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プロローグⅡ

ブックマークの再登録ありがとうございます。

前の話で言った通り、陣也の性格はだいぶ変化しておりますのでご了承ください。

時は俺たちが異世界に召喚される1時間前に戻る。

りりりーーーん!!


「う、う~ん」


俺は目覚ましの音で目が覚め起きた。時刻は6時過ぎだ。

今日も始まるいつも通りの生活だ。

「っ!?やばっ!もうこんな時間かよ」


遅刻しないようにするには6時半には家を出なければならないので急いで準備をする。

時間的にはぎりぎり間に合うか程度だが、この時間になっても親は起こしてくれない。

理由はいたって簡単だ。


「「……」」


父・母そろって俺とあいさつをするようにはしない。分かっただろうか?こういう事だ。

それに、親は自分たちの朝食しか作らず、俺を居ない者として扱う。

そのため、遅刻しそうな俺は朝食を食べている時間なんてないので、食パン1枚を食べながら登校する。

行儀も悪いし、どこかの漫画でしか見たことのない感じだが・・・・。


陳也(ジンヤ)の家と高校までは5キロあるので自転車のペダルをこぎまくった。

そして、学校の駐輪スペースまで来て他生徒と会ったが


「……」


無言どころかゴミを捨てて通り過ぎていく。

この生徒の行動からして察しが付くかもしれないが俺はいじめにあっている。そして陳也(ジンヤ)が言う事と言えば

「どうにかならないかな?これ…」

だった。

俺自身何処かで諦めていたのかもしれない。この生活が変わることはないと。


そして俺は玄関から入りいつもどおりに教室に向かった。そしてドアを開けたのはいいが

「っ!」

陳也(ジンヤ)を襲ったのは黒板消し落としだった。何て古典的ないじめだろうか。

そして、一斉に降りかかる視線。

「また来たのかよ」「来なくていいのにな」「消えろよな」「殺してみるか」「やめろよ、捕まるぞ」

と言うおまけ付きだった。


以前までの俺ならこう思っていた。

『死にたい』

と。

だが、今はそんな事は思わなくなっていた。それは同時に、俺の心が壊れた証拠だったのだがそんな事は知らなかった。


俺だって嫌じゃないわけがない。最初は少しの反抗もした。

だがそのすべてが無駄になった。いじめは最初クラスで広まった。そして1か月も経たないうちに学年中に広まり、俺をクラスの連中と一緒なっていじめの対象にした。

次に俺が助けを求めたのは、先生だった。何とか助けてもらおうと相談に乗ってもらった。

だが、そこで先生が放った言葉はこれだった。


『お前みたいな人間のクズ(・・・・・)どうして助けなきゃならない』

だった。


俺は絶望した。親は俺が小学生の高学年の時から俺を放置状態としていたので助けにすらならなかった。

そしてこの先生の言葉の後俺は1週間学校を休んだ。

自分のどこがいけなかったのか確認するためだ。

だが、そこでも答えは出ず俺はいじめに反抗することをあきらめた。


そもそも陣也がなぜいじめられているのかと言うと実に理不尽な理由だった。

それは…いじめられている奴をかばったからである。


中学生の時は陣也もクラスメイトにいじめられるなんてことはなかった。だったら何時こんなにも日常が変わってしまったのか?それは、高校に入学してから間もないときだった。同じクラスメイトの中に弱気な女子がいた。


ある日その女子はクラスメイトに教科書を破られてしまった…。その次の授業で俺は教科書を見せて上げた。

更にはお金をも貸したのだ。周りからしてみればさぞ面白くないだろう。その日からだった。


彼女から俺にいじめの対象が俺に変わったのは…。しかし俺は気にしなかった。

何故なら…その子が俺の初恋だったからだ…。


…そして1年がたったある日、悲劇が起きた…。

その女の子が行方不明になったのだ。だが、詳しい原因は分かっていない。

それでも陣也(ジンヤ)を絶望させるには充分な程だった。

陳也(ジンヤ)の最後の心の支えが居なくなってしまったのだ。俺はそのことを知った夜、一人で泣いた。

たった一人で…。

その日俺の心は壊れた。

静かに、ただ静かに……。


それから陣也(ジンヤ)は、クラスメイトと話さなくなった…。


そして今日に至るのだった。

俺が机の前に向かう。

机には『バカ・デブ・人間の恥・クソ・死』などの様々な罵倒の言葉が書いてある。

それに、カッターで斬ったような傷もあって花の花瓶も一緒に置いてあった。

こんな事、日常茶飯事だがもうつらくはない。あの日の事に比べれば全然だ。

俺は花瓶を元あった場所に戻す。その間にも

「ふっ」「ははっ」「ひひっ」

と、笑い声が教室中から聞こえた。


そして俺がカバンを机の上に置き、今日もいつも通りに終わると思った時…

それは、いつも通りに全てがおわ―――――らなかった。突如教室の床が光ったのだ。

床が光るなんて現象普通は考えられない。否、床にランプを置いていたら別だがそんなものが置いてないのは見ればわかる。

それにもし仮に床が光るなんて現象が普通に起こるんだったら、ニュースで報道されてもいいレベルだ。

完全に人類が理解できているレベルを超え、大発見になる。

それに床には何かが移って見える。


これは…『魔法陣』だろうか?


俺はいじめを全て諦めてからある物に興味を持っていた。

それは何処にでもある本だった。

その中でも『ファンタジー小説』の異世界物に取りつかれていった。

『自分もこのように人になりたい、こんな世界に行ってみたい。』

俺はそんなふうに思っていった。


今、目の前に起きている出来事はそれにそっくりなのだ。

『魔法陣』の中に書いてある言葉のようなものは日本語で書かれておらず読むことが出来なかった。

しかし、動揺したのはクラスメイトも同じだったようだ。

それもそうだ。こんな現象見たことがある人が居たのなら、その人にぜひ聞いてみたいね!

俺たち、今からどうなるの?とぜひ聞いてみたいよこれ!!


と、床の光が強くなっているにもかかわらず、俺は外は冷静なように見えても内心とても動揺していたのだった。そして床が光はじめて30秒が経った。

その瞬間今までになかった光が突然、陣也たちを襲った。

そしてその直後に俺は意識が飛んだ。同時にこの世界から消滅した。誰の記憶にも残らずに。


後日、この高校の他のクラスメイトは疑問に思った。

自分たちの横の部屋にクラスなんかあったのかと....。

それは、陣也たちがこの世界から消滅したということになるのだが…陣也たちが知るよしもなかった……。


そして陳也たちのこの世界からの消失は後にこう言われた。

『死神が通った(とおった)学園』

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