なんで俺の名前を…」
「博士ガイツモ言ってマシタ
もうすぐ家族が増えるんだ俺のじゃないけど…
なんか自分の事のように凄く嬉しいんだ」
「叔父さん…」
ケイトは少し照れたように笑っていた
「さあ、今日はフタリトモ帰ったホウガいいデスヨ!
ヨカッタラマタ遊びに来てクダさい!」
「でも、あなたがひとりぼっちになっちゃう…」
「大丈夫デス!ワタシは四十年も一人でいたノデ寂しくないデス」
ルージュは元気アピールをする
「強がりだ…」
「ェ…」
「本当は寂しいくせに強がってんだろ?
俺ん家は両親が海外出張で今いねえから
俺も独りなんだよ来るか?」
「ケイトの家結構広いからのんびりできるよ!」
「イインデスカ?」
「ああ」
「ワタシ人間じゃナイですヨ」
「だと思った」
「本当にイインデスカ?」
「だからいいって言ってるだろ!」
「アリガトウございます!」
ルージュは泣きながらケイトに向かっていく
2人はルージュの勢いに負けて倒れてしまう
「痛って〜!お前加減しろよな!」
「いたたた…」
「ワアアア!ゴメンなさい!」
「ったくよぉ」
「ふふっさ、帰ろっか」
「ああ」
「♪」
3人は建物を後にした
「なあ、叔父さんは俺の事他になんて言ってた?」
「そうデスね…名付け親になったっテ喜んでマシタ!」
「へぇ〜叔父さんが名付け親なんだ」
楽しそうに帰路に着いた
だがこの時3人はまだ知らなかった
この出会いはこれから起こる悲劇の始まりでしかないと…