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その上司、俺様につき!  作者: 皇ハレルヤ
謎解きは定時後の会議室で
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第07話

 

「そんな……」

「俺は俺のやりたいことを、仕事にして生きる」

社長との関係はこれからきっと、もっといいものに改善していけるだろう。

私は確信めいたものを心に、自分にもできることがあれば、これから最大限2人をサポートしようと決めた。

「……そうやって仕事に邁進すると決めた時、そばで支えてくれる人間も自分と同じ系統がいいと思ったわけだ」

先ほどとはガラリと調子が異なる、静かで穏やかな声。

彼の視線の先を確認しなくても、私を優しく見つめてくれていることが気配で伝わった。

「ま、まさか、私……ですか?」

「ああ。そうだよ」

ははっと彼は楽しそうに笑う。

「あの日君を見つけた瞬間、らしくないとは思ったが、話しかけたくなってたまらなくなってしまったんだ」

「あの日って、もしかして……」

脳裏に甦るのは、4月1日の朝。

波乱の幕開けとなった、あの日の記憶しかない。

「そうだ。君の服を盛大に汚した日だな」

「~~~っ!」

もう時効じゃないかとカラッと笑う彼に、少しイラついてしまった。

けれども考え方を変えてみれば、あの出来事のおかげもあって、今ここにこうして2人でいられるのかもしれなかった。

あの出会いがなければ、お互いに惹かれ合うことはなかった可能性もある。

そう思えば、怒るより感謝すべき事件だったのかもしれない。

(でももし、タイムマシンがここにあったなら、あの時の私じゃなくて、あの時の久喜さんに伝えたいわ。もっとマシな口説きかたをしなさいよって!)

「はは、そんなに目くじら立てるなよ。書類でしか見たことがなかったパートナーを、やっとこの目で見れたと思ったんだ。俺にも余裕がなかったんだよ」

「……でも、人違いって言いましたよね?」

ジトッと尋ねると、思わぬ反撃が待っていた。

「そうだな。あの時は完璧に人違いだと思ったよ。書類で確認したよりも、大層君が美人だったからね」

「―――っ!?」

カーッと頬が熱くなる。

どうしてこの人は急に、こんな饒舌に甘い言葉を吐く男に豹変してしまったのだろうか。

あまりのキャラ変更に、心音は早まる一方だ。

「がっかりしてその場を離れたっていうのに、まさかあの時の彼女が君本人だったなんてな」

「……それにしては、やたら冷たい態度だったと思うんですけど」

「それは仕方ないさ。目の前で動く君に出会って、新たに守る約束事が増えてしまったんだから」

またしても、初耳の情報がもたらされた。

「何です、それ?」


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