表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/121

Episode:81

 それと問題なのが、やっぱり殿下とイマド。

 まぁイマドとルーフェはあの関係だから、要するに殿下の横恋慕なんだけど、アプローチがけっこう凄いの。

 で、ルーフェは「雇い主」って思ってるから、反論しなくて殆ど言いなり。イマドのほうも同じで、口出し出来ないし。


 魔視鏡なんかでよくやってる、ドロドロの三角関係とはまた違うけど、妙な緊張感ありすぎかも。

 というか、これが原因で作戦失敗しちゃったらヤバすぎ。


「ルーフェイア、お前は平気なのか?」

 今も殿下、意味も無く話しかけてて。


「え? あ、えっと、何がでしょう……?」

 無視できないルーフェは、困った顔。

 けどもう分かってるイオニア先輩が、上手く割って入った。


「殿下、無駄口叩く余裕があるなら、ペース上げますけど?」

「いや、それは……」

 さすがの殿下も、口ごもって。

 そこへ先輩、追い討ち。


「あと子猫ちゃんに手出すのも、適当にしていただかないと。この子何しろ、一番の戦力なんですから」

 言外に、「ヘンなことで悩ませるな」って含みが満々。

 まぁ確かに大人しくて、基本後ろ向きなルーフェだから、悩ませたら抜けられなさそう。

 ただこの子、バトルってなると人が変わるから、大丈夫かなぁっても思えたり。


「てか先輩、そろそろメシにしません? 俺腹減って」

 イマドのほうは殿下そのものは、気にしてるんだかしてないんだか。けどルーフェのこと見ては、ちょっと深刻な顔するから、なんかそっちではあるっぽいかな。


「今朝、私の3倍は食べたでしょうに。効率が悪いにもホドがあるわよ」

「ンなこと言われても……」

 人一倍食べるイマドが、困り顔なのが面白かったり。

 ってももうお昼だし、朝は早かったし、ずっと歩いてたしで、仕方ないって言えばそうなんだけど。


「僕も休んで食べたいところだな。正直疲れたぞ」

 殿下も、きっとホンネ。

 ただ、そんなに言うほど歩き通しじゃないの。けっこう小まめに休憩入れて、そのたびに先輩、殿下の足をちゃんとチェックしてる。


 それでもこんな感じなのは、やっぱり「殿下」だからなんだろうなぁ。

 あたしたちと違ってどこへ行くにも送り迎えだし、訓練なんて、それこそ見たこともないんだろうし。

 イオニア先輩も殿下を一瞥したけど、それだけで。さすがに殿下には限界なの、分かってるんだと思う。


「仕方ないわね、昼食にしましょ。そこのボウヤ、早く用意なさい」

「え……」

 さすが先輩。いつの間にか食事係が誰か、見抜いちゃってる。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ