06.共通 Scene2
あれから、近くのカラオケに行ったのだが……。
「な、なんで二人ともこんなに近いのかな?」
この部屋結構広いよね、なのになぜなのかな。
「悠樹様の番ですよ?ほら、どうぞ。」
「くすぐったいから耳元でささやかないで!」
暑いなー、この部屋。
「いいから早く歌いなさい。」
「えっ、この曲デュエットなんだけど?しかも入れたの俺じゃないし。」
「大丈夫ですよ、悠樹様と私が歌えるような曲ですから。」
まあ確かに歌えるけども。
「そんなの駄目よ?それ実は私も歌えるの。だからあなたが私と代わりなさい。」
「仕方ないですね、お互い一回だけですよ?」
「あら、意外と物分りがいいみたいね。」
いや、怪しすぎるだろ。普通に。
そしてその予感は的中した。
「悠樹様……」
耳元に小声で呼んでくる。がそれにはもう慣れた。しかし、余裕をかましていると美織が太ももを乗せてきた。スカートからチラッと下着が見える。
「み、美織!?」
カラオケは立って歌う派のかすみも俺の異変に気づく。しかし、もう遅かった。
「ちゅっ」
美織がキスしてきたのだ。部屋に蠢く殺気。
「ふふっ、悠樹?許婚を前になんていい度胸ね。何か言い残すことはある?」
あっ、やっぱり俺のせいなんだ?
「ごめん。」
「そうね、最初に謝ったのはいいと思うわ。じゃあ、次に言うことは?」
かすみと俺は昔からよく喧嘩をした。そのためか、いつしか仲直りのときの約束事ができたのだ。それは謝罪と代償だった。
「一回だけ何でも言うことを聞く。それで許してほしい。」
「駄目ね、それじゃまだ足りないわ。そうね、今度二人きりでデートしましょう。一泊二日で。」
「そんなことはさせません!私も付いていきます、いいでしょう?悠樹様?」
「ごめんな、かすみとの約束は絶対に破れないから。今回は許してほしい。」
「そんな……。」
「そんな目で俺を見ないでくれ。というか大体美織がキスしてきたからこんなことになったんだよ。」
「そうだった。悠樹、確か何でも言うことを聞くのよね。」
「う、うん。」
なにかとてつもなく嫌な予感がする。
そしてかすみは座っている俺に馬乗りになる。
「な、何を!?」
かすみ、その体勢は色々危険だと思うの。
「命令よ、悠樹。今からすることに無抵抗になりなさい。」
そしてかすみは唇を俺の唇に近づける。
「そんな好き勝手を私が許すわけがありません!」
美織がかすみを押しのけようとする。しかしかすみはそんなことも予測していたのか、しっかりと俺の肩をつかんでいた。
「んっ……。」
俺はかすみとキスをした。
「あ……あぁ。けどまあ、悠樹様のファーストキスは私がしっかりと貰いましたから。」
「なんで俺がキスしたことないって知ってるの!?」
そんな風に思われていたのか。まあそうなんだけど。
「ふふっ、本当にファーストキスなのかしらね。私は二回目だったのだけど。」
「えっ。」
「悠樹が寝てるときにやった、かもしれないわね。」
ニヤッと美織のほうへ向いて言う。俺でも知らなかったよ、そんなこと。
壮絶な喧嘩が始まった。
ああ、これが修羅場ってやつなのか。こういうときは殺傷事件が起こる前に席をはずすに限る。
「ちょっとトイレいってくる!」
二人が言い合いを始めていたので、自然に逃げられたのだった。
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