異世界に来たら、だれでも幸せになれると思ってましたー2話ー
時間がどれくらい経ったのか、分からない。長かったような短かったような、でも一瞬のようにも感じた。
白い光が次第に消えていくと、そこはもう、今まで俺がいた「世界」ではなくなっていた。
何故そんなことが分かるのか。俺には予備知識があったからだ。
目の前に、美少女がいる。それはもう俺が今までにあったことがないくらいのレベルの美少女が。
そんな存在が目の前にいたら、先ずは異世界転移を疑えと、母親に教わるものだろう。
だから俺は、今自分がいる場所が、異世界であることを認識した。
いや、まぁ本当は気が動転している所に美少女が見えたから、見とれてただけだけど。
「「やった―――!!!成功だ――――!!!」」
共に上がる歓声。一つはとても可愛らしくてすぐに目の前の美少女だと分かる。
もう一つは、なにかしゃがれた、年を取った鶏のようだったけど。
「やったぞ、リープ。召喚は成功したぞ!」
「はい、村長。これで私たちも他の人たちに馬鹿にされずにすみますね」
俺が右を向くと、老人が一人いた。緑色のローブを着ているが、顔を見ることができた。
そうか、ここには俺と美少女以外に人がいたのか。興味がなくて気が付かなかった。
村長と呼ばれていたから、多分それなりに偉いのだろう。美少女の方はリープと呼ばれてたな。
異世界に来て、先ずは村長と美少女リープに出会った