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追放されたけど、実は世界最強でした ―今さら戻れと言われても遅い! 盛大ざまぁ返し  作者: 黒羽レイ
第1章 偽りの追放、真なる覚醒

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第7話「旅立ちの朝、そして王国の追手」


朝の光が、ルシェ村の屋根を照らし始める頃。


俺とエルフィリアは、村人たちに見送られていた。


「リオ、エルフィリア様……どうかお気をつけて!」


「魔物が増えてるから、気をつけるんじゃぞ」


「お弁当持ってきたよ! 食べてね!」


村人たちの温かさに、胸がじんわりする。


エルフィリアも深々と頭を下げた。


「みんな……ありがとう。

 みんな優しくしてくれて……わたし、忘れない」


(うん……この子、本当にいい子だな……)


旅路は危険だが、

少なくともエルフィリアの気持ちは強くなっていた。


◆◇


村を出て、森の入り口に差し掛かったとき。


エルフィリアがそっと俺の袖をつまんだ。


(また袖か……まあ、いつも通りだな)


「ねえリオ。

 本当に……一緒に来てくれるの?」


「当たり前だろ。言っただろ、精霊族を助けるって」


エルフィリアは、安心したように微笑んだ。


「うん……ありがとう」


(その笑顔ずるくない!? 精霊補正ありすぎじゃない!?)


俺はそんな混乱を胸にしまい、足を進めた。


世界樹の森を抜け、

精霊王国“エルダリア”へ向かう旅が始まった。


◆◇


――だが。


王都では、まったく別の光景が広がっていた。


王城・作戦室。


国王直属の第一騎士団長、“鋼のライオネル”が

緊急通達を読み上げていた。


「……よって、精霊王国の第三王女エルフィリア殿下を

 保護次第、すみやかに王城へ連れ帰ることを命ずる。

 抵抗があれば……処置は問わぬ」


作戦室内にどよめきが走る。


ある騎士が声を上げた。


「団長、抵抗があれば“処置は問わぬ”とは……

 相当、深刻な状況なのでは?」


ライオネルは眉をひそめた。


「裏が取れていないが……

 どうやら精霊王国全体が“沈黙状態”に陥っているらしい。

 魔物の暴走もそのせいだ」


別の騎士が地図を指さす。


「ですが、行方不明の王女は、

 世界樹の森の方へ逃げた可能性があります」


ライオネルは即座に判断した。


「よし、第一部隊を世界樹の森へ向かわせる。

 姫の保護が最優先だ。

 危険な者が同行している場合は拘束せよ」


――危険な者。


その言葉に、作戦室が静まり返った。


やがて、魔道士から報告書が渡される。


「団長、噂の件ですが……

 “世界樹の力を使い、村を救った青年”の情報がありました」


「青年……?」


「はい。名は不明ですが、黒髪の少年。

 剣を持ち、緑の光を纏っていたと……」


ライオネルの目が鋭く光った。


「……精霊姫と行動している可能性があるな」


そしてもう一つ。


魔道士が言いにくそうに呟いた。


「……その少年。

 “勇者パーティから追放された無能”という噂がありまして……」


騎士たちがざわめく。


あの勇者パーティにそんな者が?


「しかし……実際は魔物を一撃で粉砕したとか……」


ライオネルは決断した。


「その少年も含めて保護対象だ。

 だが、反抗するならば――」


沈黙。


そして。


「拘束……もしくは排除せよ」


◆◇


旅を進める俺とエルフィリア。


俺はふと空気の違和感を感じた。


(……なんか、空気がぴりついてる?)


魔物の気配が前より濃くなっている。


エルフィリアも同じく眉をひそめている。


「黒い霧……また広がってる。

 “虚魔紋章”のせいだと思う」


「やっぱり原因はあの紋章なんだな……」


彼女の国に近づいている証拠でもある。


その時――


ピシッ。


遠くで、枝が折れる音。


俺は即座に立ち止まった。


「……誰だ?」


木陰から、足音が聞こえた。


剣を握りしめる。


エルフィリアの手が、震えながら俺の背中に触れた。


「リオ……」


やがて、木の影から数人の男たちが現れた。


全員が、黒金の鎧を着ている。


あれは――


「……王国騎士団?」


騎士たちは俺とエルフィリアを確認すると、

一斉に剣を抜いた。


「黒髪の少年、そして銀髪の少女……

 お前たちだな? 精霊姫エルフィリア殿下」


「……っ!」


エルフィリアが俺の袖を掴む。


騎士団長の副官らしき男が、冷たく言い放つ。


「姫を保護する。

 そして――お前」


鋭い視線が俺に向けられた。


「お前は同行者として拘束させてもらう」


「は……?」


「抵抗すれば……斬る」


エルフィリアが叫んだ。


「やめて!! リオは敵じゃない!!

 わたしを救ってくれたの!!」


だが騎士は冷酷だった。


「姫の証言は後ほど伺う。

 今は“命令”が優先だ」


剣がこちらに向けられる。


(……マジかよ。

 助けた側が、どうして拘束されるんだ)


エリュシオンが静かに囁いた。


『主。これは“運命の衝突”です。

 避けられませんよ』


(なんでそんなテンションなんだよお前……!)


剣を構え、

俺は騎士たちと向き合った。


「……悪いけど、拘束されるわけにはいかないんだよ」


「なら仕方ない――行くぞ!!」


緊張が弾けた。


森に、金属のぶつかる音がこだました。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をいただけると励みになります。


これからもどうぞよろしくお願いします!

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