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本を生きる

作者: 姫野舞

初めまして、姫野舞です。

色々あって、数年前に書いて眠っていた作品を投稿しました。


 何回だって僕たちは


 冷静になれ、俺。


 俺の名前は星野智ほしのさとし。本が好きな多分ごく普通の高校生だ。


 なんで俺はこんな世界に来てしまったのだろう。


 俺がこうなった理由はなんだっけ?


 と言うかこの格好はなんだ?


 王子様...?かな?


 それにしてはお城ではなく、普通の高校の気がするのだが?


「お〜い!!雅人まさと」


 制服を着た高校生らしい男の子が、走りながら探していた。


 雅人さん男の子に呼ばれてますよ。


 出てきてあげて。


「雅人どこにいたんだよ?」


「俺は智なんだが、人違いではないのですか?」


「何言ってるんだよ!お前は中々に重要な役なんだぞ。逃げないでくれよ」


「嫌だ。俺はやりたくないから、というかここは?」


 すると眩い光が俺を覆った。


 またさっきと同じ場所に来てしまった。


 何故だ……俺はさっきまで男と話していたのだが。


「お〜い!!雅人」


 さっきも呼ばれてなかったか?


「雅人どこにいたんだよ?」


 これさっきもやった気がするのだが。


 さっきと同じように返してみようか。


「俺は智なんだが、人違いではないのですか?」


「何言ってるんだよ!お前は中々に重要な役なんだぞ。逃げないでくれよ」


 さっきもこの質問されたな同じように返してみようか。


「嫌だ。俺はやりたくないから、というかここは?」


 すると眩い光が俺に覆った。


 まただ。


 同じ場所へと戻ってきた。


(以下略)


「何言ってるんだよ!お前は中々に重要な役なんだぞ。逃げないでくれよ」


 さっきは嫌だって言ってまた同じとこに戻ってるから今回は違うことを言ってみよう。


「しょうがないな。いいよ」


「しょうがないじゃないの!絶対行かなくちゃ行けないの」


 きっと、相手が望む言葉を言わないとまた振り出しに戻るようだな。


 そして俺は無理矢理、体育館へと連れていかれた。


「遅かったじゃない」


 汚いドレス姿の女が言った。


「それよりちょっと来て」


 そう言うと外へ出るように促される。


「君、ほんとに物語進めるの下手ね。」


「お前は誰なんだ?」


 ため息をついて彼女は言った。


「まぁメイクしてるからしょうがないわね。この顔に見覚えない?」


 そう言うと、ポケットから携帯を出して俺に見せてきた。


 この顔?俺の隣の席でまぁまぁ可愛いって有名な宮島みやじまだ!!


「あっ!?思い出した。宮島が俺の前で本落としたから拾ったらここに来たんだ」


「そう正解よ、私は今回で2回目よ」


「2回目ってどうゆうことだ?」


「前にもこんなことがあったの」


 話を聞くとどうやらこんなことが前にもあり、ここから抜け出すためには本の物語通りに話を進めなければいけないらしい。


「わかりましたか?」


「分かったけどセリフはどうすればいいんだ?俺はその本の内容知らないし」


「セリフは似てたらおっけーよ」


 そんな可愛く言わなくても……


 というか、曖昧なのかこの世界は……


「分かったけど、今から何をするんだ?」


「シンデレラよ」


 シンデレラなら、見たことあるし、余裕だろう。


 そうして俺達が出演するシンデレラが開催された。


 こんな空想の世界でもお客さんいっぱいだった。


「俺、こうゆうのしたことないから凄い緊張するんだけど」


 俺の手は汗でいっぱいだった。


「大丈夫よ、それよりセリフ覚えたの?」


「あぁ、一応な、お前はいけるのか?」


「大丈夫よ、私短期暗記型だから」


 そんなに威張れることではないのだが、今回は凄い役にたつな。


 舞台が暗くなると、ナレーションが始まり、物語が始まる。


「昔々、シンデレラ``灰かぶり`と呼ばれている美しく心の優しい娘がいました。本当は貴族の娘なのですが、意地悪な継母とその連れ子である二人の義理の姉にその美しさを妬まれ、まるで召使のように扱われていました。ある時、この国の王子様が舞踏会を催すことになり、二人の義理の姉は着飾って出かけました。」


「お城の舞踏会…。この言葉を聞いただけで、心は躍り始めます。あぁ、憧れの王子様と一緒に踊ることができたなら、どんなに幸せかしら…」


 さすが、短期暗記型って言うことはある。


 しっかりと、セリフは覚えているし、何より演技も上手い。


「誰もいなくなった屋敷から出て、庭から見える天まで高くそびえる城を眺めながら、シンデレラは泣きました。」


「幸せは平等に与えられるものではないのですか…?」


「シンデレラも行きたかったのですが、もちろん連れて行ってもらえません。一人になると、悲しくなったシンデレラは泣き出してしまいました」


「おや、可愛い顔が台無しじゃないか。泣くのはお止し、シンデレラ?」


 あれってもしかして?西野にしのじゃないのか?


「あなたは誰??」


「私かい?私はね、妖精だよ。シンデレラ、お前を救いに来たのさ。」


「私を…?」


「そうさ。シンデレラ、お前の夢を叶えてやろう」


西野は理解しているように、ミス無く話をすすめていく。


「そう言うと、妖精は呪文を唱えながら、庭に生えていたかぼちゃをみるみる内に馬車へと変え、野鼠や犬を、御者と馬に変えました」


「さぁ、シンデレラ。立つんだよ。お前にいいものをやるから」


「シンデレラは目の前で起こったことが信じられずにいましたが、言われるままに立って、妖精の前に立ちました」


「さぁ、いくよ」


 そうして妖精は呪文を唱えた。


「はぁ!」


 まただ。


 同じ場所へと戻ってきた。


(以下略)


「おい!お前どこふらついてたんだよ?」


「そんなことより、妖精はいるか?」


 すると妖精がこっちにやってきた。


 よく見ると同じクラスでテニス部の西野杏奈にしのあんなだった。


「ん?どうしたの?」


「呪文唱えるときにはっ!とか言うなよ!!」


「いや、出てこなくて...」


 西野は驚いた表情をした。


「もしかしてあなたも?」


「そうだ」


(以下略)


 そうして妖精は呪文を唱えた。


「ビビデバビデブー」


「するとシンデレラの体は光に包まれ、美しい青いドレスを身にまとい、足にはこれはまた美しい、ガラスの靴がはまっていたのです」


「いいかい、シンデレラ。この魔法は、真夜中の12時ぴったりで切れるからね。それまでには家へ帰ってくるんだよ。わかったかい?」


「わかりました!本当にありがとう!」


「こうしてシンデレラはかぼちゃの馬車に乗り、お城へと向かっていきました」


 一旦幕が降りた。


 次は俺が登場するシーンがある。


 やっぱり緊張するな。


 そんなことを考えていると、幕が上がった。


「シンデレラはいよいよ舞踏会が行われている会場へと着きました」


「ちょうどその頃王子様は自分の花嫁を探している所でした」


「あぁ、つまらない。なんだこの女達はもっと僕はロマンティストな恋がしたいのだが」


「王子が挨拶をおえ、ふと顔をあげるとそこには...なんとそのには美しい娘が立っていました。」


「なんだあの美しい乙女はこの子こそが、自分の花嫁になるべく現れた子だ」


 そうして、俺はシンデレラの方へ走り出す。


 走り出す時に、小道具に躓いて派手にコケてしまった。


 会場からは大爆笑されながら、眩い光が俺に覆った。


「ねぇ、星野」


 会場に着くと、宮島が笑いながら俺を呼んだ。


「なんだよ?」


「すっごい、面白かった」


宮島は、腹を抱えて笑っていた。


(以下略)


「なんだあの美しい乙女はこの子こそが、自分の花嫁になるべく現れた子だ」


 そうして、俺はシンデレラの方へ走り出す。


 今回は小道具に注意しながら走る。


「僕と一緒に踊ってくれませんか」


「えぇもちろん」


「そうしてシンデレラは楽しい時間を過ごしていました。しかしもうすぐ12時だと言うことをシンデレラは気づきました」


「大変だわ」


「どうしたの?」


「12時よ」


「それがどうかしたの?」


「さようなら」


「少し待って、そんなに急がなくてもいいだろ」


「ダメなの行かなくてはならないのさようなら」


「そうしてシンデレラは急いでその場から離れました」


「ちょっと待ってくれ、君の名は?」


「みつは」


 すると眩い光が俺に覆った。


 まただ。


 同じ場所へと戻ってきた。


(以下略)


「なぁ!宮島ちょっと表出ろ!」


「表出ろってどうゆうこと?」


「なんであの場面で名前言うかな?」


「なんであの場面で君の名は?なの?頭おかしいの?もう1回台本読み直したら?」


(以下略)


「ちょっと待ってくれ、君の名前は?」


「その声はシンデレラには届かず馬車は行ってしまいました」


「ごめんなさいね。私ったら何もかも忘れていたのね時間のことさえも、でも楽しかった」


「シンデレラの靴は魔法が解けず片方だけ残っていました。そうしてお城に残っていた靴も消えていなかったので、靴のサイズが合う娘と結婚をすると王子様は言いました」


「あぁ、夢に待った日がやっときたは、これでこんな生活も終えることが出来る」


「しかしもうすぐ王公様が来るというタイミングで部屋の鍵を閉められてしまいます。そんな中王公様がやってきました」


「王宮より太閤殿下様がお越しである」


「こんな所までようこそ、2人の娘を紹介致します」


「是非ご協力をお願いします。国王はある1人の女性をお探しである。その手がかりとなるのがこの靴である。そのためこの靴を試して頂きたいと思っております」


「しかし2人の娘にも靴のサイズが合うわけはありません」


「それではかえらしていただきます。ご協力ありがとうございます」


 シンデレラは自室の扉を壊してやってきました。


すると眩い光が俺に覆った。


 まただ。


 同じ場所へと戻ってきた。


「ねぇ!宮島ちょっと表出ろ!!」


「何かしら?なぜ扉壊しちゃうの?」


「台本にそう書いてあったからほらここ」


「あ、ほんとだ。じゃぁなんで?」


「私がセリフ飛ばしたから」


「え?というかセーブ機能ないの?」


「あるわよ」


「それもっと早く言ってくれよ」


「このゲームに巻き込まれている全員が一緒にセーブと言うだけよ」


「それだけ?」


「えぇ、そうよ」


 そうして俺たちは1回幕が降りる時にセーブした。


(以下略)


「それではかえらしていただきます。ご協力ありがとうございました」


「ちょっと待ってください」


「シンデレラは自室の扉を壊してやってきました」


「何をしているのですか?」


「おっとまだいたのですね。さぁこの靴をお履きになってください」


「えぇ、もちろんよ」


「あ、これはあっていますぞ」


「こうしてシンデレラは王子様と結婚し末永く暮らしましたとさ」


 すると眩い光が俺を覆った。


 だが、いつもと同じ場所ではなかった。


 ここは……現代??


「宮島やっと戻れたんだな俺たち」


「えぇ、そうみたいね」


 こうして俺たちはなんとか本の世界から抜け出すことが出来たのだが、結局どうしてこうなったのかは分からないのであった。

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