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sw〇tch2に落選して落ち込んでいたら彼女ができそうな件

作者: にっしー

処女作です。sw〇tch2が当たった喜びで書きました。

「あー、くそっ!」

 スマホのメール画面を見て落胆の声を上げる。

 原因は任〇堂からの落選メールだ。

 2週間後に発売が開始されるsw〇tch2は世間のみんながこぞって手に入れようとしたため予約すらも抽選になっているのだ。


「今回のが発売日に手に入れるラストチャンスだったのになぁ」


 俺、中町優成(なかまちゆうせい)はゲーム廃人というほどではないが、かなりのゲーマーだと自負している。

 特に任〇堂ゲームについては幼稚園から高校生になるまで遊び倒してきている。

 当然、今回新発売の製品についても8年ぶりの新作ハードということもあり、

 非常に楽しみにしていたのだ。


 手に持っていたスマホを枕の上に放り投げた。

 そのままベッドでうつぶせになり、落ち込んでいると、ガチャとドアの開く音がした。


「昼寝してるなんて珍しいじゃん」

 ノックもせずに入ってきたのは、幼稚園からの幼馴染である平田由里(ひらたゆり)。家が隣であり、親同士も仲がいいためしょっちゅう家に入り浸っている。なんなら部屋も真向いであり、建築法を無視した近さをしているため、お互い一人部屋をもらってからは窓越しに話すことも多い。


「今は相手する気力もない」

 いつもならノックせずに入ってきたことに対し、苦情の一つもいれるところだが、

 落選メールを受け取った今の状態ではこいつのハイテンションについていける気がしない


「いつもに増して陰気臭いねー、なにがあったのさ」


「大きなお世話だ」


 俺が落ち込んでいるのを面白がっているのか、ニヤニヤした声で尋ねてくる。


「どうせsw〇tch2が当たらなくて落ち込んでるんでしょ」


「うるせー、そういうお前はどうなんだよ」


「残念、わたしは一足先に遊ばせてもらいますー」


「うそだろ!」


 思わず跳ね起きて由里の方をみる。

 目を引くような美貌ではないが、顔が整っており、その接しやすさからクラスの男子からも人気がある。特に、笑うとえくぼができてかわいいと評判だ。

 幼稚園から見慣れているとはいえ、笑顔を向けられるとついドキッとしてしまう。


「やっぱり日頃の行いがいいのかな、誰かさんとは違って」


「今日、おれは神様がいないことを確信したよ」


「あ、言ったな! せっかく遊ばせてやろうと思ったのに」


「余計なお世話だ。自分で当てるまで遊ぶつもりはない」

 つい強がってしまった。本当はめちゃくちゃ遊びたいのに


「ほんとぉにいいの? ゆうせいじゃいつ当たるかわからないのに」


「ああ、由里は一人で楽しく遊んでいればいいさ」


 いつもの軽口なのに、落選のショックもあってか嫌味を吐いてしまった。

 そんな自分を認めたくなくて、さらに追い打ちをかけてしまう。


「sw〇tchを俺だけが当てた時は、皮肉なんか言わず真っ先に誘ったのにな」


「ち、違っ」


「いつも遊ばないくせに、周りにつられて応募しただけだろ。そういうやつがいるから本当にほしいやつに当たらないんだろうな」


「…」

 由里が無言で部屋を駆け出して行った。


「ガキかよ、俺」

 8年前と今の関係性が違うことなんて当たり前なのに、そこをあげつらう自分に嫌気がさす。



 ◆


「ただいまー」

 高校から帰ってきたが、親は出かけているのか、家は静かだ。

 自分の部屋に行く気になれず、荷物を床においてリビングのソファで横になる。


 とうとう、今日はsw〇tch2の発売日だ。

 あの一件があってから、気まずくて由里とは話せてない。

 たまに学校や通学路で見かけるが、視線をそらしてしまう。

 自分の部屋のカーテンもあれから閉じっぱなしだ。


 思えば、中学に上がって以降、由里とケンカしたことがなかった。

 最後のケンカは小学校5年生のときで、そのときは登校班で顔を合わせた時にどちらともなく謝ったのだった。


 高校生になって自分が大人になったと思っていたが、謝罪の一つもろくにできないようでは、ガキ以下の存在だと我ながら思う。

 ただ、100%自分が悪い中でどのように話しかければいいのかわからず、避けてしまう。


 RINEで連絡を取ろうと思い、トーク画面を開くが、指が動かない。

 これだけ避けておいて何と切り出せばいいのか思い浮かばない。


 5分ほどトーク画面を睨んでいたが、RINEで謝るのは女々しいという言い訳のもとスマホをテーブルの上に置く。


 そのまま、何かをする気にもなれず、サブスク配信されているアニメをぼーっと眺める。


 ガチャと玄関のドアが開く音がする。

「ただいまー」

 母親が帰ってきたみたいだ。


「平田さんの親御さんが海外旅行行ったみたいで、お土産のお裾分けをもらってきたわ」


 母親がもらってきたと思しきお菓子を片付けながら話しかけてくる。

「あら、あんた部屋に荷物も置かずなにしてたの」


「別に、なんとなく」

 本当は、自分の部屋に居ると、由里が部屋を駆け出したときの顔を思い出してしまいそうだからだ。


「いつもはすぐに自分の部屋に行くのにね、今日の由里ちゃんとは反対ね」


「由里と?」


「由里ちゃん、いつもはリビングにいるのに、今日は珍しく部屋にこもっていたの。平田さんが3人で話そうと声をかけたんだけど、気分じゃなかったみたい」


「sw〇tch2の発売日だから遊びたかったんじゃないの」


「平田さんと話したけど、由里ちゃんせっかく当選したけどあんまり嬉しくなさそうなんだって。当選メールが来たときはすごい喜んでいたんだけど、それからそのことについて話しかけると、ぎこちないんだってさ」


「ふーん、まあいざ当たってみたらそんなにゲームしてないことに気づいたんじゃない」


「あら、当選したときは、これで優成といっぱい遊べるって言ってたみたいよ」


「そうなんだ」

 なんとか平静を保って相槌をうったが、居てもらってもいられなくなった。


「アニメも見終わったし、そろそろ部屋に戻るか」

 言い訳のようにつぶやいて、テレビを消し、自分の部屋に戻る。


 荷物を机の横に引っ掛けると、大きく深呼吸をする。


 ベッドの上に乗り、ここ数週間締めっぱなしだったカーテンを開ける。

 向かいのカーテンは開いており、それがより一層情けなさを感じさせる。


 由里は、窓に背を向けてベッドに座っており、こちらの様子に気づいていないようだ。


 今度は唾をのみこんだあと、窓を開け、向かいの窓をノックする。


 コンコン


 びっくりさせたようで、由里が大きく肩をふるわせた後、振り返る。

 こちらを見た後、飛びつくように窓を開ける。


 由里が何かを言おうと口を開きかける。

「ごめん!」

 由里の口が閉じた後、もう一度口を開く。


「本当だよぉ」

 湿った声がとどき、胸が締め付けられる。


「俺がガキだった。いつもの軽口だったのに、むしゃくしゃして嫌なこと言った」


「私もゆうせいが落ち込んでいたのに意地悪言っちゃった」


「それでも誘おうとしてくれてたんだろ。俺がそれをはねのけただけで」


「ゆうせいがどれだけ楽しみにしていたのか知っていたのに…」


「由里はなにも悪くない。あのときに戻れたら自分をぶん殴ってやるよ」


 由里が泣き笑いしながら返してくる

「思いっきりお願いね」


「あのとき、あんな強がりを言ったけど、由里と一緒にsw〇tch2がしたい。ひどいことを言って、謝る勇気もない意気地なしだけど、由里とじゃないと楽しめないんだ」

 勢いに任せてすごいことを口走った気がするが、その言葉を聞いた由里が声をあげて泣き始めたことでうやむやになった。



 ◆



 泣き続ける由里を何とかなだめて、家を飛び出し由里の部屋の前に来た。

 家を出るときも家に入るときも、お互いの母親に生暖かい目で見られたが今更だと割り切った。


 今度はすんなりと腕がうごく。

 コンコン

 ガチャ


 待ち構えていたかのようにドアが開けられる。


「遅い!」


「誰かさんが泣き止むのがもっと早ければなあ」


「「フフッ」」

 いつも通りの軽口が心地よく、思わず顔を見合わせて笑う。


「あーあ、せっかく当選したのに、楽しくない2週間だったなあ」

 由里がわざとらしく口を尖らせると、ずいっと体を寄せてくる

「だから、これから楽しませてくれないとゆるさないんだから」


「へいへい、楽しませて差し上げますよ」


「これから放課後は毎日私の部屋に集合ね」


「俺がsw〇tch2当てたらお互いの部屋から通信プレイできるだろ」


「一生当たらなければいいのに」


「うるせー、次は絶対に当ててやるからな」


「(ばかっ)」


 心なしか顔が赤くなっている由里に首を傾げつつゲームを始めるのだった。

最初は、彼女になるところまで書いたのですが、読み直してみるとさすがに無理のある展開になっていたので書き直しました。

sw〇tch2あげるのでこんな幼なじみが欲しなと思うこのごろ。

いろいろと拙い点が多いと思うので、些細なことでもいいので指摘がほしいです!

なんなら指摘とかでもなく感想がめちゃくちゃほしいです。あと星も!

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