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レオとお姉ちゃん

 僕の会いたい人はお姉ちゃんなんだ。

 歳の離れたお姉ちゃんでね、……え? いくつ離れてるのか? 九歳上のお姉ちゃんだよ。

 ふふ、そうだね。僕とアリスくらい離れてるね。


 お姉ちゃんは忙しい両親に代わってよく僕の面倒を見てくれたんだ。

 うん。本当に優しいお姉ちゃんなんだよ。


 遠出することになった時にこうやって一緒に馬に乗せてもらったことがあってね。

 だから、さっきはそれを思い出して懐かしくなっちゃった。


 そうだね。本当に大切な思い出だね。

 ……え? もっと色んな話かい?


 そうだな……。

 九歳も離れてると、お姉ちゃんが大人になっても僕はまだまだ子どもなんだよ。

 だからお姉ちゃんが結婚して家を出ることになった時は大泣きしたんだ。

 ははっ。想像できないかい?

 本当に寂しかったんだ。


 でもね、ちゃんと心からおめでとうって思ったし、お祝いもきちんとしたんだ。

 お姉ちゃんの幸せが一番だからね。

 だって、旦那さんになる人と一緒にいるお姉ちゃんは本当にキラキラして見えたんだ。


 だけどそのあと、お姉ちゃんが旦那さんと一緒に暮らし始めてから気づいたんだよ。

 今までずっとお姉ちゃんが一緒に居てくれたから気づかなかったけど、僕はそれまで家で一人で過ごしたことがなかったんだ。

 だからあんなに一人の時間が寂しいものだなんて思わなかった。


 そうか……アリスはもうその年齢で一人で留守番しているのか。

 すごいね。

 ……うん。そうだよね。とても寂しいよね。


 それで、お姉ちゃんとはたまに手紙のやりとりをしていたんだけど。

 ある時、病気でもう長くはないっていう手紙が来たんだ。

 すぐ、会いに行けば良かったんだけど、学校がもう少しで休みに入るから、そうなってから会いに行こうと思って返事を出したんだ。

 お姉ちゃんが結婚してすぐの頃、一度だけ遊びに行ったことがあるんだよ。

 だから場所も分かってるし、僕の住んでいるところからそんなに遠くないからすぐ会えると思ってたんだ。

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