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2-3

 翌日浜崎さんの豪邸に福永さんと城島さんと千可ちゃんが自転車で来ました。この時点で朝8時。それから約50分後、やっと森口くんが来ました。

「み、みなさん、早いですねぇ・・・」

 そうです。言い渡されていた集合時間は、実は9時だったのです。浜崎さんは微笑みながら応えました。

「ふふっ、オカルト研究部じゃ、約束より1時間早く集まるのがルールなの」

 あまりにも理不尽なルールに、森口くんは苦笑いするしかありませんでした。

「あははは・・・」

 さあ、出発です。ちなみに、森口くんが来るまで、4人は心霊写真本を回し読みしてました。


 浜崎さんの家から最寄りの駅まではバス。そこから電車に乗って2つ目の駅。さらにバスに乗り換え、都合40分。ついにみみずく神社に到着です。

 5人は境内に入ると、さっそく絵馬掛けを発見しました。

「ここだ」

 浜崎さんと福永さんが、たくさんある絵馬をチェックし始めました。千可ちゃんがビデオカメラで、城島さんがスティルカメラでそれを撮影してます。ちなみに、千可ちゃんは生き霊や死霊の気配をまったく感じてません。

「あった!」

 ついに浜崎さんが呪いの絵馬を発見しました。1年3組戸村死ね と書いてあります。

「これが呪いの絵馬・・・」

 城島さんがその絵馬に手を伸ばそうとしましたが、浜崎さんがその手をさっと振り払いました。

「触っちゃだめ、呪われるよ!」

 城島さんはびっくり。

「ええっ?」

 千可ちゃんが森口くんに話しかけました。

「1年3組の戸村て、あの人のこと?」

「うん、ぼくもそう思った」

 浜崎さんはその会話を聞いて、はっとしました。

「え? うちの高校の子なの?」

 そうです。戸村とは先日事件を起こしたあの戸村雄一です。あの事件の直後警察が乗り出し、彼と彼の母親に謝罪文を書かせ、事を穏便に済ませました。が、それ以来戸村は登校してません。ちなみに、殴られた女の子は今心療内科に通っていて、こちらも登校してないようです。この絵馬はその娘か、肉親が書いたものなのでしょうか?

 5人はさらに絵馬をチェックしましたが、呪いの絵馬はこれだけでした。5人はみみずく神社をあとにしました。


 その後浜崎さんの豪邸でビデオカメラとスティルカメラをチェックしました。けど、幽霊は一切写ってませんでした。ま、千可ちゃんが霊を感じてなかったんだから、写るはずがないのですが。ただ、千可ちゃんはあの呪いの絵馬に何かよからぬものを感じたようです。

 幽霊をチェックしてたとき、森口くんが千可ちゃんに話しかけました。

「羽月さん、呪われたくないよね」

「うん。呪いたくもないけど」

「え?」

「人を呪うなんて、人として最低の行為だもん」

 千可ちゃんはたいていの呪いははね退けることができます。でも、千可ちゃんが呪ったら大変です。千可ちゃんが「死ね」と思っただけで、その人はあっという間に死んでしまうからです。でも、千可ちゃんはお母さんの躾が行き届いてるので、人を呪ったことはほとんどありませんでした。


 部活はお開きとなりました。福永さん・城島さん・森口くん、そして千可ちゃんが帰るところです。浜崎さんが門まで来て、みんなを見送ってます。

「それじゃあ、みんな!」

「はい!」

 4人が自転車で漕ぎ出しました。最初4人は1つでしたが、途中福永さんが抜け、城島さんが抜け、千可ちゃんと森口くんだけになりました。

 森口くんはいつものようにもじもじしてましたが、おもむろに口を開きました。

「あの~ 羽月さんてキスしたことありますか?」

 この質問に千可ちゃんは、

「あるよ」

 そのあっけらかんとした返答に、森口くんはびっくり。千可ちゃんは言葉を続けました。

「幼いときにお母さんとしたよ。でも、ここ10年はしてないかな?」

「あは、そうですか」

 森口くんはなぜか安堵の表情を浮かべました。森口くんは千可ちゃんのファーストキスが欲しいのでしょうか?

 ちなみに、千可ちゃんはすでに初体験を済ませており、そのときの男の子と何度も何度もハードなキスをしてます。つまり、さっきのセリフは真っ赤なウソでした。

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