初依頼とステータス
こっちはノリだけで書いてるから超楽しい!
取り敢えず1番簡単なクエストから受けてみよう!
「ニーネさん。1番簡単なクエストってなんですか?」
「お使いとか、迷子探しとか、荷物運びとかですね!」
定番の薬草採取じゃないのか…ちょっと残念。だけど良く考えたら何が薬草でどれが毒草で、タダの雑草なのかサッパリ分からないから受けても困るな。ここは無難に力仕事にしよう。
「じゃあ荷物運びでお願いします!」
「わかりました!」
「私は用事が有るので監視出来ないが逃げるなよ!靴代と10G絶対返せよ!」
フィルネリアさんが強く言ってくる。きっと心配してくれてるのだろう。あれだツンデレみたいなヤツだな!デレどこいったん本当。
さて、指定された時間まで、まだ少し時間が有るから路地の方でステータス確認できるか試さなきゃな。
流石に大通りで、どのワードでステータスボードが開くか試すのは勇気がいるからな。もしステータスが無いアレだったら、間違えなく可哀想なものを見る目で見られるしね。
よしやるぞ!
「ステータス!メニュー!スキルウィンドウ!開けゴマ!ちちんぷいぷい!」
そんな事をやっていると後ろから声をかけられた、ごく平凡な容姿の男だ。少し小汚いので、一般市民と思われる。
「あぁ。おじさんステータス?えっと自分の状態ってどう見たかなぁ~と思いまして……頭を強く打ったみたいでド忘れしちゃって」
「おいおい大丈夫かよニーチャン。頭の中で、"我示すステータスインディケート"って唱えればいつでも見られるだろ。他人には見せられねーがな。なんせ頭の中の事だしな!」
ガハハハハとオッサンは笑いながら答えてくれる。いいオッサンだ。
「そうでしたそうでした!ありがとうございます!」
「いいって事よ!気にすんなニーチャン。あ~でも、気を付けろよ。相手のステータスを看破出来るやつもごく稀に居るからよ!」
「ありがとうございました!では、これで。良い旅を!」
「お、おう。じゃあな!変なニーチャン。俺はこの街に住んでるし、外はあぶねーから旅なんかしねーけどな!」
さて、教えて貰った後ずっとあそこにいるのもおかしいしな。更に荷物運びの依頼位置に近い所で試すことにした。頭の中で見られるんなら変なヤツと思われることも無いしね!
よし行くぞ!"我示すステータスインディケート!"
おぉ!これが俺のステータスか!
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名前:真菊一文字 しんきくいちもんじ
Lv.1 状態:普通
性別:男 年齢:17
称号:異世界の槍使い
渾名:ダークマッドサイエンティストスーパーランサー(ちょうつよい)
HP 23/23
MP 5/5
POW 15
DEX 12
AGI 13
STR 14
VIT 11
LUK 4
残りステータスポイント:0
パッシブスキル: 槍術Lv.3 体術Lv.2
アクティブスキル: スキル取得Lv.1
その他称号: ナンセンス:(絶望的にセンスの無い人間にのみ贈られる特別な称号。命名やアクティブスキル修得時のスキル名等が致命的にダサくなる。)
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ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!渾名ってなんだぁぁぁぁぁ!!!なんで、表示されてんだ!俺が絶賛厨二病の時に、ノートに書いた、ダッセェ俺設定集のヤツじゃねーか!その名も『混沌の闇に刻まれし世界の記憶』またの名を『カオスダークニアアカシックレコード』ノートだ。絶望的に英語が間違ってるのが辛い。直訳すると『混沌、やみ、それに近い、世界記憶の概念』になる。刻まれしは一体全体、何処に行ったというのだ。
更に英語が苦手で、接続詞とか分からない無いから、単語を繋げただけだ。間違ってる上に普通にダサい。
そもそもマッドサイエンティストなのに、ランサーってなんだよ。ごった煮過ぎんだろ。どんだけ節操ねぇんだよクソかよ。クソでしたねごめんなさい。スーパーとか付けちゃう辺りが最低だ。スーパーが付いていいのはマンとボールだけだ。
ダークマッドサイエンティストって、多分闇医者みたいなノリで付けんたんだろうな。極めつけは(ちょうつよい)だ。なんで、中学2年生にもなって、それぐらい漢字で書かなかったんだ。そもそも、(ちょうつよい)ってなんだよ。なんで、名前で補足説明してるんだよ。無能かよ。
ヤバイ。恥ずかしいとか、そんなんじゃなく、純粋に死にたい。もういっそ殺してくれ。
しかも、ボケの如く名前しっかり間違ってるしよ。間違ってるのにしっかりってなんだよ!おかしいだろ!誰が武器だコラ。
その他称号余計なもんついてんだけど!おかしくね!あれか、厨二病のアレを見て、さずけられたのか!嫌がらせ以外の何物でもねーじゃねーか!
しかし、見づらいなソートと編集機能無いのかな。やってみるか。
待てよ。アクティブスキル修得時の名前が、致命的にダサいって事は、アレやってみっか。
周りは誰もいないな。
「行くぜ!"真菊家一槍流壱の型"『流閃華』」
流れる様な動作で、連続で敵の無意識の空間に畳み掛ける、瞬きの刹那を穿つ、突き技の極みだ。その槍の筋は光を伴い、まるで華が咲いたようだと言われる光速の槍。
真菊家で最も大事とされる壱の型だ。どうだ、流石にこれはダサくならないよね?大丈夫だよね?
さて、スキル欄を確認してみよう。"我示すステータスインディケート!"
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名前:真菊一文字 まぎくいちもんじ
Lv.1 状態:普通
性別:男 年齢:17
称号:異世界の槍使い
渾名:ダークマッドサイエンティストスーパーランサー(ちょうつよい)
HP 23/23
MP 5/5
STR(力)14
VIT(頑健さ)11
POW(精神力)15
DEX(器用さ)12
AGI(素早さ)13
LUK(運)4
残りステータスポイント:0
パッシブスキル: 槍術Lv.3 体術Lv.2
アクティブスキル: スキル取得Lv.1 いっぱい突くLv.2
その他称号: ナンセンス:(絶望的にセンスの無い人間にのみ贈られる特別な称号。命名やアクティブスキル修得時のスキル名等が致命的にダサくなる。)
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ソートと一部編集は出来たが……ダセェ。スキル名が鬼ダサ、激ダサを越えてドラゴニックダサい。略してドラダサ。
俺はしょげかえりながら、荷物運びの依頼に向かうのだった。
ナンセンスのレベリング頑張らなきゃ!