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その線路を見つけたのは山岳地帯の谷間でだった。
かろうじて形を留める枕木の上にどこまでもどこまでも続く、寂びたレールが敷かれている。
僕は、何故か嫌な物を見つけてしまった気がした。
このレールが、いつか僕から彼女を連れ去ってしまう。
それがわかったのだ。
彼がその線路を見つけたのは山岳地帯の谷間でだった。
かろうじて形を留める枕木の上にどこまでもどこまでも続く、寂びたレールが敷かれている。
私は、そこにそれがあるのことを知っていた。
このレールによって、いつか私は彼と引き裂かれてしまう。
それがわかっていたのだ。