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1-8

 2台のタクシーが豪邸の前に停まりました。ここは浜崎さんの家のようです。なんとも立派な家です。1000㎡を超える敷地の中に建つ豪邸を見て、千可ちゃんは思わずぽか~んと口を開けてしまいました。

 どうやら浜崎さんは、すごい明家の令嬢のようです。身長は170cmはあるし、美人だし、ウエストは細いけど胸は立派だし、髪の毛以外は完璧JKです。

 オカルト研究部の5人が豪邸に入りました。ここは浜崎さんの部屋のようですが、10畳はありそうな広い部屋です。千可ちゃんはまたもやぽか~んとしてしまいました。しかし、福永さん・蓑田さん・城島さんはそんなことはてんで興味がないようです。さっそく部屋の隅にあるテレビにビデオカメラをつなぎました。60インチくらいはありそうな巨大なテレビです。この巨大な画面で幽霊を探すようです。再生開始。

「こ、これ、霊じゃない?」

「ただの染みよ~」

「あ、これは?」

 と、まあ、3人は忙しいようです。

 一方浜崎さんは、千可ちゃんにたくさんのウィッグを見せてます。

「これはどうかなあ」

 浜崎さんはウィッグを千可ちゃんに順番に被せます。そのたびに千可ちゃんは目をらんらんと輝かせてます。けど、これじゃ千可ちゃんは着せ替え人形です。ま、千可ちゃんが喜んでるんだから、いいのかな?

 浜崎さんが一通り千可ちゃんの頭にウィッグを被せたようです。

「どう、羽月さん、どのウィッグがよかった?」

「え~と・・・」

 千可ちゃんは黒髪で艶のあるストレートの超ロングヘアのウィッグを選びました。

「これがいいです!」

「えっ? それでいいの」

「はい!」

 浜崎さんは個人的にはカールした髪が好きなので、これは意外に感じたようです。浜崎さんは千可ちゃんが選んだストレートのウィッグを千可ちゃんに被せました。

「う~ん、こんなものかな?」

 長身の浜崎さんがこのウィッグを被ると肩甲骨あたりで髪が止まりますが、ミニミニな千可ちゃんが被るとお尻くらいまで伸びてしまいます。でも、ロングヘアに憧れていた千可ちゃんには、夢のアイテムになったようです。

「ふぁ~」

 千可ちゃんは思わず感嘆な声を漏らしてしまいました。


「会長、幽霊いないみたいです」

 この福永さんの言葉で浜崎さんの目がようやくテレビの方に向きました。「会長」て言葉にちょっとイラついたようです。

「もう、私、部長になったんだってばさぁ!」

 浜崎さんもテレビの前に座りました。で、早回し、コマ送りと、ビデオカメラを操作しました。

「あ~ やっぱりいないのかなぁ~」

 ここで千可ちゃんが城島さんの横に座りました。いきなり長髪になった千可ちゃんに気付いて、城島さんがびっくり。

「ええっ?・・・」

 浜崎さん・福永さん・蓑田さんの会話が続いてます。まず、福永さんの発言。

「私,この前行ったとき、何かを感じたんだけど、今日は何も感じなかった。やっぱ夜じゃないとダメなのかなぁ・・・」

 浜崎さんはビデオカメラを床に置きました。

「そんなことはないと思うけど・・・ もしかしたら誰かが来て、除霊したのかも?・・・」

 ここで城島さんが大声で発言しました。

「わかった、羽月さんだ! 羽月さんが悪霊を追っ払ったんだ!」

「ええ~」

 千可ちゃんはびっくりです。またもやドンピシャリだったからです。でも、福永さんと蓑田さんは呆れてます。

「城島さん、それはいくらなんでもムリよ!」

 これに千可ちゃん自身が追い打ちをかけました。

「そうですよ。私、あの廃ホテルに行ったの、今日が初めてなんですよ!」

 それを聞いて城島さんはちょっと反省してるようです。

「そ、そっかなあ・・・」

 しかし、城島さんも意外と負けん気が強いようです。

「で、でも、羽月さんには霊能力が!」

「だから~ 私には霊能力はありませんって!」

「ま、このへんにしておきましょっか」

 浜崎さんの一言でこの話題は終了しました。けど、城島さんは内心、まだ納得がいってないようです。

 このままオカルト研究部の会合はお開きとなり、みんなが部屋を離れました。福永さんと蓑田さんと城島さんは、ここまで自転車で来てたようです。この3人はそのまま自転車で帰路につきました。千可ちゃんは浜崎さんがタクシーを呼んでくれると言いましたが、さすがにそれは遠慮し、バスを乗り継いで帰ることにしました。

 最後に、浜崎さんは千可ちゃんに紙袋を手渡しました。

「はい、これ」

 千可ちゃんが袋の中をのぞくと、ウィッグが入ってました。

「あ、ありがとうございます!」

 千可ちゃんは思いっきり輝いた目で浜崎さんにそうあいさつをしました。

 こうして千可ちゃんも帰路につきました。

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