記憶1
主人公の名前は、マリアです。
どんな記憶をお持ちですか?
私の楽しい記憶は、煌めく角砂糖みたいで
嬉しい記憶は、太陽のように輝き眩しくて
悲しい記憶は、夜の孤独の星の様で
ツライ記憶は、寂しそうに揺れる水鏡みたいで
それらのすべての想い出が記憶が……
私の宝物です
それらのものが、全て塵となって消えていっても
永遠と言う祝福が呪縛がとけたとしても
私は、私にとっては命よりも大切な記憶なのです
彼からしたら、気まぐれでゴミのような記憶するに値しない想い出でも。
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私は、小さいながらも賢い方だった。
6歳の誕生日にそれはおきた。
母が死んだ。
病気だったらしい。
私の家は伯爵家で、医者も呼ぼうと思えば呼べた。
だが、何故か呼ばなかった。
私は、父に問い詰めた。
「なんで、お医者さんよばなかったの?!お母さまが、生きれたのかもしてないのに?!」
父は顔を顰めてこう言った。
『お前が知る必要はない。お前が母を殺したんだ。』
私はわけが分からなかった。
父に責められたので居たたまれなくなって私は、逃げた。
ドレスなど関係なく走って、裏庭の隅の死角に隠れた。
侍女達が、自分を呼ぶ声がするが、ここから出る気にはなれなかった。
私は、初めて泣いた。
生まれてきた時も泣かなかったらしい。
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それから、私は父に言われ自室に引き篭もった。
そして、父はあの日から必ず私に侍女をつけ監視させた。
カーテンは、必ず締め切られて、いつも暗闇。
カーテンを開けようとすると監視の侍女突然が怒鳴った。
私は、驚いて侍女を見ると。
鬼の様な形相をして、『カーテンは、絶対に開けないで下さい。当主からの命令です。』
と言われて渋々カーテンを開けるのをやめた。
ご飯は3食出されたがどれも味気なかった。
暗闇ではやることも無い。
昼になると、カーテンから溢れる光だけが、希望で憧れだった。
それから、一年たった。
私は、こんなに暗闇にいるのに気が狂えない。
どんなに狂えてしまったら気が楽なのだろうか。
侍女は、今年で新しい監視になった。
彼女は、こちらに友好的で時々部屋から出ていってくれる。
と言っても30分程だが。
いつも見られてるストレスから、そのときだけは開放された。
ある日侍女から言われた。
『お嬢様の今日は誕生日ですよ』
もうどうでも良かった。
今日も、侍女が部屋を出てくれた。
そんな中だった。
外から歌声が聞こえた。
男の子の声だ。
何処かで聞いたことのある。
あぁ、そうだ母が歌ってくれた歌に似ている。
でも違う、歌詞が違うんだ。
私は、その歌声を聞いていた。
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その後侍女に、起こされた。
歌声が聞こえたか?と聞いたら
『?特に聞こえませんでしたよ。』
と言われた。
きっと夢だったのだろう。
また、あの歌が聞けるだろうかと思いながら私はもう一度少し眠りについた。