記憶3
あれから1年たった。
今だに監視生活は、変わってくてただ1年前に比べて大人しくなったからか侍女が部屋を出る時間が延びた。
父が許可したのかもしれない。
今となってはどうでも良いけど。
私が思い出すのは彼の歌だった。
人間最初に忘れるのは声と言われるほど音声と言う記憶は、忘れやすいのだけれど私は、今だに彼の歌声が頭に響き続けてる。
もう一度。
もう一度聞けば何か思い出せる?
あの彼の歌を聞いた時に頭に流れてきた記憶の断片。
私は、何を忘れているのだろう?
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「今日は、お嬢様の誕生日ですよ!」
あぁ、もうそんな日なのか。
「当主様から贈り物も送られてきてますよ!何があるのか楽しみではありませんか?!」
どうやら顔にどうでもいいと出てしまったらし
い。
それにしても、父も外面を演じるのが大切らしい。
まぁ、一人娘を毛嫌いしているなんて知られたら面倒なことになりかねない。
何より評判にも関わるだろう。
正直いって父とは関わりたくない。
「贈り物は、部屋に置いといてあとで開けるから。後、頭痛がするからもう寝るわ。」
侍女は、心配そうにこちらを見ながらも「分かりました」と言って部屋を出ていった。
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「♪〜〜〜♪〜〜」
歌が聞こえる。
前よりも鮮明に。
外からだ、いてもたってもいられず、カーテンを躊躇なく開ける。
幻想的な夕闇の中、そこだけ雰囲気が浮き出ているかのような赤い髪の少年が歌を歌っていた。
赤い髪。この国では珍しい色だ。
異国の人だろうか?
ジーッと見つめ過ぎていたせいだろうか。
少年は、歌うのを辞めてこちらを見た。
驚いていると、少年は、ニコッと眩しいくらいの笑顔を浮かべて、こう言った。
「ねぇ、思い出せそう?」と
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ハッと、して目を覚ます。
何か忘れてる気がする。
そう、歌が聞こえて、それで……
どんな夢を見たんだっけ?
ただ、覚えてるのは、明るい光を見たような気がする。
私は珍しい小さく笑みを浮かべた。
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