記憶4
私は、あの夢で唯一覚えてる私にとっての光を忘れられなかった。
今思えば、あの歌は、私の誕生日に聞こえてくる。
これまで、自分の価値が見いだせずにいて、誕生日にも、意味を感じずにいたけれど、私は初めて誕生日が楽しみになった。
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あれから、また1年がたち9歳になった。
父は懲りずに私と関わりたいようだ。
私は、正直、父を信用できない。
だけど、侍女は私に父と関わった方がいいと言う。
事情も知らないのにこんな風に言われるのはいい気持ちではない。
仕方なく贈り物だけで目を通すことにした。
今までは、中を見ずに全て魔法で燃やしていたから、何が入っていたのかは知らない。
一応優秀な父の事だ。
開けたものを殺す魔法が施されてるかもしれない……
そんな魔法があるかは知らないけど…
そんなことよりも、今日は、あの待ちわびた誕生日だ。
侍女に「今日は、気分がよろしい様ですが何かいい事でもあったのですか?」と言われた
どうやら態度に出てたらしい。
正直に「誕生日だからよ」と伝えたら、ポカンとした顔をしたあと、急に焦りだして、「急用を思い出したので失礼します」って部屋を飛び出していったの。
不思議よね
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侍女が帰ってきて、「当主様から、お食事のお誘いがありますが、どうなさいますか?」と聞いてきた。
きっと、また行かなかったら、何か侍女に言われるのだろう。
そんな日は、侍女が部屋を出ていってくれないので、仕方なく参加してみることにした。
きっと、今日の夢が楽しみだったのもあるのかもしれない。
私は、母が死んでからは部屋でご飯を食べていたのであまり、この館を歩いたことが無い。
小さい頃は危ないからと、移動場所を制限されられていた。
そのため、この館のどこに、どの部屋があるのか知らない。
侍女は、そんな事は詳しく知らないので。
「用事があるので、先に向かっていてください。」
と言って出ていってしまった。
正直いって、滅茶苦茶、面倒くさい事になった。
更に、父の為にとなると、余計頑張る気がおきない。
だか、行くと、言った以上行かないわけにもいかないので、とりあえず部屋を探すことにした。
部屋を出ると久しぶりの広い廊下に出た。
場所が分からないのでとりあえず歩く。
確か、2年前の記憶だと、家族で食事をとっていた場所は、1階だったはずと、だけ思い出せて、階段を最初に探すことにした。
長くなるので一旦切ります