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その上司、俺様につき!  作者: 皇ハレルヤ
謎解きは定時後の会議室で
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第02話

「わかった! わかったから! そんな、鬼のような顔で俺を見なくたっていいだろう!」

「お、鬼……?」

真顔になっていた自覚はあるけど、まさか鬼と表現されるとは思わなかった。

やっぱり久喜さんには、いちじるしくデリカシーが欠如しているのかもしれない。

(そりゃ今日は1日中、ノーメイクでしたけれども!)

面談にやってきた人達の、ギョッとした顔がいまだに忘れられない。

私はこれから会社の引き出しにも、サブでメイク道具を置いておこうと固く誓った。

「いや、今のは言葉のアヤだ。すまない、もちろん本心ではない……」

ムッと黙りこくった私に不穏な空気を感じたのか、今までにないスピードで久喜さんが謝罪する。

「……そうですか」

「頼むよ、疲れているんだ。あんまりピリピリしないでくれ、心臓に悪い」

かろうじてスーツやブラウスはパリッとしていたものの、確かに雰囲気はいつもの彼とはかけ離れていて、ヨレヨレ感が満載だった。

今の時刻はまだ、定時の労働時間が終わったばかりだというのに、すでに徹夜明けのような風情が漂っている。

「……私は、明日でもいいですよ?」

明日は金曜日。週末の休みに向けて、今日よりはまだ余裕を持って仕事に打ち込める日だ。

きちんと状況を話してもらえるなら、1日くらい我慢できる。

「大丈夫、約束は守るよ。最初から説明させてくれ」

けれど久喜さんはしっかり私の目を見て、今から告白するからと宣言してくれた。

そして、テーブルの上で両手を組むと、ふうっとため息をひとつ吐く。

「君の存在を知ったのは、3年ほど前だ」

「……社長もそのように仰ってました」

事前に聞かされていなかったら、もっと驚いていたことだろう。

まさかそんなに前から、彼が私のことを知っていただなんて、きちんと話をしてもらわなければ、状況が飲み込めないままになってしまう。

「ああ……君のことは真っ先に、社長に話したからな。営業部に面白い女子社員がいるようだと」

「面白いって……私、褒められてます?」

「もちろん。入社3年目でまだまだこれからってところなのに、男顔負けのガッツがあって、負けん気が強くて」

やっぱり、私という人間を語るにあたっては、ガッツとか男気とか、雄々しい表現が必要不可欠なのだろうか?

ますます自分の女らしさに自信がなくなる。

「……あんまり褒められている気がしないんですけど」

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