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年が明け、3学期となりました。他の部では2年生が部活の中心になってきましたが、オカルト研究部ではまだ3年生の浜崎部長が中心になってます。浜崎さんは最後に一発功名を立てる気でいます。
そんなとき、浜崎さんは気になる古雑誌を古本屋で見つけました。月刊ジオカルト。20年以上も前に発行されていたこの雑誌が20冊ほど束になって売ってたのです。浜崎さんはその雑誌を購入すると、翌日オカルト研究部の部室に持ち込みました。さっそく部員全員で回し読みです。と、城島さんが何か気になる記事を見つけたようです。
「な、何、これ? 山上静可の呪い、ついに死者1000人突破・・・」
この発言に浜崎さんが反応しました。
「ええ、呪いで1000人も死んだの?」
浜崎さんはそのページをのぞき込みました。その記事は今月のトピックスというページに載ってました。浜崎さんはその記事を読みました。
「先月お伝えした皆川市X小学校で起きてる呪いですが、ついに死者が1000人を超えました。あまりにもたくさんの連続不審死に警察も乗り出しましたが、その警官も交通事故で8人が死亡。小学校に通ってる児童や保護者は、さらに恐怖のドン底に・・・」
雑誌を読んでいた浜崎さんの眼は、いつのまにか空を見ていました。
「山上静可?・・・ 聞いたことあるような・・・」
浜崎さんはみんなに質問してみました。
「ねぇ、みんな、山上静可て知ってる?」
「いいえ」
「ぜんぜん」
みんな、知らないようです。
「いったいなんなの、山上静可の呪いって?・・・ そういえば、先月お伝えしたって書いてあったなぁ・・・ 1つ前の号を見れば・・・」
浜崎さんは今手にしてる雑誌の表紙を見ました。
「5月号・・・
ねぇ、この年の4月号はないの?」
さっそくみんなでその号を探しましたが、ありません。そればかりか、6月号以降も見当たらないのです。
「う~ん・・・」
仕方なく浜崎さんは5月号を再びめくることに。するとさらに気になる記事を発見しました。
「小誌編集部の三浦志郎と川内洋二が永眠しました・・・
もしかしてこの雑誌の編集部も呪われてたんじゃ?・・・」
浜崎さんがデスクトップコンピューターの前に座ると、さっそくこの雑誌を検索しました。すると、やはり5月号で廃刊になってました。その理由はこの雑誌の編集長の突発的な変死でした。
「やっぱりこの雑誌も呪われたんだ。なんて呪いなの? この小学校でいったい何があったというの?
そうだ!」
浜崎さんは今度はパソコンで地図を開きました。
「皆川市てーところまではわかってるんだから、皆川市の小学校を片っ端から当たればX小学校がわかるかも・・・」
と、浜崎さんのマウスを握る手がふいに止まりました。なんと1区画が丸々空白になってる場所があったのです。
「な、なんなの、ここ?」
福永さんもパソコンのモニターをのぞき込みました。
「10キロ平米はありますねぇ・・・」
「小学校にしちゃ、広すぎる・・・
そうだ、昔の地図を見れば・・・」
浜崎さんは20年前の地図を呼び出しました。するとその空白域のど真ん中に小学校がありました。名前は皆川西部小学校。
「やっぱり小学校があったんだ・・・ X小学校はたぶんここね。
でも、なんでこんなに大きな空白域ができたんだろ? ふつーの小学校が20個以上入る大きさじゃん。もし仮にこの小学校が呪われて閉鎖したんなら、こんなに広く空白域を取る必要はないはず・・・」
浜崎さんはここでピーンとひらめきました。そして高らかに宣言しました。
「みんな、明日皆川市に行くよ! 朝8時駅に集合ね!」




