表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/55

5-6

 3年2組です。ここには長谷川の手下の1人、今田がいます。今体育の授業中で、グランドで走り幅跳びをやってます。生徒たちが1列に並んで順番に跳んでます。その中に今田がいました。

「あ~ めんどくせーなー」

 今田の順番が来ました。先生が合図しました。

「よーし、次。今田、跳べ!」

「は~い」

 今田が駆け出しました。と、その瞬間、今田の目の前にチカちゃんがふーっと現れました。もちろんその存在は、今田を始め、その場にいる者全員が気づいてません。

 この光景をリモートビューで見ている千可ちゃんがつぶやきました。

「死ね!」

 チカちゃんと今田がすれ違った瞬間、チカちゃんは今田を妖刀キララで真横にぶった斬りました。

「ケケケケ」

 その瞬間、今田の脚がもつれました。

「えっ?・・・」

 今田がぺしゃっと転びました。それを見た担当の先生が、

「お、おい、今田、どうした?」

 先生が今田に近づくと、今田は泡を吹いてました。その目には生気がありません。先生は驚きのあまり、腰を抜かしてしまいました。

「うわーっ! し、死んでる!」」

 これをリモートビューで見ている千可ちゃんが、また大喜びです。

「へへ、ざまー!」


 3年5組です。このクラスには長谷川の子分の柏木と長谷川自身がいます。遠くの方から救急車の音が響いてきました。その音に柏木と長谷川が反応しました、

「ん、救急車?」

 突如1人の先生がこのクラスに飛び込んできて、この教室の先生に耳打ちをしました。するとこの教室の先生は顔色を急激に変えました。

「え、1組の佐々木と2組の今田が心肺停止になったって?」

 それを聞いて長谷川と柏木が驚きました。

「なんだって?」

 その瞬間、柏木の心臓がドックンとなりました。

「う?」

 柏木の背後には、妖刀キララを逆手に持ったチカちゃんが立ってます。チカちゃんはいつものように不気味に笑ってます。

「ケケケケ」

 この光景を千可ちゃんがリモートビューで見ています。千可ちゃんは軽く笑いました。

「へへ。残すは長谷川だけか! よーし・・・」

 が・・・ バシッ! 千可ちゃんの頭に突然教科書が降ってきました。これはこの教室の先生の仕業でした。

「こら、羽月、何ぼけーっとしてるんだ?」

「す、すみません・・・」

 千可ちゃんは心の中で思いました。

「ちぇっ、あともうちょっとで全員やっちまったのに・・・」

 仕方がありません。千可ちゃんはしばらくは真面目に授業を聞くことにしました。

 あれれ? 千可ちゃん、何か大事なことを忘れてませんか? あなたの霊体は指示待ちの状態で3年5組の教室に佇んだままですよ。


 その3年5組です。柏木の身体が床にごろんと倒れました。

「お、おい、どうした、柏木?」

 先生が柏木に駆け寄ってきました。が、長谷川がその先生を突き飛ばしました。

「邪魔だよっ!」

 先生は数メートル吹き飛ばされ、生徒の机に激突。

「うぐぁ!」

 そこに座ってた女子生徒も巻き添えをくらいました。

「うぎゃっ!」

 長谷川は片ひざをつき、柏木の上半身を抱きかかえました。

「おい、どうした? 何があった?」

「殺される、殺されるよ・・・」

 そう言うと、柏木の首はガクンとなりました。どうやら事切れたようです。長谷川の身体にショックが走りました。

「な、何が起きてんのよ、いったい?・・・」

「きゃーっ!」

 突然女子生徒の1人が悲鳴をあげました。長谷川は振り向いてその女子生徒を見ました。女子生徒は長谷川のすぐ横を人差し指で差して震えてます。長谷川はけげんな顔で質問しました。

「な、何?」

「そ、そこに日本刀を持った幽霊が立ってる・・・」

「ええ? どんな幽霊?」

「お、女の子・・・ 髪は短くって、背は低くって、胸が大きくって・・・ うちの制服を着てる・・・ これは生霊?・・・」

 なんとこのクラスには見える人がいました。女子生徒はさらに幽霊の顔を見ました。

「この顔は・・・ え、2年の羽月さん?」

 途端に長谷川はブチ切れました。

「なんだって? 羽月?・・・ あんにゃろーっ、ぶっ殺してやるーっ!」

 長谷川は廊下に飛び出しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ