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 リモートビューイング。

 オカルト研究会の4人がまとまって歩いてます。夜なのか、あたりは真っ暗。4人が歩いてる場所は、千可ちゃんもよく知ってる場所、隣町の某所です。千可ちゃんはどうやら、数日前のオカルト研究会の足取りを思い浮かべてるようです。千可ちゃんはその気になれば、未来も過去も見えるのです。

 オカルト研究会の4人が突如草ぼうぼうの場所で立ち止まりました。そこには仮囲いがあり、その向こう側に廃ホテルらしき建物が見えます。

 これで十分。千可ちゃんはイメージを止めました。問題はここから。千可ちゃんが一定の超能力や霊能力を使うと、間違いなくお母さんにバレます。バレたらまた強烈なビンタです。悪霊を退治するという行為は、かなりの霊能力を使うはず。張り手が飛んでくること間違いなし。さて、どうしましょうか?

 霊能力を使っても4時間くらい経っていれば痕跡が消えます。ずーっと外にいれば・・・ けど、夜外出してなかなか帰ってこないとなると、それはそれでやっぱりお母さんのビンタが飛びます。いっそうのことすべてをお母さんに打ち明けましょうか?・・・

 う~ん、いい解決法が見つかりません。ともかく千可ちゃんは、ご飯を食べたら廃ホテルに行くことにしました。


 夕ご飯はふつーでした。ちなみに、千可ちゃんのお父さんは北海道に長期出張中で、この日も千可ちゃんとお母さんだけで食事でした。たった今千可ちゃんは食べ終わったところです。

「ごちそうさま」

 千可ちゃんはそう言うと、自分の食器を流し台に持っていきました。そして横目でお母さんを見て、こう言いました。

「お母さん、ちょっと買いたいものがあるから、本屋に行ってくるね」

 が、お母さんは座ったまま、いつもとは違う声色を発しました。

「千可」

 千可ちゃんはその一言でドキッとしました。どうやら千可ちゃんの企みは、とっくにお母さんにバレてるようです。また強烈なビンタが・・・ 千可ちゃんは内心おびえてます。が、

「友達同士が殺し合いしたら困るわね。いいよ、行っておいで」

 思わぬお母さんの発言です。それを聞いて千可ちゃんの顔色がぱっと明るくなりました。そしてお母さんに振りかえって、

「ありがとう、お母さん!」

 千可ちゃんは自転車に乗って、隣町の廃ホテルに向かって走り出しました。


 自転車で廃ホテルに向かう途中の千可ちゃんはとっても上機嫌です。お母さん公認でオカルト研究会の4人を救うことができるからです。おまけに、お母さんはオカルト研究会のメンバーを友達と言ってくれました。つまり、オカルト研究会に入ってもいいと言ってるのです。お母さんのことが気になって気になってなかなか友達を作れなかった千可ちゃんですが、やっとふつーの高校生活を送れるようです。

 しかしです。相手は悪霊です。しかも、悪霊は1体とは限りません。たとえ千可ちゃんの霊能力レベルが最高だからと言っても、悪霊に勝てるのでしょうか? いやいや、千可ちゃんの霊能力をみくびっちゃあ、いけませんよ~!


 月のない夜です。近くに街灯が1つありますが、あたりは真っ暗です。そんな廃ホテルの前に千可ちゃんの自転車が到着しました。千可ちゃんが自転車のスタンドを立ててると、さっそく中レベルの複数の悪霊が寄ってきました。けど、千可ちゃんが振り向きざまかわいいガンをきっと飛ばすと、悪霊たちはびびってしまい、次の瞬間霧散してしまいました。

 千可ちゃんが仮囲いの隙間から中に入ると、廃ホテルの玄関の前で案の定悪霊たちが待ち構えてました。かなりハイレベルな悪霊たち。それがたくさん。その中には城島さんに取り憑いていた女の悪霊もいました。何かものすごく曰くありげな廃ホテルです。

「何しにきた?」

「小娘、お前に憑りついてやる」

「このまま地獄に送ってろうか?」

 悪霊たちの脅かす声が聞こえてきます。あまりにもハイレベルな悪霊軍団なのに、千可ちゃんはなぜかニヤッとしてます。これは余裕か? 次の瞬間、悪霊軍団は一斉に千可ちゃんに襲いかかりました。

「ふざけやがって、死ねーっ!」

 危ない、千可ちゃん! が・・・

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