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その上司、俺様につき!  作者: 皇ハレルヤ
仕事ができる男(ただし、性格に難あり!)
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第09話

営業職経験者はよく「営業は潰しが効かない」と、愚痴をこぼすことが多い。

業務報告や資料作りにPCを使うことはあるものの、事務ソフトを使いこなせるレベルには到底達していない。

そもそも、事務作業に必須な文章作成に苦手意識を持っている人が多く、自主的に勉強しない限り経理に関する知識もない。

(営業職が嫌で転職したのに、結局、コーディネーター業とかコンサル業とか、営業っぽい仕事しか受け入れ先がないのよね……)

私も総務部に配属された当初は、あまりの環境の違いに、辞めてしまおうかと何度も悩んだ。

「だから、できることから始めたいって考えたりもしてて……」

―――その時に相談に乗ってくれていた人が今、目の前であの時の私と同じ悩みを抱えている。

「で、具体的にはどこに行きたい?」

「……言ってもいいんでしょうか?」

「それは君の自由だから、私に強要はできない。だが、ここでの君の発言は、今後の人事に大きく影響すると思ってくれていい」

ポンポンと弾むようにやり取りされる、2人の会話のスピードに頭がついていかない。

余計なことは口にするまいと、黙って見守っていると、先ほどと同じように、また、飯田君が物言いたげな眼差しで私を見つめてきた。

「……え?」

「どうした? 私もそれほど暇ではないんでね。君の心が決まらないんなら、面談はこれまでにしたいんだが」

腕時計を眺め、久喜さんがつぶやく。

つられるように私も時計を確認する。

飯田君の次の面談の時間が、あと数分足らずまで迫っていた。

(飯田君……!)

私に何ができるかは正直わからないけれど、とにかく彼の選択を応援したい気持ちでいっぱいになった。

飯田君を真っ直ぐに見つめ、彼と目があった瞬間、大きく頷く。

「久喜さん!」

私の精一杯の後押しに勇気付けられたのか、飯田君はテーブルに置いたままの両手を改めてグッと握ると、

「俺を……」

極めて真摯な表情で口を開き、

「俺を、総務部に配属してください!」

―――顎が外れるかと思うほど、私を驚愕させてくれた。

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