表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/121

Episode:78

◇Nattiess

「山って、けっこう寒くない?」

「そりゃ、朝早いからだよ」

 あの大騒ぎから何日か経って、あたしたちはまた、例の谷へ来てた。

 辺りはまだ、山火事の跡が生々しく残ってる。


「いまさらだけど、よくあたしたち、生き残れたよね」

「ルーフェイアに足向けて寝れねぇな」

 そんなことを言いながら、歩いてみたり。


 今回は荷物は、多いって言えば多いけど少ないって言えば少ないの。

 何しろ前は荷車で運んだから、それを思えばずいぶん軽装。ただ代わりにみんなの背中には、重そうなリュックがあって。

 中身は、数日分の携行食料と着替え、それに寝袋。あと身体の大きいイマドが、テント背負ってる。


 見てていちばん平気そうなのは、やっぱりルーフェ。次はたぶん、力のあるイマド。でもあたしたちだって、別にバテてるわけじゃない。

 ただ殿下は、どうしても足手まとい風味だったり。っても主役だから、置いてこれないのが辛いとこ。


 あともうひとつの問題が、ミルがついてきちゃったこと。

 ――絶対、大騒ぎになると思うんだけどなぁ。

 そうは言っても、殿下が来るように言っちゃったから、あたしたちにもどうしようもなくて。

 けどミル、イオニア先輩とは仲良しのせいか、今のところは大人しいのが救いかな?


 殿下とかの話じゃ、行き先はこの奥。ルーフェたちが行った洞窟の、さらに向こうなんだって言う。

 でもホントに、竜なんて居るのかなっても思ったり。

 もちろん、竜自体が居るのはあたしも知ってる。ただその竜が、こんなに都合よく居るとは、とても思えなくて。

 けど先輩が言うには、ルーフェたちが遭遇したの、その竜っぽいし……。


 正直、ちょっとどころかかなり不安。

 ルーフェも先輩も居るから大丈夫だとは思うし、作戦もかなり練ったから、すぐ死んだりはないと思う。

 けど相手はなにしろ、竜なわけで。何かひとつでも間違えたら、大怪我くらいはしちゃいそう。

 内心、辞退したほうがよかったかな?なんて気も。


 ただ、シーモアはやる気満々。もともと負けん気抜群だから、こういうの見逃せないんだと思う。

 イオニア先輩のほうも、実はやる気だったみたい。お金のことも折り合いついて、そのあとは俄然張り切ってたもの。


 ルーフェは、いつもどおり。命令されたから淡々と遂行って感じで、こういうところで前線育ちが出てるかな、って思う。

 イマドは、言うまでもナシ。ルーフェが行く以上、あいつが行かないとかないもの。

 ミルは……正直何考えてるんだか、さっぱりわかんない。ニコニコしながらついてきちゃって、危機感とかゼロだし。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ