異世界に来たら、だれでも幸せになれると思ってましたー3話ー
リープと呼ばれていた少女は、村長と呼ばれていた小汚い老人から視線を俺にずらすと、すっと俺の手を両手で掴んできた。
「よくぞ、私たちの召喚に応じてくれました。ありがとうございます!」
少女は目を潤ませ、俺の手をブンブンと上下に振り回す。
こんな風に女の子に感謝されたことなんて、俺の今までの人生では一回もなかった。
死んだわけでもないのに生まれ変わった気になってしまう。
これぞ異世界転移だろう。素晴らしい。
「うむ、寝る間を惜しんで準備した甲斐があったのうリープ。成功じゃ!」
「はい、思えば今まで失敗続きでした。村長!」
喜び合う二人、そんなに俺がここに来たのが嬉しいのだろうか。
しかし、今更ながらなぜ俺はここに呼び出されたのだろうか。
そもそも、普通の高校生である俺が異世界に召喚されるなんて。
何かの間違いじゃないだろうか。
その気持ちを俺は二人に言葉で伝えてみた。
「なあ、喜んでいるとこ悪いけど、なんで二人は俺をその・・・召喚したんだ?」
俺の問いかけに、ポカンとする二人。
そして・・・
「そんなの、この世界を救ってもらうために決まってるじゃないですか。【勇者様】」
異世界転移一日目、どうやら俺はこの世界で勇者になるみたいです。