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 お母さんはなんで千可ちゃんにつらく当たったのでしょうか? 実はちゃんとした理由がありました。

 お母さんのお母さん、千可ちゃんからしてみればおばあちゃんに当たる女性は、かなりの霊能力者であり、超能力者でもありました。

 おばあちゃんが30歳になった頃、おばあちゃんの評判をどこからか聞いたテレビ局がおばあちゃんを無理やり生放送に引っ張り出したことがあったのです。しかし、舞い上がってしまったおばあちゃんは、カメラの前で何もできませんでした。

 お母さんは当時小学校に通ってましたが、翌日小学校ではお母さんは笑い物です。お母さんは我慢できずに、最も笑っていたガキ大将に喰ってかかりました。しかし、逆に思いっきり胸を蹴飛ばされ、後頭部を壁にしたたかに打って重傷。おばあちゃんは血相を変え小学校に抗議に行きましたが、小学校は我関せずの一点張り。あなたがテレビに出たのがいけないんじゃないですか? と言われ、ショックでとぼとぼと小学校をあとにしました。

 おばあちゃんはその足で今度はお母さんを蹴飛ばした悪ガキの家に行きましたが、そこに待っていたのは、黒服の男たちでした。おばあちゃんはそいつらに殴られ、蹴飛ばされ、敷地の外に放り出されました。

 実はこの悪ガキの家は代々市長を輩出してました。これでは学校も警察もまともに取り合ってくれません。おばあちゃんは絶望的になってしまい、発作的に道路に飛び出し、大きなトラックに轢かれて死んでしまいました。その遺体は人の形を呈してなかったようです。

 実は千可ちゃんのお母さんもかなりの霊能力者であり、超能力者でもあります。でも、こんな事件があったので、めったに力を発揮することはないのです。

 お母さんが今一番気になってることは、千可ちゃん。実は千可ちゃんは、お母さんやおばあちゃんをはるかに凌駕する霊能力者なのです。特に人を呪う力は無限大と言っていいほど強烈でした。

 お母さんは千可ちゃんの霊能力がバレることをとても恐れています。いや、それだけではありません。その霊能力が暴走することを恐れています。だから力を発揮するなと、日頃からいい聞かせてるのです。


 お母さんのビンタがショックだったのか、千可ちゃんは夕食の時間、ダイニングに降りて来ることはありませんでした。翌朝もダイニングに来ることはなく、お母さんの顔を見ずに登校して行きました。ふつーのお母さんだったらこんな娘の姿を見たら少しは反省するのでしょうが、このお母さんに反省という文字はないようです。

 実は以前もっとひどいことがありました。千可ちゃんはかなりおませなところがあり、初体験は14歳の時に済ませてます。当時千可ちゃんはギター教室に通っており、一緒にギターを習っていた3つ年上の男の子と白昼愛の行為に及んだのです。しかし、その直後、家に帰ってきた千可ちゃんを見てお母さんは激怒し、何発も何度も往復ビンタを食らわしました。

 お母さんは千可ちゃんにはない能力、オーラを見てその人が直前に何をやったのかわかってしまう能力があります。それで千可ちゃんの早すぎる初体験を見抜いたのです。

 お母さんの怒りは往復ビンタだけでは済みませんでした。お母さんは即ギター教室に電話を入れ、千可ちゃんの目の前でギター教室を辞めると宣言しました。

 千可ちゃんにとってさらにきつかったことは、初体験の男の子の死。なんと、その翌日彼は交通事故で死んでしまったのです。どう見てもお母さんの呪いです。千可ちゃんは遊びのつもりでしたが、彼の死は千可ちゃんを大きく落胆させました。で、当然のようにお母さんを呪いました。そうしたら、またお母さんから往復ビンタを喰らいました。千可ちゃんに呪われたら、さすがのお母さんでもかないません。呪いをやめさせるために、強硬手段を使ったのです。

 呪うことさえ禁じられてしまった千可ちゃんが唯一母親にできる仕返しは、母親以上の美人になること。で、毎日美人になれ美人になれと祈り続けましたが、一向に美人になる気配はありませんでした。さすがの千可ちゃんでも、そこまでの能力はなかったようです。ただし、つるぺただった胸が急に膨らみ始め、今の身体になってます。

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