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落ちてゆく
冷たい自分がいる
どこか
深いところ
静かなところ
何の声も届かない
広く 何もなく
冷たい水に囲まれて
明るくはなく
暗くもなく
ただ頭上からくる
源のない
青い光が
目に映る
水面は遠い
底は見えない
だけどどうやら
沈んでいるらしい
呼吸もせずに
さらに深く
もっと深く
暗い場所へ
冷たい場所へ
ゆっくりと
落ちてゆく
あらゆるものを
後に残して
昔
どこかで読んだ
シロナガスクジラの話
彼らは
その命の終わりに
暗い深海の底へ
遠い群青の中へ
静かに
沈んでゆくらしい
静けさの中
僕は
僕の中に
目を凝らす
落ち着きか
諦めか
抗いもせず
僕は
遠くの光を
見つめながら
落ちてゆく
ゆらゆらと揺れる波が
やたら綺麗で
でも
何故か
遠く遠く
暗くなってゆく
真下の
闇に
青に
心が
引き付けられて
なすすべもなく
落ちてゆく
―
国立科学博物館で開催されていた「深海展」を見に行き、何となくこのイメージを抱きました。
例え波の上に嵐が来ていようとも、真っ青に静まり返っている海中。
その静寂の中を、ゆっくり降りてゆくような。
暗い印象になってしまったような気もするのですが、多分、ものすごく綺麗なんじゃないかと思います。




