表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放されたけど、実は世界最強でした ―今さら戻れと言われても遅い! 盛大ざまぁ返し  作者: 黒羽レイ
第1章 偽りの追放、真なる覚醒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/32

第1話「追放された少年、世界樹に選ばれる」


「リオ。お前をパーティから追放する。」


その言葉は、あまりにも唐突だった。


王城の訓練場で、勇者カインは剣を肩に担ぎながら、あたかもゴミを捨てるかのような軽さで告げた。


「……え? なんで、俺が?」


「はっ? 逆に聞きたいんだけど。なんで自分が役に立ってると思ってんの?」


隣で魔法使いのアイナが鼻で笑う。


「リオくん、あなた攻撃も回復もできないでしょ? むしろ足手まといっていうか~」


僧侶のラミアまでもが、残念そうな顔を作って言う。


「ごめんなさいね……でも、勇者パーティには“華”が必要なのよ?」


「……俺、観賞用で入ってたの?」


「そこは気にするところじゃない!」


最後はなぜか全員で怒鳴られた。


もう訳が分からない。


けれど、決定は覆らなかった。


◆◇


こうして俺は、勇者パーティから追放された。


城門を出た帰り道、少しだけ胸がチクッとする。


(……俺って、なんだったんだろうな)


でも、不思議と涙は出ない。


むしろ――

肩の荷が下りたような爽快感すらあった。


「まあいいや……どこかで静かに暮らそ」


そう思いながら、適当に森を歩き続けていると。


風が止まった。


森のざわめきが、ぴたりと止まる。


「……え?」


次の瞬間、森全体がうっすらと光を帯びた。


木々の間に“細い一筋の光”が伸びている。


吸い込まれるように歩いていくと――


そこは、ぽっかりと空いた大きな空洞だった。


中央の石台に、“一本の剣”が刺さっている。


柄には、世界樹の紋章。


(なんか……すっごい、選ばれし者っぽい剣がある。)


近づいた瞬間、剣が淡く脈打った。


「うわ、なんか起動した!」


『ようやく来ましたね……』


どこからともなく、柔らかな声が響く。


『ずっと、あなたを待っていました。

 “我が主”となる者よ』


「……え、俺?」


『そうです、あなたです。名前はリオですね?』


「名乗ってないんだけど!?」


『知っていますよ。あなたのことはすべて。

 私は“真聖剣エリュシオン”。

 本来、勇者に選ばれるはずだった存在です』


「勇者……あ、カインの?」


『いえ。あなたの、です』


「…………は?」


『あなた以外に誰がいますか?』


気づけば、剣はひとりでに抜けて――

光の尾を引きながら、俺の手へ飛び込んできた。


同時に、身体の内側で“何か”が爆発するような感覚が走る。


(うおおお!?)


光が全身を駆け巡り、俺は思わず叫んだ。


『これであなたは、“世界最強の素質”を解放しました』


「ちょ、ちょっと待って! 一体何が――!」


『追放されたのは、運命。

 ここからがあなたの物語です、リオ』


光がゆっくりと収まり、呼吸が戻る。


握った剣は、温かかった。


信じられないが――

胸の奥から、不思議な力が湧いてくる。


「……なんだ、これ。すごい……」


『大丈夫。あなたは選ばれし者なのですから』


俺の人生の歯車が、音を立てて動き始めた瞬間だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ