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ある本の記録

作者: 柏原 葛

男は訴えた。この星の惨状を。

人々は男の考えを『空想』として蔑んだ。

男は必死だった。

『このままではこの星は滅ぶ。なんとかして阻止せねば』

男は考えた。自分が持てる全ての力を用いて考えた。

が、答えは出なかった。

人々には見放され、疲労も溜まってきた。


男はもう一度訴えた。

人々はまたもや蔑んだ。

その後、男は笑いながら話した。

『私はやりたいことをした。お前らもやりたいことをすればいい』

男はそれ以来、姿を消した。

男が死んだ、という者もいれば、男のことを忘れている者もいた。


何年かした後、この星は滅んだ。男の訴えていた通りに。

人々は困惑し、『なぜ我々が』と訴えた。

そこに男が現れた。

男は言った。

『お前らは私のことを蔑んだ。一番お前らを助けようとしていた者を。お前らは『空想』とみなした。この星の真実を。お前らは自らに自惚れ、何もしなかった。この結果は当然だ。昔は【奇跡の星】と呼ばれたこの星を見ろ。この星は【奇跡の星】なんかじゃない』


『ただの【砂の惑星】だ』


人々は怒り狂い、男を恨んだ。

『もっとはやく言えば助かったのに』と、愚痴を漏らす者もいた。


この星は滅んだ。男の訴えた通りに。


男は正しかった。男は人間として生きていた。

それに比べ、男を蔑んだ人々は周りを見ることのできない家畜だった。


しかし、そんな家畜たちに救いの光が差し込んだ。


男の開発したロケットらしきものを見つけたのだ。

ごく少数の人間はそれに乗り込み、次の惑星を探した。


しかし、なぜ男はこのロケットに乗り込んで他の惑星へと向かわなかったのか。

それはその男にしか分からない。

書きたくなったから書きました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 淡々とテンポ良く話が進むところ。 [気になる点] 言葉選びの雑さや文の矛盾などが目立つ。意味は何となく分かるとはいえ、読んでいて所々そういったところで引っかかってしまいます。 [一言] 誰…
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