SEA - ADVENTURE ☆3☆
☆ 3 ☆
神崎野分…人生初…物凄いことを口走りました。
俺は神崎野分…10年前海で姿を消した父さんを探してて、海の下の世界"海陸界"へ来た…というか連れて来られたって方が正しいのか…。
そんなこんなで来てみれば第15代目海の王なんて言われて……。
でも王にむかってくる奴がっ!!
無礼者!!
…なんて言葉ちょっと言ってみたかったり…。
そいつは王に試練をぶつけてきた!
そんな挑発に悩まず立ち向かう俺っ!
なんてカッコイイんだろう!!
「どーしよー……」
野分は頭を抱えていた。
「野分様、大丈夫ですか?」
心配そうにシェスカが声を掛ける。
「カリス…だっけ?」
「はい、「カリス=アリマ」いい加減ですが、二刀流剣士としての腕は確かです。」
シェスカはゆっくり話しはじめる。
「ま…ウダウダしててもしょうがないしな…」
野分はそのまま立ち上がり伸びをして一呼吸おいた。
「つっ…野分様!待って下さい!死の穴は危険なんです!」
「そりゃ、"死"って入ってるからには危険なんだろうけど…」
シェスカは野分にゆっくり話した。
「"死の穴"何千年も前に出来た不思議な洞窟…何人もの人が入って行ったけど誰1人帰って来なかった。そこは孤独と別世界に皆勝てなかった。海の王だけが、選ばれた者だけが手に出来る伝説の剣…スカイ」
「あー……その話しでたらめかもよ?」
シェスカが真剣に話しをしているところに野分が口をはさむ。
「だって、誰も出てこれなかったんだよね?それなら中がどうなってるかも解らないし、スカイって言う伝説の剣もあるか解らない、誰も出てこれなかったんだから…」
野分はそう話すと洞窟を見つめた。
「それじゃあちょっと行ってくるな!」
野分はアロスとシェスカに見送られ歩いて行く。
「あ、そうだ!俺が死の穴から出て来たらその野分様ってやめてほしい、"様"はなしな!」
野分はそう言うと軽く手を振り死の穴へ入って行った。
……実はこの穴からただ1人生きて帰ってきた者がいた。
"初代海の王、オリカスラ=メデル"
彼は重症だったが片手にはとても深い深い真っ青な剣が握られていた。
"伝説の剣、スカイ"
初代海の王のみ姿を現した剣。
「さて…無事に帰って来れるかな…神崎野分」
カリスは離れた所で真剣に見つめていた。