ゆっくり、二人で
夕暮れ迫る光の中を
学生が二人
やけにゆっくり
やけにじっくり
教科書の重さより
相手への思いが
気遣いが
足にまとわりついている
なるべく一緒にいたいから
なるべく大事にしたいから
じっくり
ゆっくり
君たちだって
立ち止まってはいないけど
みんな
早送りで進んでいって
君たちはただ
取り残される
世界の全部が
君たちを
置いてゆく
あくまでも「多分」だけれど
多分
もしここで
どちらかが欠けたなら
二人が一人になったなら
その足の重たさは
たやすく
失われるだろう
置いてゆかれるのが不安で
相手がそこにいるような気がして
がむしゃらに走り出すんだろう
教科書を手放して
身体が急に軽くなって
心が空を飛んでゆく
遠く
遠くへ
ぐんぐん
ぐんぐん
離れていく二人
がむしゃらに
一人に向かう
姿が二つ
誰もそんな未来は望まない
だけどいつも
結末はそんなもので
せめて
せめて君たちは
通り過ぎる君たちには――
叶ってもどうなるわけでもないけれど
こんな些細な「お願い」が
二人の周りを敷き詰めて
いつまでもいつまでも
続く幸せが
二人に
君たちに
ありますように
――
誰かと歩くとき、不思議と足取りが緩んでしまいます。
別にカップルに限らず。
最近見たのは男子中学生の二人組。
そのうち後ろ向きに進み始めるんじゃないかと思うほどにゆっくり歩いていました。
なんか、そういうころもあったなぁ、と思いつつ。




