表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/121

Episode:67

「ともかくそういうわけだから、複数名で同じ魔法をかける方法はムリ。分かったわね」

 ただ相変わらず、言い方は高飛車だ。


「……要するに、魔法さえ発動させられりゃいいんですよね?」

 ずっと話を聞いていたイマドが、確認するように聞いてきた。


「それがムリだって、今言わなかったかしら? 二度も同じことを、言わせないでちょうだい」

「いや、もしかしたら、出来るかもしれないんで」

 先輩はもちろん、あたしも一瞬言葉を失う。


「魔法……使えるの?」

「わかんね。けど、試してみたらやれっかも」

 イマドのいつも通りの、いい加減な答え。


「それじゃ分からないわね。ちゃんと説明も出来ないのかしら?」

「説明する前に、言わないでくださいってば」

 言い返してから、彼が説明を始める。


「魔石、ありますよね?」

「あるわね。だから何?」

 傍から聞いてると、まるでケンカしてるみたいだ。


「だからって言われても。空のそいつにこの魔法放り込んで、発動させたらダメですか?」

「え……?」

 またみんなが言葉を失う。


 イマドの言ってること自体は、ムリってわけじゃない。

 ただ何かの呪文が込められた魔石を作るって、けっこう面倒だ。きちんとした魔方陣を作って手順を踏まないと、中にきちんとした呪文が入らない。

 ましてやこんな、扱いの難しい魔法を込めるなんて、そう簡単に出来ることじゃないはずだ。


「出来る……の?」

「んー、たぶんな。ただどんだけの威力が出せっかは、わかんねー」

 要するに、作れるものの効果は未知数、ってことらしい。

 でも、試してみる価値はあると思った。これが使えるなら、かなり話が楽になるはずだ。


「イマド……だったかしら? 必要なのは何? 空の魔石は当然として、魔方陣を組むならそれ用のインク?」

 先輩も同じことを考えたんだろう。詳細を訊きはじめる。

 けどイマドの答えは、あまりにも意外だった。


「空っぽの魔石と、こいつ借りれば出来ますよ」

 言って、こっちを指差す。

「あたし……?」

「そそ、おまえ」


 嘘を言ってるようには見えない。でも、こんなのは初耳だった。

 何でもそうだけど、魔力を付与するのは簡単じゃない。本来持たないものに持たせるわけだから、かなり無茶な状態を作るわけで、そのためには魔方陣なんかが欠かせなかった。


 これは魔石も同じで、親和性が高いから魔力を込めるだけなら簡単だけど、呪文そのものとなると一仕事だ。

 それを、こんな簡単にやるって……。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ