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ラミとクルクルの大冒険。  作者: 背徳の魔王 実に残念だ。車には気をつけろと予言したが、彼女は聞かず新車を購入。3ヶ月で廃車にした。負の連鎖が始まる予感が拭えない。
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男気番長!日吉直道オス!!

ラミとクルクルと出会うべくして、遭遇する直道。これはそんな始まりの物語です。

プロローグ



日本のある離島で、それはそれは正義感ばかりが、先走った男の子が、産まれました、



まっすぐ直進。まるで……猪のように突っ走る男の子は、名前の通りに育って行きました。物心が付いた頃のことです。病気勝ちな母の為。離島から、生まれ故郷の。横須賀に住むことになりました……、



それから10年……、


「ミッチー~おはよう」

甘えた声を掛けてきたのは、昔懐かしいファッション、死滅されたと言われる。


長ラン(学生服の長いやつ)。ボンタン(足首がキュットした、職人が履いてる。作業着ぼいやつ)。

パチンコ屋さんに並んでた、サボリーマンや、いかにもそれで、頑張ってます的な。お兄さん達が、揃ってギョとしました、


みるからに強面。髪は、無造作に撫で付けただけで、目付きも鋭く。いかにも札付きな見た目、方や声を掛けたのがなんと……。ふわふわな。美しいブロンドの髪を、カチューシャでまとめた、頬のそばかすがとてもチャーミングで、某お嬢様学校の制服を着た。みるからに高級外車で送迎されるべき箱もの娘。いや箱入り娘である。

思わず事件発生?かと、携帯を取り出した瞬間。

「ミッチー言うなや~。リサ・コールウエイン」

ものスゲー嫌そうな、顔をして、嘆息混じりに。彼女のフルネームらしきを、口にした見た目札付きな少年の方で。110番にプッシュする手が止まる。


知り合いか?、揃って首を傾げた。

「ミッチー!、フルネームは止めてよ♪~、私と貴方の仲じゃない、リサと呼びなさい。これは命令よ」

プックリ頬を膨らませ。えいや~直道の腕に抱き着き。ニコニコ嬉しそうに笑う。何となく馬鹿馬鹿しくなり。揃って携帯を仕舞うが、何となく面白くない……。


何故あんなやつに……、そう思う気持ちも分かる。



はてさて日吉直道の名字で、家名である。日吉ひよし家は、今は時代の陰に消えた、乙女流を伝える家系である。その昔。大名。豪族が密かに伝えし技が、あったと言われている。数多あった秘密の技。有名武将が進めたことに端を発して、乙女流のルーツになったのが、



代々織田信長三郎が伝えし。織田流合戦術。その技もそうした、乙女流の一つで、技を作り上げ。継承した一族が日吉家の先祖、信長公との約束により。秘密にされてきた、それが織田流合戦と名付けられた、織田家の乙女流である。


元は、信長が大層好だった。相撲の技が、根元だと言われている。

現在の大相撲の決まり手。または、ルールの多くは、信長が決めたと言い伝えられ。また家臣を集め。春秋の行事として、相撲をさせた。その中で生まれましたのが、織田流合戦術である。


今では、一部の織田の分家に残された、家訓があります。



攻めに転じるは、

押さば押せ。引かば押せ。


待つは愚か者の策なり、敗退こそ勝機あり、


目を掛けたは、その者が死のうと構わぬ。それが天命である。

等々、切り捨てゴメンの文言まで残されてます。


日吉家当主は、当時小兵ながら、信長の言葉を信じ実践した猛者であり。見事な相撲を取る日吉を、信長は大層気に入って、足軽頭に任じされた。それも信長公を信じ。鍛練を惜しまなかったお陰であったと、言い伝えられている。

「ミッチー~部活終わったら。家に来なさい命令よ!、お父様が、また懲りもなく。屈強なグリンベレー連れて、テグスネ引いて待ってるわ」

聞いたこと無い、名称を耳にして。訝しげな顔をして、

「なに~グリンベレー~?、新手の洋菓子か」思わずにこやかに笑ってた。リサの顔がひきつる。自分のはしゃぎぷりすら、気恥ずかしい気持ちになって、ムムムっと変顔になる。怪訝な顔の直道だが、肘に当たるふくよかな胸を、意識しないよう。何としてもリサの手から、抜け出したい気持ち満々だ、



一方のリサは、わざとやってる節がある。



一見……、



接点の見えない二人だが、付き合いは意外と長い。直道の父進作しんさくが、柔術の道場をやってる関係で、リサの父カール・コールウエインは参謀官と出会い、また柔術を通じ交流があった、二人が知り合ったのも。その頃である。

カールと進作は好敵手と言う奴で、暇を見付けては、道場で手合わせしていた。リサが直道に。好意を抱いたのは……、ある事件がきっかけである。当時ワイドショーで取り上げられた事件が発端となり。



誘拐事件━━が、白昼行われた。


しかし事件が、表に出ることはなかった……。


直道とリサが、今と同じように。登校、帰宅中と違いはあるが……、直道の目の前で。リサが誘拐された。そのリサを助けたのが━━、直道だった。



リサを、有無を言わせず。無理矢理━━黒塗りのバンに乗せ。誘拐したのは、婦女暴行事件を起こし。謹慎処分を受けてた、海軍特殊部隊。シールの新兵三人達で……、

ワイドショーに取り上げられた。事件である。厳罰に処すると名言した、カール参謀官を……、逆恨みしての犯行として、娘を誘拐する暴挙に出た、



直道は、錆びて放置されてた、ママチャリを使って、猛然とバンの追跡を開始した、どんなにバンのスピードを上げ。早く走り抜けようと。ナビに無い抜け道を使おうと、とうとう犯人達の方が、痺れを切らして。工事現場の中にバンを入れ。直道を向かい打つことにした。



それからの出来事は、まるで魔法のようで、鮮明にリサは脳裏に焼き付ける。誘拐を目論んだ。三人の男達は、新兵とは言え。訓練を積んだシールである。それほどの精鋭を、直道は子供扱いしていた……、それは信じられない出来事で、三人が何度殴り掛かられても。直道はのらりくらりかわして、軽く手を添えるだけで。投げ飛ばす。父と直道の父の手合わせを見ていたから分かる。柔術の動きとは違う、



徐々に……三人の顔から余裕が消え。どす黒い怒りから。ついにナイフや銃を手にした、

「ミッチー!!」

青ざめるリサ、スゲー嫌そうな顔を向けて、こんな時でも。

「ミッチーいうなや」

何時ものやり取りをしたが、表情が、目の鋭さが何時もと違う……、鋭い眼差しに、ドキリ胸が高鳴っていた。

「お前ら……、謝るんなら今のうちだぜ?」

「ジャブが……」

怒りのあまり。我を忘れ、銃を手にした黒人が、リサを目指し走り出した瞬間。眼差しを受けた二人が、ナイフ手に、直道に斬りかかる。最悪リサを人質にすれば。目の前の生意気な日本人を、ボコボコにしてやればよい。



一方………。


婦女暴行の主犯だった黒人は、美しいカール参謀官の娘を、恐怖に震える女として見て、下半身を固くしていた。

「ざけんな……、せっかく、本気出さなかったのによ!」

日本語の分からぬ三人には、意味が分からないが、リサはえっ?と思った、直道はレスリングの。クラウチングのように構えた。男達は訓練された兵士である。当然レスリング、格闘技の訓練もなされた。男は当然。タックルが来るはずだと踏んで、余裕の笑みを浮かべ、腰を落とした瞬間だ。

直道は、地面に手を着いた瞬間。警戒していた筈だった男の意表を付いた、


男の予想よりも更に低い位置。まるで地面を這うような、低い体制で、一気に飛び出してきたから。ナイフを突つ間もなく。

牙山がざん

相撲のぶちかまし。そう呼ばれる立ち会いの。左手でナイフを払いのけ、立ち上がる勢いのまま。身体を捻り上げるような。強烈なぶちかましそれも抉るような肘技を、胸元から顎を削り取る一撃。織田流合戦術。立ち会い技。甲冑透し(かっちゅうとおし)牙山である。



合戦の場では、胴鎧を身に付ける兵が多く、骨の中でも。硬い肘わ効果的に、なおかつ鎧を身に付けた状態で、最小限の動き、一対一の状況なら。日吉に敵うもの無し。そう言わしめた。実技である。

グシャ……、

「あぶし………」

顎が砕け、後ろから回し込もうとしてた、もう一人を巻き込み。二人は絡み付くよう……盛大に倒れていた。主犯の黒人は、ギョッと立ち竦む。

「離しなさいよ!」

腕を掴んだまま。惚けてたその隙に。渾身のビンタを見舞い。たたらを踏んで、我に返った黒人は、羞恥と怒りのあまり。 「キルユー!」

拳銃を構え。直道を探し、見付けるや、

ポスポスポスポス、やたら軽く乾いた音が、四度鳴り響いた。

「その程度で、殺られるかよ!」織田流合戦術。その技は火縄、弓、刀、鎗技に通じ。現代でナイフ、拳銃に対しての技が、増やされていた、構えた銃口の位置、それにより発射前に。斜線が予測出来た、

みるみる間に迫り、銃弾すら避ける直道に、恐怖を覚え。やたらめったらに撃ち続け。

「カチャカチャ、カチャカチャ」

トリガーをいくら引こうと、弾を撃ちつくしては、小さな鈍器でしかない。咄嗟に拳銃の台座で、直道を向かい打ったが、ひらり、ひらりかわし。足を縺れさせ。上体がぶれた瞬間、一気にぶつかり気味に迫る。


その瞬間━━にやり不気味に笑うや。背に隠してたナイフを抜いて、身体を回転させるように。切りつけて来た。



寸での所で、直道が踏みとどまることで。前髪を数本切っただけで済んだ。

「チッ。運のいいやつだ」

チラリ黒人が見たのは、無事なもう一人が、起き上がる気配があった、ニヤニヤ嫌らしく笑う。直道は内心。笑みを浮かべていた、この位置こそ。織田流合戦術。絶技の間合いだからである。


愚かにも絶対的な間合いに。入り込んでるとは、考えもせず。余裕すら取り戻した黒人は、直道を平眼して、寝眼つける。


何時の間にか腰を少し落とし。短い歩幅。半歩前に着く瞬間、「鉄砲撃ち」

囁くように呟きが漏れた……、挙動ゼロ。空手の奥義に、無拍子むびょうしそう呼ばれる技がある。人間は極限まで集中すれば、視野が狭くなり。集中するあまり。通常の動き外からの攻撃や、緩やか過ぎて、見落とすと言う弱点があるのだ、


それは……。実戦を想定した訓練を積んだ者なら、変化することを考えもしない。虚と実の瞬き。それこそが乙女流の奥義とされる。緩やかに舞うような動きで、何時の間にか、黒人の胸。左手の甲が、心臓の上に優しく添えられていた、

「なっ……」

パン!、

お互いの手のひらを、打ち合わせることで、鉄砲を撃ったような、高い音が響いた、



……ズルズル。ドスンと緩に顔から落ちた黒人は。泡を吹いて、痙攣していた、あまりの出来事に、さっと血の気を引かせ。手を凝視したが、拳銃、武器の類いはなかった、

「でっ、デーモン……」ゴクリ直道の迫力に、気圧され。後ろを見ることなく、逃げたした。安堵の吐息を吐いた直道に。

「ミッチー!!」

どーん体当たりするように。抱き着くリサ。

「ミッチーいうな……」

「怖かったよ……、ウワ~ン」

わんわん泣き出す始末……、無下にする訳にもいかず。カール参謀官の部下が、助けに来るまで、なすすべなく。途方に暮れた直道だった。


『鉄砲打ち』相撲でも柱に向かって、相手を押し込む技であるが、元来相撲にそんな技はなかった、大陸から来ていた商人の護衛が、使った拳法に、凄まじい威力の掌打撃を放つ達人がいた。日吉は一度対戦した拳法家に感銘を受け。相撲に取り入れたのが、後に喉輪。鉄砲等の技で知られるようになるが、織田流合戦術において、鉄砲打ちは絶技にあたる。当たれば相手の命すら奪う。それほどの技だからだ、



それからと言うのも……、何故かリサの父から、やたら気に入られ。毎日のように、リサの家にお呼ばれする。日々が続いていた、強面のせいで誤解されがちだが、直道は服飾関係の学校に通う。デザイナー志望で、着ている制服は勿論。リサの持ってる小物全て、直道手作りと言う。可愛いもの好きな、一面があったりする。内緒だけど、


エピローグ



直道が何時ものように。お姉さん達から、からかわれつつ。茶道の部活が終わって、仕方ない気持ちながら、リサの家に向かう、直道は人に頼まれると、嫌とは言えない。見た目とはとことん違う。男気溢れた少年である。

直道がどうして異世界に来たのか、話が進む内に少しずつ。分かることでしょう。背徳の魔王でした。

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