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未知のひと



長年の友だちに言われて

少し驚いた


僕は「未知」なんだそうだ


うまく自分を隠し

軽やかに身をかわし


面倒事と関わらず

世の中を生きていると


別にそんなことないのに



ただ

確かに僕は

語るのがうまくない


できれば

ずっと聞いていたい


話すことなんかないんだ


自慢話はみにくくて

愚痴を言っても仕方ない

報告できる成果はないし

あっても僕は覚えていない


僕が一々感動してる

街で見かけた女の子のかわいさや

偶然そろった数字の羅列なんかは


話してしまえば些細なことで

僕はそうして壊してしまうのが嫌で

口をつぐむ



そんな僕を

ああだこうだと

目の前で

推論してゆく仲間たち


きっと自分を知らないからだ

いや隠してるだけだ

こういう奴なんだ

それはそうだけど



他人事のように

議論に参加しながら


僕はまた

些細なことを

しまいこむ




――


言ってしまえば消える多くのもの。


きちんと説明しようとすればまた言葉が多くなり、自分で感じたことからも遠ざかってしまう。


もちろん、努力もせずに口をつぐむ今の現状は、決して良しとするべきではないものなのですが。






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