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SEA - ADVENTURE   作者: あずま
6/97

SEA - ADVENTURE ☆5☆

☆ 5 ☆




「夢じゃないんだよな…」


野分は天井に手を伸ばしぼーっと見つめていた。


"父さん…俺、海陸界に来たよ"


"父さんは海陸界にいるの?"


"早くっ…会いたいよ"


野分はゆっくり手を握るとそのまま下ろした。


海陸界に来て、仲間に会って、死の穴に入って、スカイも手に入れた。

いろいろとあって疲れてるはずなのに、眠気も十分なのに、眠れない…。


暫くぼーっと考え事をしているうちにいつの間にか眠りにつく。

野分がようやく眠りにつく頃には外は明るくなりはじめていた。





静かな部屋はキィッと扉が開く音がする。

野分は気付くことなく眠っていた。


「……………ダッイブー!!!」

「ぐえっ!?」


部屋へ入って来たのはシェスカとライオン、そのまま野分に飛び乗った。


「げほっ…なっ…なんつー起こし方して…って…ライオン!?」


もぞもぞと起き上がると目に入ってきたライオンに驚き後退る。


「大丈夫だよ、大人しいから!」


シェスカはライオンの頭を撫でる。


「つっ…王は王でもその王とは仲良く出来ません!!!」


怖がる野分にライオンが近付く、野分はビクビクしているがライオンはベロンッと野分の顔を舐めた。


「ね!大丈夫でしょ!」


シェスカがにこっと笑った。

その様子に野分も安心して笑った。


「よし!野分も起こしたし、行こ!ジョラルロ!」


……ジョラルロ!?ライオンの名前!?


「アロスとカリスが呼んでるから支度出来たら来てね!」


シェスカはジョラルロと一緒に部屋を出て行った。


「…………ネーミングセンスねーな…」


野分は一人呟いた。





「ふあ~あ~……」

「野分、おはようございます!」


欠伸しながら部屋を出るとアロスと会い案内され歩いて行く。


「でけぇ欠伸……」


欠伸がとまらない野分を見てカリスが呆れたように言う。


「あまり眠れなかったんですか?」


「ん…なんかいろいろあったからか、寝つき悪くて…」


椅子に座り4人で話しながら食事をする。



「そうです、皆で揃っているのでこれからの旅の話ししときましょ」


食事が終わるとアロスが話し始める。

アロスと初めて会った時のマガの話しを思い出す。


「マガの話しは前話した通りです。後、シェスカの召喚獣集めも一緒に行うことになりました。」


「召喚獣って…さすが異世界…やっぱりいるんだそういうの…」


本当…ゲームみたいだな……。


「というか、シェスカがやるの?」


野分は悪気なく言ってしまい、ジョラルロに噛まれる。


「失礼ね!!私は獣召喚士の試験トップ合格してるんだから!!」


シェスカが誇らしげに言うが野分はそれどころではなかった。


「あ!後、俺の父さんを探すのも一緒に良いかな?」


「野分の父さん…?」


カリスが首を傾げる。

ゆっくり3人に話しをする。


約束の事…姿を消した事…聞いていた海陸界の話し……。





「………そうだったんですね」


アロスは野分の話しを聞いて、初めて会った時の落ち着いていた様子に納得がいった。


「きっと見つかるよ!一緒に探そう!」


シェスカはにこっと笑って答えた。

アロスとカリスも頷くと笑っていた。


「さて、準備出来次第出ますからね!」


アロスの言葉に皆頷いた。


"ありがとう…頼りにしてるよっ…"

"父さんっ…絶対会えるよね!"


野分は手を握った後、3人に向き合い笑った。






「第15代目海の王 神崎野分様。護衛役 アロス=ミナス、カリス=ミナス、シェスカ=ロンリ…マガ消滅への旅を…お気をつけて…神の御加護を……」






「さーて…行きますか!」

カリスは欠伸をして伸びをしながら歩て行く。


「本当緊張感ないですね」

カリスの様子にアロスが呆れたように言う。

その後をシェスカが歩いて行く。


「……………」


野分は3人の背中を見つめる。


「何ぼーっとしてるの?行くよ!」


シェスカが振り返り野分に手を差し出しにこっと笑った。


「つ…おう!!」


野分は、不安と楽しみと緊張いろいろな感情が頭を回っていたが3人の背中と表情に安心してわくわくしながら差し出されたシェスカの手をとろうと手を伸ばした……


その瞬間グラッと視界が揺れた。





"どぼーーーん!!!"


水の音…冷たい…しょっぱい……。


「おーい!野分…生きてるかー…?」


目の前には岳がいて呼び掛けられる。


「……え…あれ…岳……?何してんの…」


「何してるはこっちの台詞だ!!いきなり潜って行ったと思ったら溺れてプカプカ浮いてたんだぞお前!!」


岳は野分の頭を叩くと怒鳴っていた。

起き上がり周りを見ると大勢の人と、救急車がとまっていた。


「えっ!?俺…海陸界に……」


「海陸界…?何寝ぼけてんだよ??」


岳は溜め息をつくと立ち上がり手を伸ばす。

野分は呆然と周りを見た後、岳の手を見つめた。


見慣れた風景…夕日…海…岳っ???




"えぇえー!!!俺っ…帰って来ちゃった!!!"







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