コンプレックス
物心ついた時から ずっと
上半身に比べ太い足
いわゆるウエーブ体型だ
『男性の好きな女性のパーツ ◯位 足!』
なんて特集見る度に
ケッて悪態ついてしまう
どうせ好きな足は こういう足じゃないだろ?
って
鏡を見て ぼやいていると
昔 よく母に言われた
「顔を数ミリ不細工にする代わりに、足を数センチ細くしてやると言われたらどうする?」
ええっ 数ミリならお願いするかな
「顔の数ミリって相当変わると思うけど。それでもやるか?」
ええっ どうしよう
迷う心に 更に響く
「足は服で隠せるけど 顔は隠せないよ」
そうだね
顔もマスクがあるにはあるけど
さらけ出す機会は多い
でもさ……
「顔は0.5ミリ不細工に、足は片足5センチずつ細くなるならいいかも」
「贅沢な。足が5センチも細くなるなら、目も鼻も口も全部1ミリずつ歪めなきゃ。いや、2ミリかな」
ええっ 一ヶ所じゃないの?
「当たり前。世の中そんな甘くない。それでもやるか?」
ファイナルアンサー
どうしようかな
実際 ミリ単位でどれくらい変わるのかな
そんなことを考えていたら
何だかアホらしくなって
結局 このままでいいやって思う
そんなこんなで 数十年 共に生きてきた
遅刻しそうになって ダッシュする時も
重い子供を運ぶ時も
苛々して 地団駄を踏む時も
いつも頑張ってくれて ありがとう
短めスカートや スキニーパンツへの憧れも
まだ胸にくすぶっているけど
とりあえず今日も
一緒に歩いてくれて ありがとう
たまにはさ
ヒロインの足も太くしたろかな(やめて)
これは詩じゃないな