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リュックサック
いつも背にかついで持ち歩いていた
大きなリュックがなくなった
いつものごとく飲みすぎて
あげくなくしたという馬鹿な話
そして僕は同時に
色んなものをなくした
プライドとか信用とか
そんな話ではなくて
万年筆やノートや参考書
それにファイルやらペンケースやらを
あんなものに価値なんてないけど
僕はすべてを奪われた
そんな気になった
それに
自分の間抜けさや
不注意はもちろん
あんなものに
それほどまでに
頼っていた情けなさが
もう
うんざりで
僕は――
思えばあれが拠り所
支えだったのかもしれない
僕が唯一明日に
未来に向けて積み上げてゆく現実
生きてゆく許可を求めるものだった
僕は多分
色んなものを持っている
人がうらやむものも幾つかは
あるかもしれない
しかし僕には
現実がない
その切れ端が
あの
古いリュックに
入っていたとしても――
そういえば
あんなものでも
背負っていれば温かいらしく
なくした今になって
冷たい風が
背に染みる
―
死ぬほど久々の更新。
大丈夫、生きてます。
……一応。




