『親愛なる優花へ』
親愛なる優花へ
今朝、手紙が届きました。三年以上もの間、郵便局で保管されていたせいか、封筒は少し色褪せていました。
優花から突然届いた手紙、正直少し驚きました。驚いたげど、嬉しかったよ。
優花の言う通り、僕は今27歳になりました。でも残念ながら彼女はいません。申し訳ないけど君の元ダンさんはそんなにもてないんだよね。残念(笑)
あっ! もうそっちでイケメンつかまえたかな? なんだかジェラシー(泣)
お腹に赤ちゃんがいたんだね。びっくりしました。できることならその赤ちゃん、産んで欲しかったな。でも産んでると優花が一人ぼっちになってたのかと思うと、産んでくれなかった事を責める訳にもいかないし……。
男の子だった? それとも女の子?
男の子なら一緒にキャッチボールしたかったな。僕の叶えられなかった夢――甲子園――目指してスパルタ教育してたかもね。
女の子なら……。
「将来パパのお嫁さんになる」
なんて言ってくれてたのかな?
僕みたいに奥さんも守れないパパに、娘がそんなこと言ってくれる訳ないか。
最後に、僕はもう恋なんてしません。優花が最後の女です。愛してるよ。今でも……。
また来年。
平成二十六年 十一月 五日 絢斗
追伸
抹茶のケーキ、食べてくれたんだね。優花に怒られた時、結構へこんだんだぞ! 美味しかったんなら良かった。