異世界に来たら、だれでも幸せになれると思ってましたー1話ー
とても古いゲームを見つけた。
それは、一目でゲームと分かるデザインだった。でも最近のではないだろう。
多分、俺が生まれる前の物じゃないだろうか、まったく見たことがない。
自分の部屋のクローゼットの隅にあった段ボール箱。その中の一番下に隠される様にしまってあった
それを、日曜日なのに何も予定がなく、仕方がないから「一人家宅捜索」をしていた所、偶然発見してしまった。
動かしてみようかな、そもそも動くのかコレ。電源は電池式かな、これまた珍しい。一応電池は単三が二本入っている。
まあ、物は試し。俺は電源を入れてみることにした。
プッっと起動音がなってから、しばらく無音。画面にはなにも表示されない。
そりゃそうか、なんか拍子抜けした。
そのままポイと辺りにゲームを投げ捨てる。カシャンと音を立てて転がるゲーム。
あんなとこにあった物が動く訳ないか、気にしない気にしない。
まだまだ、家宅捜索は終わってないしな。次は全く使っていない通販で買った筋トレグッツ達を
―ブン・・・
後ろから音が聞こえた、振り向くとさっき投げ捨てたゲームから青白い光が放たれていた。
俺は駆け寄って画面を見る、そこにはよくある主人公の名前を決める画面が映っていた。
ゲームを手に取り、自分の名前を打ち込む。
「カイ カナメ」
ちょうど5文字、打ち込めた。安堵して俺は何となくゲームのボタンを押した。
青白い光は迸る程に強くなり、景色は眩いほど白くなっていった。