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精霊のたまごの奪還

 精霊の攻撃が去った後、逃げまどっていた冒険者たちはようやく落ち着きを取り戻りた。レリアたちはブラオンと落ち合う事ができた。ポメラニアンのブラオンはレリアの胸に飛び込んで言った。


『レリア!無事か?』

「ええ、ブラオンが守ってくれたからよ。ありがとう」

『いいって事よ』


 レリアたちはこれからやらなけらばいけない大切な事がある。精霊のたまごを、精霊に返さなければいけないのだ。レリアはシルビア、ロザリア、ブラオンの顔を見てうなずいた。シルビアは大きくうなずき返すと、周りの冒険者たちに大声で言った。


「皆の者よく聞いてくれ!先ほどの精霊はたまごを取り返しに来たのだ。我々がたまごを返さねばまた攻撃してくる。もし返さないのならば我々の命は無い。報酬をもらっても命がなければ使う事ができない!どうか今回の依頼は辞退して、我々と共にたまごを返却する手助けをしてくれないだろうか?!」


 シルビアの声は呆然としている冒険者たちの心にひびいたようだった。冒険者たちは口々に、死ぬくらいだったら金はいらない。こんな恐ろしい思い二度とごめんだと言いだした。シルビアはうなずいてから言った。


「よし!これからベルケル子爵の館に殴り込みだ!ブーちゃん!館の扉を開いてくれ!」


 レリアの腕の中のブラオンは不服そうに言った。


『俺に命令するな!デカ女!』


 レリアは苦笑しながら自身の契約霊獣に言った。


「ブラオン、お願い」

『仕方ねぇなぁ!レリアの頼みなら聞いてやる!』


 ブラオンはしっぽをぴこぴこさせながら、重厚なドアの前に立つと、強力な火魔法でドアをぶち破った。破壊されたドアの中に、冒険者たちがなだれ込んで行く。レリアはシルビアとロザリアを見てからうなずいてから館の中に入った。


 館の中では、冒険者たちとベルケル子爵の使用人たちが押し問答をしていた。レリアたちはたまごの置いてある部屋まで走った。部屋の前には予想通り使用人が警備として立っていた。シルビアは使用人たちにわびを入れると、素手で使用人たちを投げ飛ばしていた。ロザリアが風魔法でドアを破る。レリアとブラオンが中に入ると、ブラオンが叫んだ。


『まずい!殻が割れかけてる!』


 ブラオンはレリアの腕から飛び降りると、人型を取り美少年に変身した。ブラオンはどんどんたまごのガラスケースに近づいて行った。レリアは叫んだ。


「ブラオン!危ない!カミナリの魔法が!」


 ブラオンは危なげなくカミナリの魔法を自身の火魔法で無効化すると、ガラスケースを叩き割ってたまごを抱き上げた。その途端、金色のたまごに沢山のヒビが入った。そしてたまごの中から可愛らしい女の子が生まれた。女の子はキラキラした瞳でブラオンを見上げて言った。


『パパ!』


 ブラオンは青ざめた顔で叫んだ。


「俺はパパじゃねぇよ!お前のパパは・・・」


 ブラオンが言葉を言い終わる前に、ブラオンの背後に先ほどの精霊がこつ然とあらわれた。ブラオンは幼子を抱きしめたまま言い訳がましく言った。


「お、俺だって急いだんだぞ?!それに、俺に守護者は無理だからな!」


 美しい青年の精霊は大きくため息をついてから言った。


『お前は人間と契約している。そんな奴に赤子の世話は無理だ。だが、誕生の際にお前を最初に見てしまった。名前くらいつけてやれ』


 ブラオンは寂しげに幼子を見つめて言った。


『じゃあ、フレア』


 ブラオンの腕の中の幼子はニコリと笑った。ブラオンは悲しそうに微笑んで笑った。そして幼子を精霊に手渡した。笑顔だった幼子は突然ブラオンから引き離されて火がついたように泣き出した。パパ、パパ。と悲しげに泣き続けた。精霊はくたびれたように笑った。ブラオンは悲しそうに笑って言った。


「じゃあなフレア、でっかくなるんだぞ?」


 そして精霊を見て言った。


「フレアを頼む」


 精霊は微笑むとその場から幼子と共にパッと姿を消した。レリアはブラオンに声をかけた。


「ブラオン、精霊の赤ちゃん無事に守護者返せて良かったね」


 ブラオンはゆがんだ笑顔を浮かべて言った。


「へっ、ガキはうるさくて仕方ねぇや。いなくなってせいせいしたぜ!」


 レリアは微笑みを絶やさないまま、ブラオンに抱きついた。そして、レリアより背の高いブラオンのサラサラの髪を撫でながら言った。


「フレアが大きくなったら会いに行こう?なんたってブラオンは名付け親なんだからね」


 ブラオンは泣きそうになりながらレリアを見つめた。そしてレリアをきつく抱きしめた。レリアはブラオンの背中をポンポンとたたいた。


 遅れて室内にシルビアとロザリアが入ってきた。ロザリアは、レリアとブラオンを見ていった。


「レリア、一体どうなったの?」


 レリアはブラオンから離れて、ロザリアに振り向いて言った。


「精霊や霊獣は生まれたての時はとてもか弱いの。だから精霊か霊獣が守護者として守り育てるの。さっきの精霊はあのたまごの守護者だったのよ」

「だからあの精霊の赤ちゃんは毛玉の事パパって呼んだのね?」

「うっせぇ!チビ女!」


 ロザリアはニヤニヤ笑いながら言うと、ブラオンは牙をむいてどなった。







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