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魔物の影

 レリアたちはさらに豪華な部屋に通された。豪華なソファにはふんぞりかえって座る太った男がいた。この男がベルケル子爵なのだろう。ベルケル子爵は高圧的な態度で言った。


「そなたたちがあのたまごの正体を知っておるとな?」


 シルビアとロザリアはレリアを見た。レリアは抱っこしたブラオンを見た。ブラオンもうなずいている。レリアは深呼吸してから言った。


「おそれながら、ベルケル子爵。私は召喚士です。私の契約霊獣があのたまごを早く手放してほしいと言っています。あのたまごは精霊のたまごなんです」

「なんと、精霊のたまごとな!ますます手放す事はできぬ!」

「いけませんベルケル子爵!このままでは人間が滅ぼされてしまいます!」


 それまでおうようだったベルケル子爵は顔を真っ赤にして怒鳴りだした。


「無礼者!わしは子爵じゃぞ!精霊のたまごは渡さぬ。そのために貴様らを雇ったのじゃ。何が来てもこのたまごを守るのじゃ!」


 ベルケル子爵は取りつく島もなかった。それだけ言われるとレリアたちは部屋から追い出されてしまった。


 レリアたちは途方にくれてしまった。レリアはブラオンに聞いた。


「どうしようブラオン」

『人間は仕方ねぇなぁ。事の重大さがちっともわかってねぇ。しょうがねぇから屋敷の外で待機するぞ。俺がたまごを取り返しに来る精霊と話をしてやる』


 その前に、とブラオンはレリアにお願いをした。精霊のたまごがどうやってベルケル子爵の元にやってきたのか知りたいというのだ。レリアは、自分たちをうるさそう避けようとする執事をつかまえて問いただした。


「執事さん!このままだとベルケル子爵は精霊の怒りを受けて殺されてしまいますよ?!」


 主人の危機と知って、執事は顔をしかめながら答えた。


「フードの男が売りに来たのだ。ベルケルさまは一目であのたまごに心を奪われてしまわれた。それ以来仕事もおろそかになってしまわれたのだ」


 レリアは考えた、フードの男は一体何者なのだろうか。レリアは腕の中のブラオンに聞いた。


「ねぇブラオン、フードの男って何者かしら?」

『おそらくだが、フードの男は人間じゃねぇ。普通の人間に、精霊がたまごを回収する前に見つけて奪う事なんてできねぇよ』

「もしフードの男が人間じゃないとしたら、一体何が目的なのかしら?」

『・・・、人間と精霊の敵対かな』

「どうして人間と精霊を敵対させるの?」

『そんなの俺にだってわかんねぇよ。だけど、本来精霊は人間界に干渉しない。人間の中には心の綺麗なやつもいる。人間を傷つけたいとは思っていないはずだ』

「じゃあ人間と精霊の敵対を望んでいる者って誰かしら?』

『当て推量でものを言うのは俺は好きじゃねえが、おそらくは魔物の仕業だろう』

「どうして魔物が人間と精霊がケンカをすると喜ぶの?」

『精霊は聖なる者だから基本的に魔物は嫌いだし、魔物の中には人間の魂を好んで食う奴もいるからな』


 レリアとブラオンがずっと話し込んでいると、しびれを切らしたロザリアが叫んだ。


「もぉ、レリアも毛玉も私たちにわかるように話してよ!」

「ごめんロザリア。うんとね、もしかしたら魔物のせいかもって、それで怒った精霊がたまごを取り返しに来たらブラオンが謝ってくれるって」

「えっ?!それだけ?もっと長くしゃべってなかった?」


 ロザリアの剣幕にレリアとブラオンがたじたじしていると、シルビアが間に入ってくれた。


「ロザリア、慌てるのもわかるが今はブーちゃんだけが頼りなのだ」


 シルビアに諭されロザリアはふてくされたように黙った。無理もない、このままだと人間と精霊の争いが始まってしまうかもしれないのだ。レリアたちは館の外に出た。外には冒険者たちが敵の襲撃に備えていた。




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