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3-2

 6人はそのままDVDを見続けましたが、その後の盛り上がりは欠けたようです。

「あ~ やっぱり最初の映像が強烈だったなあ」

 浜崎さんはテレビを切り、こう言いました。それを聞いた城島さんが、

「部長、またあの神社に行って、取材しましょうよ」

「監視カメラもついたことだし、今から行ってもあまり意味がないんじゃないかなあ・・・

 それよりもさあ、私たちも心霊ビデオ、録ってみない?」

「ええ?」

 この提案にみんなびっくり。浜崎さんはビデオカメラを持ち、そのレンズの先を自分の額に押し当てました。

「こーやってレンズの先を額に当てて、RECボタンをオン。録画中ずーっと幽霊のことを想像するの。何か映っていたら成功よ」

 そんなわけで、みんなで順番にビデオを録ることにしました。まずは浜崎さん。額にビデオカメラを押し当て、REC開始。約2分後解除。次に福永さん。福永さんも同様に録画。福永さんの次は城島さん。浜崎さんと福永さんは無言で録画しましたが、城島さんは、霊よ映れ、霊よ映れと口にしながら録画しました。

 その次は千可ちゃん。千可ちゃんは念写は試したことはありませんが、千可ちゃんが念写すれば絶対何か映ります。映ったら千可ちゃんの異能力がバレてしまいます。そんなわけで千可ちゃんは、みんなとは逆に何も映るな、何も映るなと念じながら撮影しました。

 千可ちゃんの次は森口くん。最後に戸村くんが撮影しました。

 撮影が終わると、ビデオカメラをテレビに接続し、再生。浜崎さんは何も映ってません。福永さんも城島さんも、問題の千可ちゃんも、何も映ってませんでした。森口くんも何も映ってません。けど、最後の戸村くんの映像には異常がありました。

 真っ暗な画面。が、何か白いものが見えてきました。どうやら人影らしいのですが、いまいち不鮮明です。けど、映像の最後に何か声らしき音がありました。浜崎さんはこの映像を見て思わず歓喜しました。

「す、すっごいじゃん!」

「ま、まあ・・・」

 戸村くんはちょっと照れてます。いや、苦笑いかも。

「最後に何か声がしましたよねぇ。部長、もう1回見てみましょうよ!」

 城島さんの発言に浜崎さんが応えました。

「OK!」

 再び再生。たしかに何か声がしてます。けど、いまいちわかりません。

「もう1回再生!」

 浜崎さんは今度は音声をマックスにして再生しました。で、ついにわかりました。「戸村死ね」こう言ってたのです。浜崎さんは唖然としながら、戸村くんを見ました。

「あなた、やっぱり恨まれてるわねぇ・・・」

「う~ん・・・」

 戸村くんは側頭部に右手を回し、照れくさそうに掻きました。

 浜崎さんはビデオカメラの液晶モニターを見ながら操作しています。

「いらいなデータは消してっと・・・」

 浜崎さんは次にビデオカメラからSDカードを抜き出し、それをみんなに見せました。

「みんな、これをほんとうに怖い心霊ビデオの制作委員会に送ってみるよ!」

 福永さんと城島さんの目が輝いてます。

「これは絶対採用されるはず!」

 いやいや、これは採用されるどころか、どこに出しても絶対注目される心霊映像です。テレビの心霊特番でも放送されるかもしれません。そうなったらオカルト研究部にも取材が来ます。そうなると千可ちゃんも取材を受ける可能性大。もしお母さんがその番組を見たら、間違いなくまたビンタです。

 風が吹けば桶屋が儲かる的発想ですが、千可ちゃんにとってお母さんのビンタほど怖いものはありません。少しでもその可能性を感じたなら、思い切って除去しないと・・・

 で、千可ちゃんはそのデータを消すことにしました。けど、何をどうすればいいのかてんでわかりません。ふつーに考えたら念写して上書きしちゃえばいいのですが、前述の通り千可ちゃんは念写したことがないのです。さ~て、どうしましょうか?・・・

 オカルト研究部はこのままお開きとなりました。

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