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3-6

 その日の夜です。千可ちゃんがベッドに寝てます。けど、目がらんらんとしてます。千可ちゃんは右手の指で自分の唇に触れました。千可ちゃんは森口くんとの熱いキスが頭から離れないようです。それで眠れないでいるのです。

「あ・・・」

 千可ちゃんはため息のようで、ため息とは違う声を発しました。どうやら千可ちゃんはセックスをしたくなってしまったようです。けど、あのお母さんです。森口くんとセックスしたら、森口くんは間違いなくお母さんに呪い殺されるはず。今は我慢しないと・・・

 一方で千可ちゃんは今幽体離脱しようと思ってるところでもありました。けど、ある程度熟睡しないと幽体離脱できません。でも、身体がこんなに火照っちゃうと・・・

 千可ちゃんは仕方なく自分で自分を慰めることにしました。ま、千可ちゃんは初セックス以来、オナニーをしないと眠れない体質になってるのですが。

 でも、千可ちゃんはこの夜、他にやらないといけないことがありました。とてもオナニーをしてる時間はないのです。そこで・・・

 千可ちゃんはスマホを手にしました。戸村くんに電話する気です。なのに電話番号が思い浮かびません。当たり前です。千可ちゃんは戸村くんのスマホの電話番号をまだ知らないのです。仕方がないから、目をつぶりました。テレパシーを送るようです。

「戸村くん、聞こえる?」

「あ、はい」

 なんと戸村くんは千可ちゃんのテレパシーを即座にキャッチし、返答してくれました。

「ごめん、今から例のとこに行って欲しいんだけど、いいかなあ?」

「ええ、もう真夜中ですよ?」

 千可ちゃんはここでちょっと、わざと怒ったような声を発しました。

「ねぇ、あの子が丑の刻参りするようになったの、いったい誰のせいなの?」

 その声を聞いて戸村くんはビビッたようです。

「わ、わかりましたよ」

「あは、よろしくね」

 テレパシー送信を終えると、千可ちゃんはパジャマのズボンをパンツごと一気に降ろしました。そしてオナニー開始。千可ちゃんは毎晩毎晩オナニーを1回だけ行うのですが、この夜は5回もいってしまいました。


 例の女の子の家の前です。今夜もまた例の女の子が自転車で走り出しました。女の子の自転車は街道を疾走し、森の中の舗装路を走り抜け、そして鳥居の前に停まりました。ここはみみずく神社です。女の子は石段を駆け登り、絵馬掛けが見える場所に来ました。

「いない・・・」

 どうやら千可ちゃんの存在を気にしてるようですが、千可ちゃんの姿はありません。次に女の子は社務所の軒下の監視カメラを睨みました。で、偶然手元にあった脚立を持ち、監視カメラのところに行き、脚立に乗って監視カメラに黒い布を被せました。

「これでよし!」

 女の子はどこからか絵馬を取り出し、絵馬掛けに向かいました。女の子は満足な表情を浮かべてます。けど、その顔が一瞬で驚きの顔となりました。絵馬掛けに掛かってる絵馬のすべてが同じ文面だったのです。

「僕が傷つけた女の子が早くよくなりますように 1年3組戸村」

 それを読んだ女の子がくすくすと笑い出しました。その笑い声は次第に大きくなり、最後は腹の底からの大爆笑になりました。

「わかったわよ。わかったって!」

 女の子はそのまま帰りました。


 翌日千可ちゃんが通う高校の廊下です。千可ちゃんと森口くんと戸村くんが談笑しながら歩いてます。かばんを持ってるところを見ると、3人は今登校してきたばかりのようです。

 と、千可ちゃんは突然はっとして立ち止まりました。3人の前に1つの人影が立ったのです。それは例の女の子でした。戸村くんの顔に緊張が走りました。けど、女の子は想像とは違うセリフを発しました。

「ありがと」

 そう言うと、女の子は静かに歩き去って行きました。森口くんはちょっとびっくりした表情で千可ちゃんを見ました。

「な、何、あの娘?」

 千可ちゃんはニヤって笑って、こう言いました。

「ふふっ、なんでもないよ」

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