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04.敷島美織 Scene1

「んん……。」


 意識がボーッとする。体がやけに重たい。


「ここはどこだ?」


 本当に体が重い。起き上がることさえもできないなんて。天井とにらめっこすること二分。


「あれ?なんかお腹が温かい。ぬくもりを感じる。」


 かけられていた布団をめくる。


「ん……旦那様、おはようございます。お体は大じょ」


 俺は布団を戻しニ度寝を決め込もうとした。

 しかしそんなことを神は許してくれなかった。吊り上げられる布団、カーテンに映る陰、響く怒鳴り声。


「なぜ二度寝しようとしたか教えてくれるかしら。」

「ゆ、夢かなって。」

「夢じゃないわよ?悠樹が私以外の女とベッドで寝ているという事実はね。」


 やばい、たいそうお怒りのようだ。


「いや、本当にわかんないんだ。何でこの子が一緒に寝てるかなんて。」

「それは簡単。悠樹がその女を抱きかかえて寝てたからよ。」


 思い出した。俺はこの子を守るために……。


「まあそれはツケにしておくわ。ただ、問題はそこじゃないわ。」


 浮気が発覚した男ってこういう気分なんだな、まあしてないけど。


「その女、誰よ。」


 こわいこわいこわい。どうしよう、俺もよくわからないし。


「私は敷島美織、悠樹様の伴侶。あなたこそ誰なの?悠樹様と親しげに話してるし。まさか不倫相手?」


 美織がひょこっと布団から顔を出す。


「えっ。美織って、あの美織なのか?雰囲気変わったな、全然気づかなかっ」

「うるさい、今は間に入ってくるな。で、私は悠樹の許婚ですがなにか?泥棒ネコさん。旦那様か何か知らないけど悠樹とどんな関係なの?」


 間に入ってきたのはどちらかというとかすみのような気がするが。


「私と悠樹様の出会いは中学校二年生のときでした。」

「なんか急に悠樹との出会いを語り始めたんだけど。」

「いや、恥ずかしいわ。」


 しかし夢中で語りだす美織を誰も止めようとはしなかったのだった。

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