表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/26

13.朝比奈・シャーウッド・リリー Scene4

 リリーの手を握り花火会場へ向かう。

 あれだけ余裕ぶっていたが心臓はバクバクだ。大丈夫だろうか。手のひら越しに伝わってないよね?


「こ、ここでいいんだよね?」

「そ、そうですね。」


 こわ、周り誰もいないんだけど。


「ほんとにあってるよね?」

「た、多分大丈夫ですよ。」


 自信なさそうなリリー。

 その時だった。大きな音と共に咲く三つの花。


「始まったみたいだね。」

「綺麗ですね。こんないい場所だったなんて。」

「お母さんに感謝しないとだね。」

「そうですね。家に帰ったら伝えてみます。」


 そんなこんなで花火もあと半分だ。そしてここが大きく盛り上がりを見せる時間でもある。

 空に大きく赤、緑、橙、桃そんな色の花火が咲く。迫力やスケールが凄い。火山のようだと評判なだけある。


「綺麗だね。」

「そうですね。悠樹は私と花火どちらが綺麗だと思いますか?」

「意地悪な質問だけど、綺麗の種類が違うし比べることなんて出来ないよ。ただ、いつも一緒に居たいと思うのはリリーのほうだね。」

「それは当たり前であってほしいです。」


 花火を見上げ手をつなぎ笑いあう。幸せな時間だ。


「悠樹、ちょっとこっちを向いてくれませんか。」

「ん?」

「ちゅ……んっ……。」


 リリー!?何やってるの!?


「今日一日のデートのお礼です。」

「う、嬉しいけどいきなりキスはびっくりするよ。」

「そうですか。じゃあもう一度しますね。」

「ちゅっ……あっ……ん……」


 しばらく花火を見たりキスを要求されたりの繰り返しだった。

 そんな中、リリーのスマホから急に着信がなる。


「リリー!今すぐ帰ってこれるかしら!」

「おばあちゃん!?悠樹さんはなにも悪くありませんよ!」

「誰もそんな話はしてないですよ。それよりお母さんが倒れてしまって大変なのよ!出来る限り早く帰ってきなさい!」

「やっぱりか。急ぐぞ、リリー!」

「急ぐってどこにですか。駅に行っても新幹線は明日ですよ。」

「俺がリリーのお母さんに頼んでおいた。」

「頼んでおいたって……わかっていたんですか!?こうなることを。」

「そんなわけないじゃん。万が一の時にって思っただけ。」


 リリーの手を引いて走る。どうか間に合ってほしい。

 そんなときだった。


「やっと見つけたわよ、悠樹!」

「悠樹様!会いたかったです!」

「久しぶりだね、悠樹。」

「み、みんな!?何でここに?」

『そんなの悠樹(様)と花火見るために決まってるでしょ(じゃないですか)!!』

「そうなのか。けどごめん、今急いでて。」

「悠樹様、やはりその女に誑かされているのですね。」

「待って、美織。だとしたら今頃花火を見てイチャイチャしていると思うの。だから何か事情があると思う。」

「確かにね。悠樹、今の状況を話しなさい。」

 まさかここまでリリーさんが続くなんて思いませんでした。分割して二つ出します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ