表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その上司、俺様につき!  作者: 皇ハレルヤ
とにかく出会いは最低最悪
2/98

第02話

(それを快く思ってなかったからって、ここぞとばかりに異動してくれちゃって! あんのクソ上司!)

他の企業なら、総務部のポジションはもっと重要視されているのだと思う。

けれど、我が社に限って言えば「総務部はデータ入力さえできれば安泰」とバカにされるばかりの部署だった。

事実、かなりのデータが電子化された今、総務部の重要な役割と言えば、送られてくる他部署からのデータを相違ないか確認したり、郵便物を集配・管理することくらい。

もちろん、それも社にとってはなくてはならない業務だと、頭ではわかっている。

でも、やる気を削がれるような扱いがデフォルトで日当たりが悪く冬は凍えるように寒い地下のフロアに押し込められれば、誰だってモチベーションをなくしてしまうはずだ。

(でも、そんな総務部とも今日でオサラバ!)

経営体制がテコ入れされることになった最大の理由は、同じく外資系クレジットカード会社MNFSをアスタルテが買収し、合併したことによるもの。

会社同士の話がまとまるまで、また、まとまってからも、様々な部の雑用業務が「どうせ暇だから」と総務部にのし掛かってきた。

けれど「新体制」の文字の魅力の前には、多少の残業など苦でもなんでもなかった。

(今度こそ、バリバリ働ける部署に異動させてもらうわ!)

お気に入りのミントグリーンのワンピース。

上質の革に一目惚れした白いトートバッグに、シンプルなベージュの8センチのヒールパンプス。

会社に着けば制服に着替えなければならないけれど、今日は私なりに精一杯、気合を入れた“戦闘服”だ。

(全部セール品だけど、こういうのは「ケチ」じゃなく「節約上手」って呼んでほしいわよね!)

願掛けのために伸ばしている髪にも、昨夜は念入りにトリートメントをした。

(2年前は肩まで届くか届かないかでキープしていたから、こんなに長くしたのは初めてかも)

眉を適当に書いて、あとはマスクで誤魔化していたぞんざいなメイクも、もうおしまい。

営業時代を思い出して、今朝はがっつりフルメイクを復活させた。

眉は薄めのブラウンで優しい印象に整え、チークは元気に見えるオレンジピンク。

マスカラは3度塗りがマストでしっかり長さを出し、リップカラーは勝負のコーラルレッドをチョイスした。

(こうしてしっかりメイクすれば、私もそこそこいい感じじゃない!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ