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SEA - ADVENTURE   作者: あずま
7/97

SEA - ADVENTURE ☆6☆

☆ 6 ☆



海の下の世界…海陸界…。

死の穴…伝説の剣 スカイ…。


全て夢のように思えてくる。


……いや、夢であってほしいこともあった。


シェスカの料理とか…シェスカの料理とか!!



「夢じゃないよなー…」


朝起きると見慣れた自分の部屋に、見慣れない真っ青な剣があった。


「海の王…か……」


…………また行けるよな…?


野分は起き上がるとスカイを手に持ち見つめた。

ふとスカイ越しに時計を見ると一気に眠気がふっとんだ。


「うわあ!?遅刻するっ!!」


スカイが消えるとバタバタと支度をして家を飛び出して行った。






「の~わ…きっ!!!」

「どわあっ!?」


全速力で走っていると後ろから勢い良く背中を叩かれよろめく。


良く聞き慣れた声に顔を上げるとそこには自転車に乗る2人組。

運転は岳、もう1人は女の子「東宮南月(とうぐうなつき)」この3人は幼馴染みだった。


「そんなんじゃ遅刻するよー?」

「頑張れ少年!」


2人はそのまま自転車で走り去って行った。


「つっ…お前等は良心はないのか~!!」


野分の叫びはむなしく消えていった。






「よっ……と!」


学校に着くと南月は自転車の後ろから飛び降りた。

岳も降りて自転車を置きに行く。


「ありがと岳!」

「どーいたしまして」


2人で校門をくぐるとザワザワとし始めた。


「あ、南月ーおはよ!」


その中で南月の友人が手を振っていて、南月はその友人の所へ走って行った。


その様子を見てから岳は欠伸をしながら校舎へ入って行った。



「本当、凄い組み合わせだよね…しかも本人逹は自覚なし!」


「ん??」


友人の話しに首を傾げる南月。


「そりゃ、トップの2人が一緒に登校してたらね…ざわめきもしますわ…」


「だからー…ただの幼馴染みだってー…」


南月は度々聞かされるこの話しに苦笑いしていた。


「な~つ~き~…」


歩いていると後ろから恨めしそうな声が聞こえ振り返る。


そこには息を荒げた野分が南月を睨んでいた。


「あれー?間に合って良かったね!最高記録!じゃ!!」


「最高記録出しても嬉しくないわ!!!」


南月はそのまま走り去り、野分は追い掛けて行く。

2人でぎゃあぎゃあと騒ぎながら校舎へ入って行った。


「ねーえ…なんで神崎なんだろうね…」

「さあ??椎草君なら美男美女なのにねー…」


友人は2人の様子を見てゆっくり校舎へ入って行った。






「たくっ…南月めー…」


結局捕まらず授業中も後ろから南月を睨んでいた。


南月は気づいてるのか気づいてないのか、隣りの席に座る友人とコソコソ話し、くつくつと笑っていた。


野分はその様子に一息つき授業を聞く事にした。




暫く聞いているがすぐに眠気がやってくる…ポカポカと良い天気…陽当たりも良く、眠気を誘う。


野分はそのまま気付くと眠ってしまっていた。








「たくー…野分はー…」


海陸界…シェスカはいつもの大きな木の下にいた。もちろんジョラルロも一緒に。


急にジョラルロが顔を上げ木の上を見つめた。


「ん?どうしたの……」


『ガサガサガサガサッ!!!』


シェスカが声を掛けた瞬間上から何かが落ちてくる音がした。


「なっ、何??」


「いででで~…あ、シェスカ…」


恐る恐る振り返ると、そこには葉っぱだらけの野分がいた。


「シェスカがいるってことは、また海陸界に来たのか…?」


野分はキョロキョロと周りを見渡す。

シェスカと初めて会った場所だと確認した。


「…み……」


「み??」


シェスカが固まり言葉を発する。

野分は聞こえた言葉に首を傾げた。


「見つけたーー!!帰って来たー!!!」


シェスカは叫ぶと、ジョラルロが野分を口にくわえ城まで走って行く。


「ぎゃああー!?食われるー!!!」


野分は情けない声で叫んでいた。







「シェスカ!良くやった!!」

「うん!!」


城内へ入るとカリスとアロスがいてドサッと落とされる。

カリスとシェスカはにこにこと笑っていた。


……この2人絶対俺が王っていう自覚ないだろっ!!


ジョラルロは下に落とした野分に鼻を近付け匂いを嗅ぐとベロンッと舐める。


おいおい…俺は食べ物じゃないぞ~…いや…ライオンからすると食べ物なのか…早く助けろよ!!


野分はぐたりしてジョラルロの下で苦笑いしていた。


「野分、心配しましたよ?」


アロスがしゃがんで覗き込み優しく笑っていた。


「アロスー……」


ようやく野分はジョラルロの下から救出された。





「野分は元の世界へ?」


ちょうど昼時だったので4人で食事をしながら話す。


「うん、朝起きて、目が覚めたらスカイがあって…夢じゃないんだなーって……ああっ!?」


野分が話していると慌てて立ち上がる。


「スカイ!あっちに置いて来ちゃった!!」


「大丈夫です、一緒に来てますよ」


「瞬間移動!?」


手を伸ばすとスカイが現れた。

さすが伝説の剣…なんでも出来るんだな…。


「言い伝えによると、スカイは海の王を選び、正しい者とともに…と教えられました」


アロスが話すとスカイはまたふっと消えてしまった。


「明日、旅に出ますよ?準備しておいてくださいね?」


アロスはにこっと笑うと立ち上がり部屋を出て行った。

シェスカも部屋を出て行く。



「野分、少し…剣の稽古してやろうか?」

「本当?するっ!!」


カリスが立ち上がるとにっと笑い2人で中庭に出て行った。




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